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やっとのことで、太平洋を渡りきり、ワンガヌイに到達した。消耗した体を癒すため、ひとまず街で食事をとることとなった。しかし、その食事のまずいこと。奇抜な味だった。そこで、エレナが腕をふるってうまい肉料理を造ってくれた。素晴らしい味に感激する。 関心した船員が、かねてより疑問に思っていたエレナの素性について尋ねる。すると、エレナは表情を曇らせたものの、堰を切ったように話し始めた。自分には両親がいなく、さる老人の養女として、二人で生活していたこと。 エレナ曰く、「レミンカイネンさんの船に乗る少し前のことなんだけど…。おじいちゃんがこう言ったの。『もしワシがエレナの側を離れるようなことがあったら、いつの日か香料諸島の北にあるマニラまで行きなさい』と言って、このロザリオを貰ったよ。『絶対に失くしたり、誰かにあげたりしちゃいかんぞ』って。その後おじいちゃんは、ちょっと家をあけるって言って、出てったまま帰ってこなかったの…。私、ずっとずっとおじいちゃんの帰りを待ってたわ。そしたら、おじいちゃんから、手紙が届いたの…。『訳あってワシはしばらく帰ることはできなさそうなのだ。言い付けは覚えているかい? 思いのほか早く、その日が来てしまったようだ…。しかし、マニラといっても、どうやって行っていいものやら分からんだろう。そこで…これから毎日港に行き、寄港する船を一隻一隻確認しなさい。そして、その船の中にレミンカイネン殿の船を見つけたら、なんとしてでも乗せてもらうのだ。レミンカイネン殿の船は必ずやマニラに向かい、到達するはず…。だがエレナよ、変に思うだろうが、時が来るまでお前の素性は、明かさないでおきなさい。その時とは、エレナ自身がレミンカイネン殿を信頼できると確信した時だ。それと、マニラまでの道中、怪しまれぬよう世界を一周した艦隊についてのことをそれとなく聞いて回っておきなさい。マニラに着いたときに、これが必ずや役に立つだろう。この手紙に書いたこと、必ず守るのだよ。でなければ、非常に危うい状況になる。分かったね? 必ずだよ…。』って。だから、話せなかったの…ごめんなさい。今まで黙ってて…」 どうやら、バルボサからの依頼はエレナが養父から言いつけれたものと同じであるということか。ピガフェッタの手記をエレナとともに探すことを約束した。 さて、一方、セビリアではエルカノによってバルボサが尋問されていた。バルボサは頑なに口を閉ざすも、エレナの身の安全に話が及ぶと、手記のありかを喋らざるを得なかった。マニラだ。 出航前に、記録員に報告を行う。なんと、次の寄港地は、エレナの目的地であり、ピガフェッタの手記が隠された地でもあるマニラだと告げられた。バルボサとは一体何者だろうか…。疑念を抱きつつ、マニラを目指す。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008.07.29 22:20:05
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