浦島太郎のつれづれ日記

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• 元No.１芸者と！

  仕事納めの後の忘年会。３時から始まったのに終わりは１１時半、なんと８時間半。いやあ、盛り上がりました。みんなで若い頃の写真を持ち寄りました。そして、みんなで歌を歌いまくりました。参加者の６人は会社は違いますし年もバラバラだけど２０年来の友人。参加者の半分がつぶれました。私は明日は病院なので微妙なところでなんとか踏みとどまりました。ここら辺りの元No.１芸者がやっている店を貸し切っての無礼講。店もそうですが、ママはやることなすことさすがに粋です。だから８時間も思いっきり楽しめたのだと思います。しかし、ブログが間に合わないなあ。ということで、ママに今日のブログの写真がないというと、私の云十年前の写真使っていいわよとのありがたいお言葉。このブログには反則っぽいけど、もう今年も終わりだし、忘年会でもあるし。なんか雰囲気のある写真でもあるし。個人情報も心配ないとのことなので。そろそろ駅に着きます。今日１日時間を貰った分、明日は妻の時間。妻は明日９時から用があるので娘の面倒を見なければ。そして、あわせて息子の勉強の番人も。

  Dec 29, 2006

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• 運がいいとか悪いとかそういうことって確かにあると！

  今年もあと４日ということで、これまでに小学校６年生までの主な経緯はまとめたので、今日は中学時代の主な出来事をざっとまとめてみます。 中１・中学入学、新しい環境への適応は思ったよりはスムーズ・告知（本人、クラスメート、担任・学科担任全員、教頭・校長、クラスメートの親）・担任とのメール交換（中学３年間毎日、高校３年間状況に応じ適時）・担任、PDD（高機能発達障害）の勉強会に参加・次の授業の準備が間に合わない（先生、友人が補助してくれる）・将棋クラブ入部・友人もでき休み時間、昼食も一緒・夏キャンプ、スキー合宿ともに担任におねしょ対策の薬の服用指示を依頼・学校で行ったスキー教室でスキーに興味（自分がやるスポーツに興味を待ったのは初めて）中２       ・引き続き１年時の担任が受け持ち・学習面は順調（ただし家では親がつく）・生活面も課題は多いが大きな問題は起きず・相変わらず、連絡事項を見逃す、聞き逃すが担任のメールがカバー・一部友人との接触減る（休み時間の遊びが数学の問題の解きっこ）・夏キャンプ、スキー教室でおねしょ対策として担任に夜中に起こしてもらう・２回目のスキー教室でスキーが本格的に気に入る中３       ・３年間同じ担任・担任は学校では特別な日以外は、日常生活は徐々に普通の扱いに・友人減る、ただ、消極的だがごく一部の人とは言葉のやり取りはある・カツアゲ的事件被害者に（ただし、発覚した翌日には完全解決、しこりも残らず）・妻は、３年間毎日、学校での出来事を聞き、持ち物チェックを実施・合唱コンクール・ピアノ担当・夏キャンプ、スキー教室ともに、ほぼおねしょの心配なくなる・学習面は順調（ただし、成績はダウン）うーん、先生との毎日の３年間のメールをなくしてしまっていますので、抜けていることや前後している年があるかも知れません。が、大きな間違いはないと思います。とにかく、中１の時の対応がほとんどこの３年間を決めたと思います。この学校は、高校も含めて６年間、クラスは毎年変わるのですが、先生は全員持ち上がりなので、最初にお願いしようと思っていたことのほぼすべてを実行できたことはとてもありがたかったです。それどころか、毎日のメール交換とそれに、養護学校の先生でもないのに、というより普通の進学校の先生なのに、先生のためのPDDの勉強会にまで出席していただいたのには感激いたしました。本当に、運だけはいいという私の唯一の誇れる部分が十分に活かされた３年間でした。 

  Dec 28, 2006

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• 合唱コンクールピアノ担当！

  今年も残すところあと５日。何とか中学時代の出来事をもう一つ。息子の中学では毎年、中学生全員が参加するクラス対抗の合唱コンクールがあります。中学卒業を間近に控え、無事に中学生活の３年間を終えようとする頃、我が家にとっては大事件と呼ぶにふさわしい出来事が起こりました。以前にも、結果だけは書いたことがあるのですが、息子がこの合唱コンクールのピアノ担当になってしまったのです。クラスで先生が、合唱コンクールのピアノ担当者を決めるのに、ピアノをやったことがある人手を挙げてと聞いたところ、クラスの半数近くの人が手を挙げたそうです。そしてその中でピアノを弾いてみたい人と聞くと、１０人には満たないがそれに近い数になったようです。先生はまだこの時点では余裕を持っていたそうです。息子に決まることはなかろうと。そして、二人ずつでじゃんけんを始めると、あれよあれよと勝ってしまって結局最後に勝ち残ってしまったのでした。そうです、高機能自閉症児はとても素直で正直なのです。焦ったのは先生です。毎日の交換メールまで待ちきれなくて、直接、自宅に電話がありました。先生いわく、本人に良く聞くとピアノはやったことがが、ずっと習ってはいないとのことで、やはりちょっと不安そうなので、他に現在まで習っている人も何人もいるので無理しないでいいから親とも相談して正式決定すればいいからと話したとのこと。家では何とか止めさせようと、本人の帰宅を待って、無理しなくていいからねなどとやさしく諭したのですが、本人の中で一度決まってしまったものは、なかなか変更できないのが高機能自閉症の特質でもあるわけで。実は、先生も私たち親も大騒ぎするのにはちょっとした理由があります。クラス対抗の合唱コンクールといっても、会場は１５００名近くも入る立派なホールを使用します。そして、合唱コンクールのＣＤが製作されるのです。それまで息子は、小学校２年生の時に１５０名ほど入る小ホールで演奏したことがあるだけ、しかも、それ以来、電子ピアノの前に座って音は出してはいても、ピアノは習ってはいません。でも、決まってしまったものは仕方がありません。先生にも本人がやる気になっている旨を伝えると、意外にも、みんなで盛り上げて行きますから大丈夫ですよと。それからが、我が家は大騒ぎ。まずは妻が学生の頃使っていたグランドピアノを実家の窓からクレーンで持ち出し、今度はウチの窓を取り払って窓からクレーンで搬入。クラスで決めた曲、「明日へ」を息子に弾かせながら、妻が演奏が可能なように譜面を書き換えていく。練習しては書き換える。何度か繰り返し、通しで歌えるレベルに仕上げたのでした。ドキドキの合唱コンクール当日、妻もびっくりの綺麗な音色でしかも１ヶ所も間違うことなく書き換えた譜面どおりに、感情までこもっているかのような演奏を息子はしたのでした。その日は家で、妻が観客席から撮ったビデオをじいさん、ばあさんと一緒に見ながらみんなで泣きました。今でも親は時々そのＣＤを聴いて感動しています。ただのというかおお親ばか。息子はといえば、疲れるとピアノの前に座り、どこかで聴いたことのある曲をタッチをミスりながらもゆったりと弾いたりしています。そうそう、妻の報告によると、件のスーパーでは、今日は新しい箱の「味ピカ」みかんが、３箱だけ登場していたそうです。そして、昨夜、アフィリエイトした「味ピカ」はすでに売り切れたそうです。

  Dec 27, 2006

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• 

  が～ん、４０％オフって！

  冷たい雨に結構風もい。さすがに今日はみかんの話題はどうかと思う。実は、味ピカ、もう１箱ゲットしたようなのですが。それも４０％オフにて。何だか思ったほど売れていなかったみたいですねえ。正月前だというのに味ピカだけ４０％値下げされていたようです。わずか数日で２箱目を大幅値引きでゲットしたなんて、なんだか得したような損したような。正直なところはちょっと淋しいような。価格の高さとそれにあの黒に金ピカのミスマッチな箱、いいと思ったんですけど、ちょっと良識ある消費者には引かれちゃったかなあ。でも、まあこれで正月まで美味しいみかんが食べられる。って結局、３日連続でみかんの話題になっちゃいました。ここで病院到着。携帯ですので。このままアップしようかどうか迷いましたが、小心者の私は３日連続みかんの勇気がない。ということで後半に続く。今、治療を終え病院を出たら、なんだこのすんごい雨！それに風も。タクシーなんか空いてないだろうしと駅のタクシー乗り場に急ぐ。すると当然のごとく凄い列。会社を出たときよりもずっと激しい。 妻に遅くなる旨メールをすると、子供達が休みに入ったせいか体調がいいからと駅まで迎えに来てくれるとのこと。無理しないでいいからというのに。家に帰ると迎えに行ってあげたよねえ、こんな台風みたいな中。わかってるわよねえ…、アフィリエイトしてよ、味ピカ。うっ、はいっ。ってことでやはり３日連続のみかんブログに。これじゃ本当にみかん業者…。果物王国　浜中屋糖度約13度★樹上完熟★味ピカみかん味センサー選別　「5k」S愛媛川上共選 平成8年天皇杯受賞

  Dec 26, 2006

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• この親にしてこの子あり！

  今年最後の１週間のスタートの日はやはり慌ただしく過ぎました。今朝は気合を入れて７時半に会社に着き、始業時間までにざっと掃除を終えてしまおうとロッカーの中、袖机の引き出しの中など物が入りそうなところを全部ひっくり返して整理した、つもりだったのですが、そう、結果的にはほとんどをそのまま元あった所に戻すことになってしまいました。ばかりか、一部、元の所に入らないものまで出てくる始末。本当に私は整理整頓には向いてません。もしやるのなら、１日かけるくらいのつもりでやらないとダメですねえ。こんなところは、高機能自閉症の息子とそっくりだと自分でも思います。この親にしてこの子ありだとつくづく思います。妻にはしばしば、私が息子を叱っている時のその中味を見るたびに、よくもそれだけそっくりなことをしていて、自分のことを棚にあげてよく息子のことを叱れるわねえと言います。人間を疑いますなんてきついことを言われたりもする今日この頃です。言われてみると確かに、自分の好きなことはなかなかやめられなかったり、夢中になると周囲の雰囲気が感じ取れなくなったり、やる時と休憩時間のけじめがつけられなかったり、物をひょいとその辺に置き忘れたり、息子とお互いの行動をなぞるような日々の繰り返しです。クリスマスイブみかん事件もそんな息子と共通の一面が出たものでした。でも、まあそのみかんのおかげで、今晩も家族揃ってのみかんタイムで一家団欒が成立したわけですが。瓢箪から駒というやつですね。息子も娘もこれまでのみかんでは一緒にみかんを食べに集まっては来ませんでした。なのに、この「味ピカ」には昨日から味をしめたのか、「味ピカ」の箱を持ってくると、息子と娘とそれにウチのバカ犬までが、たしか犬って柑橘系は嫌いだと聞いていたのですが、全員集合しました。そこで、妻が熱いお茶をいれて、みんなでそれをすすりながらわいわいとこのみかんを家族全員で食べました。昨日に引き続き前半はドタバタしましたが、穏やかな師走の１日を最後は満喫でしました。熱い緑茶とみかんもかなりのミスマッチだと思うのですが、家族団欒には向いています。このみかん、確実にお正月まではもちませんねえ。いやあ、恐るべし「味ピカ」です。

  Dec 25, 2006

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• テーブルの一角だけのクリスマス！

  クリスマスイブといってもそれを感じさせる雰囲気がゼロな我が家。街中も新宿や渋谷などの繁華街は別にして、我が家の近辺では普通の１日。家の中も、クリスマスツリーは娘が何度も倒して去年壊してしまって、今年はなし。ケーキくらいは用意しなくては。とそんな時、じいちゃん、ばあちゃんから自家製のチャーシュー（これ、めちゃくちゃ美味い）を煮たのでとの連絡があり、急遽、我が家でパーティーを開くことに。チキンと飲み物はチャーシューと一緒に届くので、私はケーキの手当てと、何か他にクリスマスらしいものを仕入れに。そして買ってきたのが、な、な、なんと、みかん。それじゃあ、正月じゃんって。スーパーに入って最初の青果コーナーにあった試食みかんをちょいと食べてみたら、これが温室みかんと間違うほどの美味しさ。と思った瞬間、その箱を持ってしまっていました。黒とグレーの市松模様に金色の「ピカ味」の文字。横には愛媛西宇和産と書かれたいかにも特別と言いたげそうな箱。おじさんは、特別には滅法弱い。妻から預かった財布の中身を確認すると、このみかんは買える、というかこのみかんしか買えない。ええい、ままよと、みかん一箱だけ積んで帰ってきてしまいました。叱られるかと思ったら、そんなに美味いのならみんなで味見をと、とりあえず、みんなでみかんをバカ食いしてしまいました。ということで、じいちゃん、ばあちゃんがそれらしきものを持ってきてくれるかどうか、いずれにしてもそれまでは相変わらず、クリスマスらしさが何も感じられないままの、むしろ正月の雰囲気の方に近い我が家。それまでは、今朝、娘に届けられたクリスマスプレゼントの中に入っていた小さな天使でクリスマスムードづくり。テーブールの上の、１００平方ｃｍほどの一角だけ、クリスマス。

  Dec 24, 2006

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• 先生と息子と妻と私の三者面談！

  息子と妻と３人で三者面談に行ってきました。無風快晴、日向はポカポカ、しかし建物の陰に入ると肌寒い。そん通学路を昨日に続いて、しかし今日は３人で話しながら歩きました。昨晩、息子と２人で話し合って、志望校を決め、所定の表に書き込みました。国立が前期後期ともに２校づつ、私立がセンター試験利用２校、個別試験４校の計１０校をリストアップして面談に臨みました。結構、いろいろ配慮して書き込んだつもりが、４日連続して試験日になっていたり、手続き締め切りがより志望順位が高い学校の発表日前に集中していたり、あと一歩行き渡らない点がままありました。それらについて、担任の先生にいろいろとアドバイスをいただきました。さすがに、そこはプロ。次々により良い方法を、考えてくれて志望校の変更などをその場で完了しました。息子も事前に話し合っていった悩みを先生に相談できたことはとても良かったです。その件で、この面談を終えて帰宅した直後に別の先生から直接ご連絡をいただくという効果が現れたのですから。ただ、私がその場を和らげようとちょっと強引な話を持ち出したりしたところ、それに息子がストレートに反応してしまい気まずくなる場面もありましたが。息子は、親が必死に話している間、大あくびを２回、落ち着きなく身体を揺らすことを３回ほど繰り返しました。その都度、妻が、見えないように脇腹をつついて注意を促していたそうです。多少の問題はあったにしても、お願いすべきところはお願いできたし、先生からは有益な情報をたくさんいただけたし、全体としてはとても有意義な三者面談だったと思います。面談時間の５０分間、有意義な時間を共有することができました。よく観察してみると、現在の担任の先生には、高機能自閉症的な特徴がポツリポツリとみられたこともちょっと私たちをワクワクさせてくれたした。やはり、数学の先生にはこういう雰囲気を持った方が比較的多くいらっしゃるのかもしれません。このこともまたちょっと楽しく有意義でした。帰宅してしばらくすると、勉強の仕方がわからずに悩んでいると今日の面談で話した教科を受け持つ先生から電話がありました。早速、これこれの問題をやって２時間後にＦＡＸしなさい。添削して送り返すから。それに、正月期間中は実家に帰っているがそれ以外はほとんど学校にいるからいつでも来なさい。くることができないときにはＦＡＸでも電話でもしなさい。などとおっしゃっていただきました。息子は昼食後のお茶の時間もそこそこにあわてて問題をやってＦＡＸしていました。とにかく、何につけても対応が素早い学校です。

  Dec 23, 2006

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• 最後のクラス懇談会！

  朝からなにやかやでばたばた。それもそのはず、もう来週は仕事納めです。今日はその１週前の週末なんですから。年をとると１年があっという間に過ぎると言います。確かに相対的な時の速さは、１０歳ならその１年は１０分の１だし、５０歳なら５０分の１だから感じる速さは５倍になるのでしょうか。まあ、それより、年をとると脳が刺激に鈍感になって環境変化を認識できずに時に置き去りにされ、ある時、実際にカレンダーを見たりして現実に引き戻されると、あっという間に時だけが過ぎていたことに気づくってあたりのことかも。この場合の相対性理論と唯脳論はどちらも怪しげですけどねえ。前振りが長くなってしまいました。携帯で書いているとついついあちらこちらにテーマが飛んでしまいます。今、会社を早退して息子のクラス懇談会に向かう電車の中なのですが、ようく考えるとクラス懇談会って特別何もなかったんじゃないですかねえ。別に明日の三者面談があるのだからそこで相談しながらわからないことがあれば聞けばすんだのでは。でも、息子に懇談会出られるのなんて聞かれて、ああと中途半端な答え方をしたら、ニコッとありがとうなんて言うもんだから、ついつい出るしかないかなんてとくに深く考えずに今日を迎えてしまったわけですが。４０名のクラスでお父さんの出席は私を含めて３名でした。どうやらもう今日以降は、息子は自主登校と何日かの演習日を含む指定登校日の他は学校に来ることはありません。あっ、それと全国的に問題になった未履修科目の補習がありますが。病気と事故以外休まずよく通ってくれたものです。なんだか、学校からの通学路を今、こうして歩いていると感無量です。小学校に入学するときには普通学級は難しいかもなんて言われていたのですが、もしかするとそちらの道の方が本人にとっては楽しかったのかもしれませんが、まあこうして無事にあと少しで高校卒業というところまで来ることができたということは本当にありがたいことです。と、通学路の途中でのひとときというかこんなことをぼやーっと考えられる穏やかな時間が持てたということはやはり懇談会に来てよかったということですよね。あれ、そういえば明日も三者面談でまたこのコースを辿って学校に来るんですけど。

  Dec 22, 2006

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• かつあげ…のようなもの！

  タイトルだけ書いたのですが、今、病院に向かう電車の中でして。乗客を見回してもオモシロそうな人は見当たらないし。やはり、かつあげ…についでです。息子が中３の頃の出来事です。友達がほとんどいなくなってきていたこと以外はさしたる問題もなく、比較的穏やかに過ごしていた頃のことです。妻は息子が帰宅すると、毎日、カバンの中味を見ながら、今日はしっかりノート取ってきたねえとか、電車路線図や野球のスコアボードが好きで授業中に落書きに興じたりすることがあるので、なんか消した跡が残っていたりするとちょっと遊んじゃったねえとか様子を観察したり対話をしたりを毎日続けていました。ある時、ノートのあるページが破れているのが見つかりました。わけをただすと、友達にお金を貸したとのこと。ノートの破れはそれを書いたり消したりの結果だったようで。本人は本当に貸したということなのか、そして戻ってくるのかどうか判断しかねて不安がってるところでした。クラブの後輩、そう後輩たち３人に、１００円貸してと言われて貸してあげたらそんなことが３回続いたということ、そこで発覚。そこで息子に詳細を聞き出して、翌日、担任に連絡。学校はすぐ３人を特定し、事情聴取し事実関係を確認のうえ当方に説明してくれるとともに、解決策を提示。先方の親に連絡して確認をとりそれぞれの担任の先生はいうに及ばず教頭、校長立ち会いのもとで３人が息子に謝り、返金。３人の処分は学校側に委ね、親や校長にまで注意を受けていることもあり、そして何より事の重大さに反省しきりとのことで学校が再発防止を確約しそれで終了。この間、２日。実に鮮やかな対応でした。もちろん、その後、問題は生じていません。妻が気づかなかったらあるいは学校の対応が適切ではなかったら、大きな問題になっていたかもしれません。ところで、今日の娘のというか妻の方の面談は上々だったようで、メニエールも少しは楽かも。 病院への電車の往き帰りに書いたものに帰宅して書いたものを加えてやっとアップです。長くなると全体がイメージできない分、さすがに携帯ではつらいですね。

  Dec 21, 2006

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• 三者面談！

  明日は娘の懇談会。明後日は息子の懇談会。そして、明明後日は息子の三者面談。娘の方は妻が、息子の方は私が担当なのですが、三者面談は妻と一緒に行こうか思案中。息子の高校生活も、そして受験大学の決定もいよいよ大詰めです。娘の懇談会の方は、妻が既に学年主任、校長先生に直談判しそれなりの感触を得ているふうなので今夜、担任への要望事項を確認してその伝え方を相談することに。妻はメニエールになりながらも押さえるべきところは押さえ、やたらしっかりしています。息子が中学に入学する前あたりまでは、妻も言いたいことを随分我慢したようですが、その後は結構言いたいことを言っているようです。娘の養護学校には高機能自閉症の子もいることもあって、親の会の会合で高機能自閉症関係の意見を述べ、それを加えて市長に直接要望を伝えたことも今年は何度かありましたし。とにかく、今年はとくに頑張っているようです。もしかして、このような活動がメニエールを誘発したのでしょうか。息子の今回の三者面談は、進路決定のための最終面談。息子のことを一番よく知っているのもやはり妻なので、私だけに決断をゆだねるのは少々不安な様子。当日、娘を預かってもらえることができたら一緒に行くことになるでしょう。中学高校もいろいろあったのですが、今、考えるとなんだか結構スムーズにきたなあくらいにしか思えません。明日になったら、またそうは思えないような気はするんですが。しかし、この間、消しゴムを何十箱使ったでしょうか、毎日１個ずつなくしていたような気がします。シャープペンを何十本使ったでしょうか。シャープペンの芯ではありません。そのものです。何故か彼が使うと壊れます。その前になくすのですが。傘を何十本電車に置き忘れたのでしょうか。妻はたびたびまとめ買いをしていました。傘屋じゃないんだからと突っ込みたくなるような買い方で。周りの友達から、チックと落ち着きのなさでうるさいと思われていたと思います。そういえば高校生になってからは友達はいませんでした。やはり、落ち着いて考えるといろいろと出てきますね。息子の高校生活も後残りわずかだと思ったら、なんだかだらだらと出てきてしまいました。中学高校生活はスムーズではなかったかもしれませんが、本当にいい学校生活だったと思っています。改めてまとめることにします。

  Dec 20, 2006

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• 息子への日記～ほぼ１ヶ月ぶり！

  今日はちょっと一息というか一度本論に戻るというか。６年前に息子に宛てて書いた日記をきっかけにこのブログを始めたのに、いつの間にやらその原点からちょっと外れてしまったような気がしますので、一度、初心を思い出すつもりで戻ってみることにします。しかし、高機能自閉症については、ここ数年で支援体制をはじめ環境が激変した感がありますが、宇宙の年齢についても、当時の日記を見ると有効数字が２桁から３桁に精度を増しているんですねえ。息子への日記【2000年年3月10日】いろいろつまらないことを考えてと昨日書いたが、佐治晴夫さんという宇宙物理学者が書いた「宇宙はささやく」は興味い。この世に存在するものすべては星のかけらであるという考え方はお父さんの宇宙教そのものだと思わないかい。存在するものすべてがお互い関係し合っている。150億年のうちのたかだか100年にも満たない人生であってもその人の人生が存在しないことにはその後の宇宙の姿は変わり果ててしまうのである。人が一人存在するためには二人の親が必要であり、その親が存在するためには2組つまり4人の親が必要である。今の君が存在するためにこれまでに何人の人が必要とされてきたのか考えてみてごらん。10代遡れば２の10乗で1024人、20代で10万人、30代なら10億人、33代で２の33乗で85億人となり、今の世界人口60億人を突破してしまう。乱暴な計算だけど、1代80歳だとしてもわずか2640年でしかない。必ずしも親1組に子1人とはいかないし延べ人数だが、それにしても君の将来2640年後には何十億人かの人間に今の君の存在が何らかの影響を及ぼす可能性があるわけで、そのためにも宇宙の構成要員として150億年分の100年を精一杯生きる義務が君にはあるのではないだろうか。150億年前のBig Bangより始まった宇宙物語は、2000億個の銀河の中にそれぞれ2000億個が存在するという気の遠くなるような数の星に付属するひとかけらという非常に小さいが一方で欠くことのできない極めて重要な役割を君に課しているのです。宇宙の年齢は今ではおよそ137億歳とかいわれていますが、この日記を書いたわずか6年前頃には、150億歳といわれていたのでしょうね。

  Dec 19, 2006

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• メール連絡～翌週の予定が役立つ！

  中学１年生になって、息子は小学校時代からのイジメ仲間から離れられて、苦手な新環境の下での生活になったにもかかわらず、快適に暮らし始めたようでした。先生方みんなが各先生の考える範囲で、いろいろと配慮してくださる。クラスメートもそれなりに大人の対応で上手く付き合ってくれる。そして何より、担任の先生のフォローは毎日きめ細かく続く。年度初に担任と相談して決まったメールのやり取りは、週末に翌週１週間の予定を詳しく知らせていただくことをベースに。他の日については必要に応じて随時に、としたものが結果的には担任が熱心なあまり毎日になりました。１週間分の予定が事前にわかると親の方のストレスが劇的に軽減されます。余裕を持って息子のことを監察・フォローすることができ心理的な余裕が生まれます。とくに予定が組めない、ボヤッとして重要なことを聞き取って来られない高機能自閉症児には、親としてはこのことは本当にありがたい。それに加えて、毎日の学校での様子を知らせていただけると、その日のうちに自宅でそれについて話し合うことができ、重大なことについては具体的にロールプレイをまじえたりしながら家族で訓練することができたこともとてもありがたかったです。今でこそメールによる連絡は一般的に使われますが、当時としては担任にはかなり負担にはなったのだろうと想像するのですが、担任は自分の予定の確認にもこのメールを利用しているのであまり遠慮したり気にしたりしないようにと言ってくれました。これからお子さまが中学生になっていく皆さまにとっては、毎日直接、先生から様子を聞くのは現実的には難しいと思いますが、メールでの連絡をお願いすると意外と気楽に対応してくださるケースも出てくるのではないかと思ったりしています。もちろん先生によりけりなのでしょうが。それにしても中学３年間、先生と毎日やり取りしたメールが、私のパソコンがウイルスに感染してしまったことにより、すべて失われたことは今となっては非常に残念でなりません。

  Dec 18, 2006

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• 受験大学選定やらなにやら！

  今日はパソコンの前に座る時間がありませんので携帯から。午前中はセンター入試まであと１ヶ月に迫った息子の受験勉強の見張り役。高機能自閉症によるものか、とにかく自分で予定がきめられず、けじめがつけられない。高３になったのを機に大学に入った後のことも考慮して、少々自主性を尊重しようといちいち親が関わることを控え始めたのですが、その後とりわけ夏休み以降あたりから勉強にまったく身が入らなくなってきています。模擬テストの成績などもここのところ急落。すぐそばで見張っていないとボケッとしてしまうようで本人にはあまり危機感はないみたい。１ヶ月ほど前に受けたある大学の数学１科目だけのＡＯ入試は、本人は数学は得意だと思っていたのにほとんど歯が立たずに不合格。焦るかと思ったらまったく意に介さずそれまで以上のマイペースに。親としてはまあそれも考えて決めたことたからいたしかたないかと。無理してストレスを溜めてもいい結果にはならないような気がして。午後からは息子と相談しながら受験大学の最終決定。国立２校と私立５校を選択。受験料だけで２０万円とは。そして、私立の学費を見ると初年度納付額は軒並み１５０万円以上と親の気力を削ぐような状況が待っています。その後は肩を落としながら、妻に頼まれた買い物などに時間を取られました。そして、その後、楽しみにしていた大学時代の友人との２０年間続いている勉強会に。今、打ち上げの後のほろ酔い気分で、山手線の中から、往路に書き始めたこのメールの続きを書き加えてアップしようとしているところです。昨日に引き続き私としては結構盛り沢山な休日。帰宅して一服したので、就寝前にタイトルとテーマを編集してアップ。

  Dec 17, 2006

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  山間のクリスマスパーティー！

  今日は娘の養護学校中等部時代の先生が、クリスマスパーティーに招待してくださったので、娘をその会場に届けに行きました。今、妻はメニエール病で体調は優れないのですが、私から見るとその原因の一つに娘の現在の担任の指導法にかなり悩んでいる節があるので、中等部時代に受け持っていただいて娘の成長がもっとも著しかった先生の招待ということで、伺うことにしたのでした。会場はどうやら山間。穏やかで暖かな陽射しに紅葉がとても綺麗に映え、なんだかドライブに来たよう。会場に近づくにつれ、気分が晴れていくのがはっきりと感じられました。　＞会場に着くと、そこはまさしくクリスマス会場。トトロの仲間たちがいっぱい。娘も大喜びで、それを見た妻もまた大喜び。　娘は一番好きだった先生との対面にニコニコ顔で、車を降りると妻の姿も振り返りもせずに先生を促すように会場に消えて行きました。久しぶりに多弁になった妻と初冬の穏やかな山間の景色を満喫しながら、子供たちがいると食べることができない美味しいものでも食べようかと街へと下りてきました。ずっと車の運転が怖くて、なんかセンターラインに擦り寄ってしまって行ったり、アクセルとブレーキと間違いそうになったりするけどこれもメニエールのせいかなあなんて話しながら、甲州街道を都心に向かっていると、なにやら前方に人だかりが。徐行しながら電車の陸橋になっているところから左側を眺めると、レストランの駐車場の金網を突き破って線路内に車が落っこちていました。いやあ、びっくりしました。だからというわけじゃないんですが、このレストラン、びっくりドンキーでした。帰って夕刊を見たら、ブレーキとアクセルを間違えたとのことでした。結構、盛りだくさんな１日でした（運転されていた方ごめんなさい、でも軽傷でよかったです）。このブログのヌシ、高機能自閉症の息子は、学校の土曜講習に出かけ私たちをいらいらさせなかったこともこの楽しい１日に華を添えました。

  Dec 16, 2006

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• 担任へのＰＤＤ説明の手紙！

  入学直後に担任の先生宛に書いた手紙です。担任の先生は、最初のクラス懇談会にこの手紙を資料として用意してくださり、説明の時間まで取ってくださったので、これをもとに１０分ほど私から親御さん方にお話をさせていただきました。（早いものですねえ、今から、６年前のことになります。なんとか入学前に聞き入れていただいたことを繰り返し持ち出しながら、少しでも良く思われようと必死です。当時はせいぜいこんなレベルだったのですねえ。）－－－－－アスペルガー症候群≒高機能自閉症は、学習障害（LD）、注意欠損･多動性障害（ADHD）と関係が深い発達障害ですが、一方ではノーベル賞受賞者を含めて人類への大きな文化的貢献を遂げた人々にもこのアスペルガー症候群の方が含まれています（トニー・アトウッド著、ガイドブック・アスペルガー症候群、東京書籍）。ヴィンセント・ファン＝ゴッホ、アルバート・アインシュタイン、新しいところではマイクロソフトのビル･ゲイツなどもこのグループに属するといわれております。この障害の特徴は、知能は普通かもしくは特定分野においてとくに高い一方で、社会性とコミュニケーションの分野に問題を抱えているというのが典型的な姿です。息子は、知能レベルは多くのアスペルガー症候群の人たちが持つハイレベルな能力には当然及ぶべくもありませんが、貴校に入学を許可されるレベルに到達しており、この症候群特有の典型的な問題はそのまま抱え込んでいる状況です。貴校を志望させていただいた経緯から簡単に話させていただきたいと思います。我が家では、中学の選択活動は、一昨年から始めました。まずは私学ガイドブック一覧を見ることから始めましたが、その際、目に留まったのが貴校の個性を伸ばすという教育理念と副担任との二人担任制によるきめこまかな指導です。塾（日能研）の先生からも息子にとって非常にいい学校だとの推奨もいただき、早速、学校訪問をさせていただきました。すると、理念、教育方針は言うに及ばず、環境も素晴らしく、また校舎内・教室内には光が溢れ、物理的にも申し分ないものでした。その後、昨夏には慶應義塾大学日吉校舎で開催されました私学フェアで貴学園のブースを訪問させていただき、入学志望意向と社会性とコミュニケーションの問題をお話させていただいたところ、親身になって相談に乗っていただいたばかりか、是非頑張って入学をとお励ましをいただき、第一志望校にと決めさせていただきました。貴校の他にももう1校、アスペルガー症候群の特徴的な症状についてご理解をいただくとともにきめこまかな指導を謳っておられた学校からも合格通知をいただき、息子の意志の確認も含めて希望を聞いたところ、まったく躊躇することなく貴校にいきたいと明言いたしましたので息子の意志、親の意思ともに一点の曇りもなく貴校に決めさせていただきました。中学から高校時代は子供自身が周りとの違いに気づいてくる時期で普通の子供でも極めて難しい時期です。しかし一方で、能力が飛躍的に伸びる時期でもあります。親としては何としても得意な部分を伸ばしてやりたいと切に願っているところです。先生方にはご迷惑をおかけすることになるとは思いますが、家族一丸となって努力する所存でございますので、何卒よろしくお願いいたします。この後に添付資料として高機能自閉症の特徴を箇条書きで挙げて、それらに簡単なコメントをつけけました。－－－－－懇談会では、社会性のなさ、コミュニケーション困難、雰囲気が読めない、こだわり、不器用、感覚に問題などアスペルガー症候群特有の症状について親御さん方に説明し、子供達に担任から説明していただいて協力をお願いしてた旨を担任のこの前の話しを受けて再度お願いをいたしました。一応、入学後短期間で、担任、学科担任、クラスメート、その親への状況説明と協力依頼が完了したということはありがたいことでした。その後ここをベースに随時適当な対応をお願いしていくことになります。ちなみに、４０名近いお母さん方と数名のお父さん方を前にした説明は、揚がってしまってすらすらとはいきませんでした。子供のこととなると力が入りすぎてダメですね。しばらく自己嫌悪に陥りました。

  Dec 15, 2006

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• 学校の高機能自閉症支援体制！

  私はこの担任のすごさは、ただこちらの希望を通り一辺倒に聞いて、それについての対応策を並べるのではなく（本当はこれだけでも大変なことだとは思うのですが）、それを自らの問題に置き換え実効性の上がる対策を、そして継続可能なやり方で主体的に考えて本気で取り組んだところだと思います。本来なら、私立中学１年生の担任としては、この部分は軽く流せばいいはずのところであるにもかかわらずです。この中学に入ってきたクラスメートのほとんどは進学することが目標の一つに入っているはずですから、彼らからというか彼らの親御さんから見れば、そんな中に高機能自閉症者が入ってきて担任の手を煩わせるということは、頭では障害者を助けることはいいことだとわかってはいても、実際、毎日毎日それが続くとなればそれによって失われることも気になってくるはずで、何かしらの不満が出てくるのが自然の成り行きだと思います。実は、この問題の核心は、あくまで普通のクラスメートの方がベースであるというところであって、この問題をクリアしない限り普通学級での本当の障害者支援教育というのは成立し得ないのだと思います。ましてや、それが進学を一つの主要目標に掲げた私立中学ではなおさらです。ウチの息子の対応というだけでは４０名のクラスメート、とその後ろに控える親御さん方の理解を心底から得るのは学校の置かれた状況からも不可能でしょう。担任の先生がすごいのは、ウチの息子の支援をウチの息子だけの問題にせずに、弱いものがいたら助け合うという思いやりを養おうということで、クラスメート全員の問題意識にまで昇華して掲げたところです。こういうことなら、しっかり説明をすれば親御さん方からも文句は出ないはずです。そして、そうしたことで、継続してこれを実行していく体制も同時に作り上げてしまったということなのです。実際、ロングホームルームの時間などではたびたびこの問題を取り上げて話し合ったとのことでした。このようなことが思いの外スムーズに運んだのは、中学１年生という時期もまた良かったのかもしれません。小学生から中学生という一段飛躍して大人に近づいたところで、他者への思いやりについて考えてみるというタイミングは生徒達にも親御さん方にも受け入れられやすかったのかもしれません。ただ、そうはいっても、一般的なケースで考えると、なかなかウチの息子のように恵まれたケースはそうはないのでしょう。子供のことは親が一番よく知っているというのは誰もが認める事実でしょう。ですから、親としては子供のために適宜要望を学校、担任に伝えていくことが重要でしょう。一般的なケースで、学校や担任に要望する際、実効性を上げるために同時に考えなければならないのは、ウチの息子の担任が自ら実行したような、担任をこちらの要望に沿って動きやすくする方法を、自分の子供のための要望と併せて提案して伝えるということだと思います。自分の子供だけの問題をクラス全体の問題に置き換えられればその実現可能性は飛躍的に高まるはずです。それともう一つの課題、これも担任の先生がセッティングをしてくださったのですが、生徒の親御さんへの周知のために、最初の懇談会で配布した親御さん宛の手紙の内容について、これは次回にご紹介させていただきたいと思います。

  Dec 14, 2006

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• 高機能自閉症のクラスメートと学科担任への周知！

  本人への告知があっけないほどスムーズに進んだのには、感覚統合障害についてそれまでにもことある毎に話しをしてきたことが一つの要因ではあると思いますが、なにより、本人にとっては社会性やコミュニケーションの欠如よりも、感覚統合障害、チック、準備に時間がかかりすぎる、片付けられない、物忘れをするなどのほうに日常の生活の中で相当に不便を感じていたからなのだと思います。担任の先生への話しは、入学式の後、担任が発表された日に時間を取っていただくようにお願いをし、直ちに実行しました。高機能自閉症についての記事や文献から特徴的な言動やそれに対する対応についての部分をコピーして用意し、まず、この障害について知っていただくための説明から始めました。先生は、よく話しを聞いてくださり、親御さんが一番よくわかっていると思うので、どういうときにどういう対応を取るのがいいのか指示していただきたい、可能な限り対応するのでと言ってくださいました。そして最初に、先生から提案があったのがメールによる情報交換です。家でこんなことがあった、こういう点についてフォローをお願いしますとメールすると、そのせいか今日は元気がなくて、ノートにパズルを描いてやっていましたとか、今日は落ち着きがなく何度も消しゴムと落としていたとかの返事をいただき、日常の言動の報告や注意事項や要望などについてメールでのやり取りが始まりました。クラスでの連絡事項や掲示板での通知などについてもメールにて知らせていただいたため、さまざまなことが事前に予防・対応することができ、いつもボケッとしていて忘れ物だらけの息子が大きな失敗もなく大過なく中学校生活を過ごすことができました。このメール交換は中学在学中３年間、特別な事情がない限り、毎日続きました。担任とのメールは、わが家では基本的には私が担当しました。メールを書くために、状況を的確に把握する必要があり、そのためには息子と毎日よく話し合う必要が生じ、時に息子から妻が、時に息子から私が、そして息子から聞いた妻の話を私が聞くということで、家族間のコミュニケーションに大いに役立ったのでした。とりわけ、夫婦間の親密度アップにはかなり貢献したと思います。新学期が始まると、担任は二つのことを実行してくださいました。まずは、こちらの要望を聞き入れクラスメートにこの障害のことを話してこれたこと、そして同時に、学科担任全員にも話しをしてくれました。最初の席替え時に、息子の席について配慮してくださり、一番前の先生の目が届きやすい席にしました。それと同時に、左右後ろの周りの生徒に、とくに詳しく事情を説明してフォロー体制をつくってくれました。クラスメートには、困っている人がいたら助けよう、クラスみんなで助け合っていこう、というようなスタンスで息子の障害の周知と並行してクラス運営を行っていってくださったのでした。各学科の先生からも息子はよく声をかけていただきました。これだけの対応が極めて迅速に行われていくさまは感動的でした。その後も問題に対する感応度は素晴らしく、さまざまな場面でこの学校の実力を見せつけてくれました。私立中学だからこその、というよりこの中学だったからこその、この担任の先生だったからこその素晴らしい対応だったと思います。

  Dec 13, 2006

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• 高機能自閉症告知！

  親は学校や先生に対しては子供が人質に取られているようで立場が弱く、とくに最初の子だと経験もないので何事にも盲目的に従いがちです。あまりゴリ押しは感心しませんが、先生の中には、経験不足、知識不足、技量不足からくる間違いにもまったく気に留めない呆れるような先生もいます。ついてはしっかりと意見を言っていくべきだと今更ですが思います。妻と息子の小学校時代の話をしていると本当に可哀想なことをしたと彼女はいつも落ち込んでしまいます。とくに小学校時代、先生にはかなり遠慮をしてしまいました。二人目となる娘の時には、私も会社を休んだりして養護学校の校長先生のところに直談判に出かけたことは年に一度や二度ではなかったのですが。－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－さて、中学受験については、なんとかここに行きたいと思っていた中学２校ともに合格することができました。合格の報に接したときは、それまでを振り返り、目頭が熱くなってしまいました。家族で思いっきり喜びを分かち合いました（１校、日能研から奨められて記念受験したハイレベル校は落ちましたが、志望校２校と滑り止め１校に合格しました）。まずは、合格した志望中学２校の選択という嬉しい悩みに、息子はたちどころに結論を出しました。息子にしては珍しい迅速で力強い決断に敬意を表し、妻と私はそれに素直に従うことにしました。親としてはどちらかというと捨てがたいと思っていた方を息子はあっさりと捨てたのでした。２校ともレベルはほぼ同じ、通学時間もほぼドアトゥードアでともに約１時間、１校は都心もう１校は郊外という違いはあるもののともに校舎内が明るく環境も良、高機能自閉症児の対応についてもヒアリングした感触からは甲乙つけがたい。息子の今の学校を選択した理由はもしかすると電車というか通学経路というか、例のごとく自閉症児らしい指向が底にあったのだと想像しています。ともあれ、晴々とした気持ちで入学校も決まったところで、すぐに改めて高機能自閉症について、関係者に知っていただくための準備に入りました。本人への告知を含めて関係者への周知の重要性は主治医からアドバイスをいただいており、高機能ＰＤＤ（広汎性発達障害）親の会でもヒントを得てその時期を覗っていました。本人への告は、環境が変わるところで、しかも中高一貫校なのでそれが６年間続くことになるので、この期をとらえたいと思っていました。それに、対担任、対各学科の先生、対クラスメートについてもこのスタートのところを逃すと対応が難しくなると思ったので、何としてもこの時期に周知をしたいと思いました。そのためにはまず本人にしっかり告知をすることが必要だったのです。息子には、それまでに感覚統合訓練に通ったり、整体や温灸に通っていたこともあり、感覚に障害があることは自然に話ができていました。それを高機能自閉症と結びつけて本人に告知すること。さらには受け持っていただく先生方に－この学校はクラス替え、担任替えはあるものの、中１入学時の先生方が高３卒業時まで６年間ずっと持ち上がっていく高機能自閉症にとってはありがたいシステムなので－周知をすること。そして、クラスメートにも周知すること、さらに先のことを考え、クラスメートの親たちにも話しを通しておく必要があると考えていました。これらのことを徹底する必要がありました。そのためには、まず最初の窓口になる担任に高機能自閉症について正確に詳しく知っていただかなければなりません。担任にしても副担任と２人で、４０数名の新入生を一手に引き受けるのですから、ウチの息子に関するやっかいな頼み事をどれだけ真剣に聞いて、真剣に対応してくれるか、不安はありました。そのベースともなる本人への告知は肩の力が抜けてしまうくらいに、本人がほとんどその重大性を十分に理解していなかったということもあるかもしれませんが、すんなりといきました。そして、担任への説明という大きな不安もほどなく大きな安心と期待に変わるのでした。

  Dec 12, 2006

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• ＰＤＤ広汎性発達障害診断後から中学合格までの経緯！

  小学校２年次にＰＤＤ（広汎性発達障害）の診断を受けてから、中学受験までの経緯は次の通りです。診断後も、振り返ってみると、高機能自閉症のための根本的な対応は何もしていません。可能な限り叱らないようにしたと言うだけです。守れないこともしばしばだったのですが。この期間は、とにかくイジメに対してどうすればいいのかという現実の問題への対処方法に注意が向いていました。それに、感覚の異常もかなり気にかかっており、とくに口の周りの感覚異常からくると思われる言葉の不鮮明さ、それに食べ方の汚さ、さらにはオナラをする感覚がわからないことへの対応、５年生になってからウンチを漏らしたことがあり、これもその感覚が自覚できないことからの結果で本当に可哀想でした。幸い、この時は日能研での授業終了間際のことで、塾生にはぎりぎりで気づかれずに済んだのですが。感覚の異常については徐々に回復してはいたのですが、まだ、社会生活に支障が出そうなレベルでした。小３ 通信教育（智の翼）継続 体操教室、水泳教室、書道教室継続、ピアノはやめる 小４まではちいさないじめあるも、一目置かれていたためか大事に至らず小４ ＰＤＤ親の会参加 温灸（高機能自閉症対策としての効果は根拠無し、おねしょには効果） 徐々にいじめの頻度上がる いじめ対策のため、私立中学受験を決意 日能研入塾に伴い、体操教室、水泳教室、書道教室やめる小５ 私立中学受験を視野に入れ、日能研通い クラスメートから本人も気にするいじめ始まる 妻、中学訪問開始小６ クラスメイトから本格的ないじめを受ける（妻、そのたびに学校に乗り込む） 日能研先生からの厳しい指導、塾生の無視などにより本人追い込まれる（後になって判 明） 夫婦で手分けして中学訪問 学校訪問、中学フェアなどで高機能自閉症対応についてヒアリング 志望校合格、入学手続き前後のところで詳しい事情説明、話し合い 中学入学

  Dec 11, 2006

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• 志望中学さがし～学校訪問に優るものなし！

  12月ともなると週末の銀座はあわただしくなります。しかしながら、週末の夜にもかかわらず終電前の並木通りはご覧のとおり意外に閑散。景気は底堅いとはいわれているものの人出の少なさが少々気になるところです。今日は、中学受験の時の志望校を決めた経緯につき、少し。最初のスタートは、4年生の終わりに中学受験を決め、5年生になると同時に学習塾日能研に通い始めたこと。実は、その前に他のある学習塾の試験を受けたら数学が満点だったので、逆に、その学習塾以上のレベルのところにしようということになったのでした。5年生の頃は、4つあるクラスの2番目のクラスが定番。6年生になると2番目のクラスでいたのが、最後の頃は落ちて3番目のクラスという感じでした。この2年間の成績は、ひとことでいうと右肩下がり、普通の受験生にとっては最悪のパターン。高機能自閉症の息子はとくに年少の頃は一人でスケジュールを管理して勉強するということはかなり困難で、日能研に入るまでは妻が国語と社会、私が算数と理科と役割を分担して、横に付いて勉強させていました。日能研に入ってからもしばらくはこれを続けていたのですが、徐々に自分でも勉強を進めることができるようになっていくとともに、親の関わりが少しずつ低下していきました。そして、親の関与度合いが低下するとともに成績も低下の一途をたどったのでした。最初は、イジメ対策で始まった日能研生活ですが、最初不熱心だった私のほうがいつの間にか高機能自閉症ということが抜け落ちて６年生の初め頃にはいっぱしの私立中学受験生を持つ親のつもりになってしまっていました。妻は、ほぼ一貫して、高機能自閉症の現状を頭に入れた選択を進めていました。5年生の頃には既に、後に息子が実際受験する水準で、息子にあった中学を的確に訪問していました。私も、6年生の夏以降、妻とも話し合った後やっと重い腰を上げ、実際、行くことになるレベルの学校を何校か息子を伴って訪問し始めました。その後、学校フェアなどにも積極的に参加し、高機能自閉症の症状を説明して受け入れてくれるかどうかを志望校の先生方にヒアリングしたりしました。受け入れ側の先生には、高機能自閉症の認知度はほとんどありませんでしたが、その症状について説明すると、自学の教育方針や生徒の支援体制などを説明してくださり大丈夫だといってくれる学校が何校か見つかりました。息子があまり無理しないでいい学力レベルのところで、いい学校2校を志望校として絞り込むことができました。結果として、その２校に合格し、息子にどちらがいいか聞くと即座に選択をしたので、それに従いました。今、その学校（中高一貫校）に通っていることに、非常に満足しています。事前のヒアリングどおりというかその予想をはるかに上回るいい先生ばかりのいい学校でした。

  Dec 10, 2006

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• ある高機能自閉症児の日能研時代！

  久しぶりの銀座は華やかで、写真は昨夜の銀座６丁目辺りから８丁目辺りの夜景を。昨日は親の会のことを書きましたが、今日はこの頃のもう一つのメインテーマ日能研でのことについて。学校でのイジメもさることながら、とてもショックだったのは日能研での息子にとってはイジメとしか思えなかった苦しみに気づいてあげられなかったこと。イジメというより、高機能自閉症の息子としては、その環境から考えれば叱られ、排除されて当然の振る舞いをしていたわけなのですが。息子はこの頃もっとも落ち着きがなく、椅子をがたがたさせたり、咳払いのチックが激しかったり、突っ伏して眠ってしまったり（これはチックを抑えるために服用していたセレネースの影響も大きかったと思います）と受験勉強の環境には極めて不適切な子供でした。日能研の先生方もそして生徒達も、受験のための教室で意味もなく落ち着きがなく騒がしい、そしてやる気のない息子の態度には我慢の限界を超えるものを感じていたはずです。したがって、彼らに何らかの対応を求めるのは無理があります。ダメだったのは、私たちでした。これらのことがわかったとき、私たちは彼の話をいつも通りじっくり聞いてあげて、先生方の所へも出向いて話し合って解決策を一緒に考えてあげるべきでした。それまで学校あるいは担任に対して実行してきたように。なのに、やたら励ますことだけに時間を使ってしまいました。いつの間にか、息子のためを思って決断したはずの私立中学受験が、私たちが息子を有名中学へ入れるための受験になり、知らず知らずのうちに本来の目的から変質してしまった親の夢を追いかけていたのだと思います。息子は、普段は感情を込めて表現することが苦手なのに、この２年間、なかでもある程度日能研という環境に慣れるまでの最初の１年間のことについては、今になってもとてもつらかったとしみじみと語ります。学校でイジメられて、塾でイジメられてそして家庭でも勉強、勉強とうるさく言われていたと。私たちは有名中学受験の熱に冒され、必死すぎて気づいてあげられなかった。妻は、この頃のことを話すといつも激しく落ち込みます。幸い、実際の受験に際しては、私たちも本来の目的を取り戻し、彼にとって最もいいところを受験し、そして最もいいところに入学したとこの６年間を見てもそのことが確信できます。

  Dec 9, 2006

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• ＰＤＤ親の会！

  日能研での息子の悪戦苦闘振りの前に、ＰＤＤ(広汎性発達障害）親の会への参加のことを。ＰＤＤ親の会には４年生の時に参加をしたのですが、積極的に出席するようになったのは５年生になってからだと思います。４年生の頃から参加を始めたＰＤＤ親の会へは、娘の障害に妻が付き合うことが増え、私が通うことが小学校５，６年生になると増えたのでした。息子が当時情報のないなか、高機能自閉症関連施設や活動の場に比較的すんなり入れたのは娘の障害によるところが非常に大きいのです。幼児期の療養施設への入所も娘の入所相談に来ていた先生がたまたま息子のことを見かけて声をかけてくれたものでしたし、高機能自閉症の診断も療育センターの娘の主治医が娘の診療の時に一緒に行っていた息子の言動に関心を持ち診察の結果、ＰＤＤの診断をしてくれたものでした。ＰＤＤ親の会は当然のことながらＰＤＤの子供を持つ親が主導していたのですが、この療育センターの子供達の主治医の指導で成り立っていました。ウチの息子が参加したのもこの主治医からの呼びかけがきっかけだったと思います。ウチが参加した頃は、親の会の会員は４０～５０名くらいだったでしょうか。就学前後の子供達が圧倒的に多かったように思います。ウチの息子より年齢が上の子は数名しかいなかったはずです。そういう意味では、あまり期待もできないかななんて思っていたのですが、生きた情報が得られて非常に有意義でした。親の会は、専門医の先生（息子の主治医）の話で始まり、全体で意見交換したり、小グループで話し合ったり。主治医もこの分野では第一人者なんですが、時には主治医が親しくされている高名な第一人者を呼んで講演をお願いしたり。といっても定例会のメインは、それぞれの方の体験談。だが、それが貴重でとても参考になりました。何しろ情報が少なかったので他の親の話をウチもそうだったとうなずきながら聞くことは、言いようのない漠とした不安感を拭い去るのに大きな効果がありました。ただ、ウチの息子が５年生から６年生になるにつれて、就学前から２，３年生の子が多かったこともあり、もともと学習塾のことや家での勉強の指導法などについて聞かれることが多かったのですが、それに一層拍車がかかることになりました。とくに、息子が日能研に通っていることについてはどうしてそうしたのかとママさん方の関心も強く、集中的に質問を浴びたりもしました。私の方は最初は妻が手を離せないから行ってきてよと言われて出席しているようなものだったのですが、お父さんが出てくるなんて素晴らしいなんて褒められると自らだんだん喜んで出かけて行くようになりました。親の会は、もともと、父親の参加は少なかったのですが、一度、５０名くらいだったかが参加した定例会では、父親が私一人で残り全部が母親ということもありました。親の会によるのか、それとも日能研によるのかわかりませんが、この頃から息子への父親としての関わりが急速に高まっていったように思います。

  Dec 8, 2006

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• 進路決定の裏で！

  小学校５，６年時代は、イジメ、日能研（中学受験）、親の会、がウチの息子のケースではキーワードだと思います。日能研（中学受験）はもともといじめ対策の延長線上との意識からのスタートだったし、親の会にしても集まると必ずイジメ関連の話題が話され、当時の高機能自閉症対策としてもイジメにどう立ち向かうかということが当面の大きな課題の一つでした。ウチの場合、５年生の時点、日能研を選んだ時点では、進学のためというよりは公立中学では息子はイジメから逃れることは難しいだろうとの意識が強かったのだと思います。とくに妻は、イジメのリスクを低減するため、私立中学に通わせるしかないという考えにいたっていたとのだと思います。それに付加する程度で、この時点では、大学まで行かせるより社会的スキルを身につけさせたいという考えもあったということだと思います。私はといえば、妻の思いをあまり深刻には受け止めてはいなかったというか、なんとなく息子は普通に大学には行くのだろうくらいに漠然と考えていただけでした。したがって、私立中学受験も関心が薄く、日能研にはどちらかというとむしろ反対の立場に近かったように思います。もちろんこの後、２年の間にはとくに私の考えは何度も激しく変化するのですが。５，６年生になると周りが大人になって様々な判断基準を獲得する分、学校の科目の成績だけでイジメを完全に排除することは相当困難になっていました。妻はその前から状況をしっかり読み取っていました。学校でのイジメ対応については、妻は奮闘していました。息子の話を聞き出し、この聞き出し方が難しいのですが、とにかく自分からは何も話さないので、１時間目の休み時間はあれをしたの、これをしたのと、とにかく具体的に問いかけることで、詳しい話しを聞き出していました。それに、高機能自閉症の特性でしょうか、ウソがつけないので質問さえ適切でありさえすれば日々の出来事がよくわかるのでした。そんなヒアリングの中から、妻は息子が困っていることを聞き出すと、担任に電話をしたり、直談判に行ったり。担任は容量オーバーになり問題を処理できずに、戸惑ったり、泣き出したりすることもしばしばでした。妻は場合によってはイジメの相手の家に話しをしに乗り込んで、イジメた本人あるいは彼の親に話しをしたりして解決する頼もしさも見せていました。その子達と一緒の中学に行かせることは息子に随分重い荷物を背負わせることになるだろうとますます私立中学へと気持ちは向かい、その結果、自然に息子の生活の中心が日能研に移って行くことにもなったのでした。しかしながら、日能研でも息子は根源はまったく別にするが同様の困難に直面していたのでした。さすがの妻も日能研には遠慮があったのでした、そしてもちろん私も。息子の社会生活の中心を日能研に移しつつあったこともそうでしょうが、そんな中でいつの間にか有名中学受験へと考えが変質しつつあったことも対応を鈍くした原因だったと思います。とくに日能研なんて行かなくてもいいんじゃないのと言っていた私の方がそうなっていたのです。

  Dec 7, 2006

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• 不安！

  子供達も小学校高学年にもなるといろんな意味で成長を遂げます。息子のゆっくり過ぎる成長との差を実感するのが、周りが心身共に急激に大人へと成長を遂げ始めるこのような頃です。自分のことがなかなか自分でできないとか、ちょっとしたことですぐ泣いてしまうとか、それに５年生にもなってまだおねしょをしているとか（確か小５の途中からやっと普段は心配しなくていい状態になったと思います）そういう表面的なことも周りと比較し易い分、息子の幼さが余計に浮かび上がり、これらのことで親としては心を痛めたのでした。この頃になると既にネット環境も整い、高機能自閉症に対する情報も徐々に入ってくるようになっていました。不安な負の状態での過剰な情報の流入は、かえって息子の欠点ばかりをあふれ出させ、その結果、息子に対してあれやこれやと注意することが増えていきました。そしてさらに、何かちょっとした問題が起きると、すべて高機能自閉症に原因があるのではというところに私たちの思考が戻ってしまい、知らず知らずのうちに息子に頑張れ頑張れと励ましすぎるのでした。５年生になると同時に日能研に通い始めたことがそれに一層拍車をかけたように思います。おそらくこの時期にチックが増えたのは、ことある毎に注意されたり、過剰に頑張れと言われたりとそんなストレスがあったからでしょう。小学校５年生時代は息子のあからさまな幼さの一方で中学受験に踏み出したとギャップの大きさから、私たち親子は感情の大波に翻弄されていた時期でした。

  Dec 6, 2006

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• 高機能自閉症児に私立中学受験は必要か！

  小学校３，４年生時代は大きな問題はなかったのですが、それこそ小さな問題は当然ありました。イジメだって本人が時々気にする程度で大きく表面化はしませんでしたが、仲間外れにされたり、汚いと言われたり、チックや多動により煩いと言われたり、その程度のことはありました。とにかく、妻は息子の勉強の面倒をよく見ました。通信教育を熱心にフォローし成績をトップクラスに保つことで、決定的なイジメにまで発展させないようにしているようでした。結果的にこのことは後の中学受験にも役立ちます。妻は息子と根気よく話しをしていました。息子が話してくれる範囲で学校での事実を把握しており、ことある毎に状況確認もかねて学校を訪ねてもいました。この頃まではというか中学校時代あたりまでとくに、息子は食べものの好き嫌いが激しく、初めてのものはほとんど口にはしませんでした。本人にとっては、給食をすべて食べ終えるまで先生に給食指導されたことがかなり苦痛だったように思います。先生には感覚に障害があってまたこだわりがあってと事情を話しても、みんな食べているのでということで給食指導はあまり改まりはしなかったようでした。しかしながら、もしかするとこれがあったことで、本人にはイジメが相対的に軽く感じられ、比較的楽にこの時期を乗り切れたのかもしれません。そんなことはないとは思いますが。小学校５年生になると、周りはかなり大人になってきます。気配りのできる子供も出てきますが、やり方が陰湿になる子や叱責の仕方が激しくなる子も出てきます。息子は、相変わらず行動が遅いし、何かとがたがた煩いし、それに食べ方が下手でヨダレが口元に溜まったりで汚いし、イジメの対象となる要素をフルに備えていました。５年生にもなると、他の子供達との差が相当に目立ってきます。そしてそのことを誰よりも妻はよく承知していました。この頃、急に大人びてくるクラスの子供達を見ていて、このまま中学生になって息子は彼らの中で学校生活をまともに送っていけるのだろうかということについても、私たちは真剣に考えざるを得ない時期を迎えていました。妻は、無理だろうと考えていたようでした。小学校５年生になる前に、妻は息子を私立中学に入れることを決心していました。私は普通にやっていくのは難しいだろうが、高機能自閉症の息子に私立中学まで必要なのかどうかそこまでは真剣に考えてはいませんでした。というとかなりニュアンスが違いますが。私は、何も日能研にまで通わなくともそこそこの大学には入れるだろうと何とはなしに思っていたのでした。結局、５年生になると同時に息子を中学受験のための学習塾日能研に通わせることにしました。小学校１年生時の成功体験、勉強ができればイジメられない、がベースにありました。そして、私立中学なら周りも気配りのできる子が多いのではという希望的観測も加わっていました。

  Dec 5, 2006

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• 高機能自閉症診断後～小学校３，４年時代！

  さて、そろそろ高機能自閉症の診断を受けて以降の息子の状況に戻ることにします。小学校２年で広範性障害の診断が下ったものの、さてそれで何をすべきなのか当時の私たちにはわかりませんでした。父親の私の実感のない大変さと妻のこの診断に対する厳粛な受け止め方との温度差から、この後しばらく妻にとっては厳しい時期が続いたのだと思います。私の意識は、この頃はまだ、変わったやつということで少々苦労はするだろうが、普通に人生をやっていけるだろうくらいのレベルだったように思います。小学校１、２年生は担任の先生が素晴らしく、おかげさまで普通学級への弾みがついたのですが、３、４年は私たちの対応にも、彼の学校生活にも表面上はあまり変化がなかったように思います。小学校１年生の時の担任が、息子の長所に注目してくれて算数博士にして本人のクラス内での居場所を確保してくれたおかげで、かなり学校生活にスムーズに入れたこともあって、私たちはこのケースをベースに小学校生活は送らせようと考えました。通信教育「智の翼」というのをやらせました。本人は、毎回送られてくる問題を解くことがある程度楽しかったようでしたし、それになにより、学校の成績で上位を確保できたことが、少々おかしな行動をとってもあからさまなイジメには発展しないようなブレーキの役割を果たしたのではないかと思います。高機能自閉症に対する本質的な対応はまったくできていませんでしたが、結果的に、本人の自信もなくさず、まわりからのイジメも本人に決定的なダメージを与えるようなところまでにはいたらず、当面の対処法としては少なくともこの期間だけに限っては大きな間違いにはならなかったように思います。この頃、一番心配だったのは、やはり排泄の問題とそして喉を鳴らす音声チック対策でした。チック対策については、小学校３，４年生の時点ではまだ周りも騒がしく、喉を鳴らす音自体はそんなには目立ちはしませんでしたので。この時点では、高機能自閉症特有の症状からくるイジメより、排泄からくるイジメの方が心配でした。この頃、とにかく害にさえならなければ少しでもいいと聞いたことは何でもやってみようということで、整体(幼稚園から)や温灸(小４くらい)にも通いました。整体は息子がメインで、その後、娘も同時に、そして時々、妻もかかりました。週２回場合によっては３回通ったのでこれだけで毎月５万円ほどもかかり、結構、妻も家計のやり繰りに苦労したようでした。温灸は先生が都内３カ所で治療をしていたので土日のいずれかに私が連れていくのがメインで、時々はその間の平日１日を妻が近場に連れて行っていました。この温灸はおねしょには劇的に効きました。温灸治療を行った翌日と翌々日くらいはおねしょはピタリと止まります。しかし、逆に言うと、その後はまた元に戻ります。でも、５年生くらいになってやっとおねしょをしないのが普通の状態になったのです。もちろん、その後もたまにはまだしていたのですが。ウンチだって漏らしたことがあるのですから、本当に排泄の問題は心配でした。とにかく、高機能自閉症とわかった後の小学校３，４年での具体的対策は、１．通信教育、智の翼（多分、小１以来）２．整体（効いたのかどうかわからないが、感覚統合訓練的と考えていた）３．温灸（おねしょにはスポット的には効いた）４．セレネース服用（これはチック対策用）くらいだったように思います。ここまで、その程度ですませてきたのは、それくらい大きな問題が生じていなかったということなのだと思います。

  Dec 4, 2006

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• 未履修問題と裁量行政～君の学校はいい学校だな！

  昨日、書き上げてアップしようとした寸前に、パソコンがダウンしてしまい、この問題はスルーしようと一度は思ったのですが、せっかくまとめたのにと思い直し、モニターの闇に消え去った文章を思い出しながら、再度書いてみました。読み返してみると、やはり鮮度が落ちただけ迫力に欠けますが、趣旨は大きくは違っていないようですので由とします。今日は泣き屋から一転、怒り屋になっています。息子の通う学校でもいわゆる未履修問題が発覚しました。その説明会があるというので、朝から出かけました。校長先生が、未履修問題が生じた経緯、対応などにつき丁寧に説明し、謝罪しました。校長の説明には、じっとりと残念さがにじみ出ており、未履修という結果を受け入れることが苦渋の選択だったことをその泣き出しそうな表情が物語っていました。 なんか納得いかない。もちろん、役所の対応に対してです。履修する必要のある科目を受験のためというだけで、世間の一般常識からしても明らかにおかしいだろうと思われる世界史の未履修問題は、糾弾されるべきでしょう。今回、神奈川県で明らかになった未履修問題は、世界史の未履修問題とはちょっとわけが違うのではないかと感じました。もちろん、熱心さのあまり役所との距離を測り損ねたミスは学校にあるのは間違いありません。しかしながら、与えられた自由度の中でカリキュラムを工夫することはそれは決して悪いことではないはずです。現に、ある程度の自由度を持ったカリキュラムは役所の裁量の中に何年も前から一つのやり方として問題なしと位置づけられてきたはずです。学校が少しのリスクも取れないのであれば、その学校は考えることを放棄し画一的なカリキュラムを受け入れて、規定通りの枠の中で必要な学科を当てはめていくだけで「適正な」学習スケジュールを組むことができます。しかし、自由度の中で工夫していいものを作ろうとすると、一定のリスクが伴うわけですが、役所は画一的なもの以外は事前には示しておらず、そのリスクはすべて役所の裁量の中に内包されてしまいます。世界史の未履修問題が表面化した時点では、神奈川県では今回問題となった高校については、何の判断も示しておらず、その後１ヶ月の間、世間の風当たりが強まって自分たちの足元が怪しくなってくると第２弾を登場させるべく、問い合わせの電話やメールを利用してそれを元に一定の基準を作り出し、さもそれが１ヶ月遅れの発表の合理的な理由であったのごとくこの時期に表面化させたと、そんな感じがしてならないのです（すみません、かなり身内びいきになっているかもしれません）。役所の後出しじゃんけんには気分が滅入ります。昨年はどうだったの？一昨年は？今年の判断の基準は？どう変わったの？まったくわかりません。学校がカリキュラムを作成してそれを役所に提出した時点では、役所の裁量の中では△、世間が騒がなければその結果は○、世間が騒いで役所の立場が危うくなりそうになると×、これでは熱意を持って真面目にカリキュラム作成に取り組むものが馬鹿を見るだけでしょう。裁量の中で直前までまったく判断が示されず不確定なものが、ある時を境に突然ダメになる。ふざけてはいけない。量子力学の世界でなないんですから。今回の神奈川県の未履修問題の核心は、役所のというかきわめて日本的なシステムがその根源にあると思います。こんなことを続けているとこの国は、今に、いいものがあってもリスクを避けて、押し付けられた安易な道を選択する画一的な人たちばかりがあふれてしまう国になりかねません。日本的システムを変更するのに時間がかかるのなら、せめて裁量をもった役所の方にも、マスコミの動きに右往左往するのではなく、それなりの志をもってことにあたって欲しいと思います。幸いにも、息子の学校の校長先生の話は、これからも熱意を持って生徒にとって最もいいカリキュラムを作っていくつもりだ（行政にしっかり説明をしながら）と締められ、一番近いところに座っていた私には先生の目ににじんだ熱い涙がはっきりと確認でき、結局、私はまたその志やよしと感動して涙を流してしまうのでした。やはり、泣き屋は泣き屋ということでしょか。すみません。前日の日記があまりに短かった分それを取り返そうとしてこんなに長くなってしまった…わけではございませんので。 

  Dec 3, 2006

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• パソコンが…！

  今、日記をアップしようと思ったら、パソコンの電源が突然切れてしまいまして、ひどく落ち込んでいるところです。思えば、今日はすべてがリズムが狂っていました。そもそも、泣き屋が突然、怒り屋になったのが間違いでした。うーん、もう一度書き直しますか。ちょっと休んで考えます。

  Dec 2, 2006

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• 妻へ

  妻に宛てた手紙です。書かれてから３年ほども経つのに彼女もとには届いてはいませんが。妻へ君の素晴らしさはこの十五年間ずっと感じ続けていた。しかし、結婚以来、初めて入院らしい入院をしてみて、本当に君のことをずっと想っていたんだと実感した。自分の早とちりから、五月に初めて救急車で運ばれた時には、脳の血管が破裂したものと思い込んでしまい、もしかすると駄目かもしれないとの考えが頭を過ぎった。どんな辛い時も、命までは取られないとの思いで乗り越えてきた自分の命が危ないとなるとその恐怖はどんなだろうと思っていたら、命をなくす心配より、君のことを一人にする心配の方がはるかに大きく、激しい吐き気と頭痛で薄れる意識の中でただただ君のことだけを考え続けていた。正直に言うと、子供達のことは微塵も思い浮かばなかった。本当に君のことだけだった。以来、僕は死は怖くはないが命が惜しくなった。公園デビューができずに、誰もいなくなった真夏の炎天下の公園で息子を遊ばせる君の姿に胸が締め付けられた。自転車の後ろに息子を前に娘を乗せ、病院や施設を次々に駆け回る君に両手を合わせた。昔の友人や他の子の親と、子供達の障害のことを明るく話した後で淋しそうな顔を隠す君の強さに心からありがとうと言った。君は僕と結婚してからずっと苦労ばかり背負ってきた。それなのにこの十五年間、やさしさと可憐さに力強さと明るさが加わった。僕までもが障害者になってしまったというのに。君は、僕と息子と娘の三人の障害者を抱えてなおも美しくしなやかに生きている。僕は君という凄い宝物を手に入れている、と実感している。忘れもしない、君が三十六歳になったある夜、君と僕の間に眠る娘の上の空間に向かって、一度でいいからママと呼ばれたかったと一言つぶやいたことがあった。そういえば、君は二人の子の母となりながら、一度もママと呼ばれたことがなかった。その時までずっともう一人の子を熱望していて、その瞬間にそのことをあきらめたことを確信した。これから辛いことがあったら、このことを思い出そうと思う。僕はおそらくどんな困難をも乗り切れるだろう。ありがとう。

  Dec 1, 2006

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• 妻までが病気(メニエール)に！

  妻がメニエール病になってしまいました。娘を送っていけるのかどうか、仮に送って行けたとしても迎えに行った後、帰宅して世話ができるのかどうか。それより、本人が今日１日生活が可能なのかどうか。私は今日はどうしても外せない一度延ばしてもらった約束があるし、夜は透析治療だし。毎年、何回かあるわが家の絶体絶命日。とはいっても、明けない夜はないともいうし、実際これまでもいつも夜は明けてきた。昼休みだしブログでもアップすればこんな日も日日是好日。どうやら今のところ、何とかやっている様子。高機能自閉症の息子と重度重複障害の娘を育てながら、なおも明るい家庭を築いてきた妻。夫までが障害者になった時、その夫は妻に語るべき言葉を見出せず。その時、夫は妻に１通の手紙を書くことにしました。その日の日記を書き留めておきたいと思います。息子は他の子供と馴染めず、その母は他の子の母と友達になることを許してもらえなかった。夏の強烈な太陽が照りつける誰もいない真っ白な公園に、笑顔で息子を遊ばせる妻の姿を見つけた時は公園の影で思わず泣いた。娘の方がさらに重い障害を持って生まれた。その母は自転車の前に娘を、後ろに息子を乗せて療養施設に通った。風を押しのけて元気に走り去る妻を見ていると涙が零れた。夫が障害者になった。退院してくると、妻は一度だけ泣かせてと言っておもいっきり泣いた。そして、もう泣かないからと言った。その日以来、妻からの涙の素を受け継いでしまったようだ。僕はこれらのことを思い、しばしば泣いてしまう。しかし、その時流れる涙はいつも心地よく、その後は決まって穏やかな気持ちになる。率直な気持ちを手紙にしておこう。妻へ、で始まる手紙はまたこの次に。

  Nov 30, 2006

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  ＰＤＤ（広汎性発達障害）診断までの発達の経緯。

  ＰＤＤ（広汎性発達障害）との診断が下るまでの発達の経緯をまとめてみました。なんか肝心なことが抜けているような気がするのですが、現段階では思いつくのがこの程度ということで。０歳（誕生） 　心雑音、ロート胸１月 　ゲップが下手、よくしゃっくりが出る６月 　心雑音なし、家族に話しかけるような声（そのように聞こえたのだと思う）10月 　人見知り、支えられて立つ、外の音に反応、ハイハイはせず　成長ちょっと遅めもほぼ普通の範囲内　喃語（１歳前）１歳　頻脈（215回/分）、高熱、多汗にて国立小児病院入院、原因わからず　以来、微熱（37.5度）数ヶ月続く　伝い歩き １歳２月　日大板橋病院にて心臓検査、異常なし、ＣＴ＆尿検査指示 １歳３月　かかりつけ病院にてＣＴ＆尿検査、褐色細胞腫の疑い　都立八王子病院に褐色細胞腫検査入院、肺炎発症、最終的に異常なし　退院後、喃語消えうんともすんともしゃべらず（対人恐怖的症状悪化）１歳半　自閉症の疑い　クレーン現象（妻の手を取って何かをさせる）　知合いの脳神経専門医診断、高熱などにより脳一部損傷の疑い、自閉症の症状　激しい偏食（コロッケとジャムパンばかり食べていた）２歳（妹、誕生）　スイミング、リトミック２歳３月　発語、最初の言葉は「はっは＝葉っぱ」２歳４月　かかりつけ病院にて、語彙少ない、斜視あり　数字、掛け算九九を口によく出す　かな、漢字、アルファベットに興味、電車に興味　おもちゃの本来の遊び方でないない遊び（すべてのものを廻す、　車のおもちゃをひっくり返してタイヤを廻して遊ぶなど）　狭い隙間などにモノを入れる（家具の隙間や電化製品の隙間）３歳　体操教室　歩く姿不自然（右手を挙げ気味に歩く、手の使い方が不自然）　よく転ぶ　排水溝を見つけると小石を拾ってきて落とすことに夢中になってしまう４歳前　幼稚園途中入園(1人を除いて子供に馴染めず、おしっこ失敗たびたび)４歳　言葉の教室　鸚鵡返し目立つ５歳　療養施設通い（感覚統合訓練）　整体に通う（週２回）　書道教室　公文小１　普通学級入学　ＬＤの会入会　通信教育小２　ピアノ　音声チック（喉鳴り）始まる（小３、４での小康状態を経て現在まで続く）　さまざまな医院、医師にかかる　ＰＤＤ（広汎性障害）診断それにしても、根拠のなさそうなことまでいろいろとやっています。それもそのはず、もともとの障害自体の根拠がはっきりしなかった時代です。とにかく医者に聞くしかなくて。とはいっても、当時高機能自閉症の診断ができる医師はほとんどいなかった、というかそういう医師を知りませんでした。今と比較すると、情報が本当にありませんでした。わが家にインターネット環境が整うのがＷｉｎ９５の最後の方だと思いますので、１９９７年頃だとすると、小２の時点ではまだネットからの情報も取れない状態でした。確か、１万円もする自閉症の専門書を丸善で取り寄せして、読んだ記憶があります。まったく理解できませんでしたが。小２までの経緯は不安と彷徨いの歴史です。小２で診断をしていただいた医師は今もこの分野ではもっとも著名な医師の一人です。ありがたいことに、今でも相談に乗っていただいています。

  Nov 29, 2006

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• ＰＤＤ(広汎性発達障害)診断下る！

  小２になると、息子はからかわれることも増えましたが、厳しいイジメにまでには発展はせず、授業がそれなりに楽しかったせいかあるいは本人がそのこと自体をあまり気にはしていなかったせいか、少なくともこの頃には大きな問題にはなってはいませんでした。一方で、コミュニケーションがとりづらい、授業のけじめがつけられない（自分の好きな授業は熱中するが嫌いのものは準備がスムーズに受けられない）などそれなりの症状も目立ってきており、それに多動の症状も激しくなってきていました。小２になってしばらくしてから、療育センターの主治医から、ＰＤＤ（広汎性発達障害）と診断されました。この時点で、ＰＤＤつまり高機能自閉症の診断が初めてついたわけですが、しかしながらそのことによって具体的にどうするのかということについては対応策はとくになかったはずです。主治医からはとにかく、叱らないようにしてください。何ごとも否定せず肯定的に話すようにしてくださいとのことでした。小２のある時期から、これもＰＤＤの一環か、音声チック（喉を鳴らす）が出始めました。徐々に、目立たなくなったり煩くなったりの周期が短くなり、ずっと後に小康状態に入ることもありましたが、次第に習慣化していきました。この音声チックは、その後の日常生活で意外に問題となることが多く、高３になった現在もその悩みは続いています。音声チックが煩くなる時期には、授業中周りに迷惑をかけることになるので、これを押さえるためもあって、薬物療法を開始しました。当初はリタリンが処方されました。多動の治療の意味もあったかもしれません。しかしながら、リタリンは余り効き目がなく、むしろチックがひどくなったような気がしたので、その後はセレネースを処方していただくことになりました。これはかなり効き目があったようでした。ところが、セレネースは相当眠くなるようで、授業中、数学以外はほとんど寝てしまっていたようです。もっとも、小１の頃からとくに興味のない授業では授業中眠ることもあったのですが。小２の担任は、授業中眠っていると当初はやさしく起こしてくれていたようですが、そのうち、チックと多動で煩くなっていた息子が机に突っ伏して眠っていると静かに授業が進められるためか、あるいはテストだけは全科目ともほとんどできてしまうこともあってか、おそらくそれらのことを含めて周りにも本人にもまったく問題とならなかったからだと思いますが、そのまま授業が進んでいくことが徐々に状態化していったのでした。

  Nov 28, 2006

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• 小１時代～普通学級におけるある高機能自閉症児の生き方！

  小学校１年生は子供にとって初めての本格的な団体生活。勉強をはじめ、校則というこれまで経験のない規則の下での生活。ただでさえストレスになるのに、初めての先生、初めてのお友達、それにがらんとした大きな空間の教室、だだっ広い校庭、高機能自閉症児には苦手そうなものが揃っている。親としては普通学級に通うことの一番の心配は、授業を中心とした学校生活に対応できるかどうか。小学１年生の担任が決まってすぐ、私たちは息子についてわかっていることをすべて先生に話すことにしました。自閉症といわれたことがあること、感覚に障害があること、コミュニケーションがとりにくいこと、トイレの失敗があること、周りの雰囲気がまったく読めないこと、じっとしていられないことなどなど。幸い、担任はベテランの先生で、これまでにもよく似た子を受け持ったことがあるから大丈夫よと、おおらかな感じの先生。これだけ負の条件が揃っている息子を担任するのは大変だろうなと思いつつ、最初の授業参観に行くと、団体行動は決してスムーズとはいえなかったのですが、算数の時間になると、息子が伸び伸びと解法の解説をしているではありませんか。しかも、参観している親のサイドから見ても違和感なく授業自体がスムーズに流れている様子（親バカ度満点での視点ですが）。それにしてもこの時は驚きました。どうやら、息子が得意な算数の時間は、先生が正解を解説する前に、息子に算数博士の役割を与えて解説させてくれていたようでした。先生にそのことを詳しく聞くと、息子が解説をして先生がその後補充説明をする方法を採っているが、補充説明が不要になるケースもしばしばあるとのことで、そのことにより他の生徒からも一目置かれているとのことでした。それまでの息子を知る私たちからすればにわかには信じられないことでした。この時の体験はその後の息子の学校生活を考えるうえで、常にベースとなったのでした。小学校１年生時代は、そうはいっても、子供のことですから、時には泣かされるようなこともあったようです。が、とにかくその場合でも担任の先生の対応は素晴らしく、何ごとにおいても自信を無くしてしまいがちな、そしていじめの対象になりそうな息子をうまくフォローしてくれました。理解ある先生のおかげで、大過なく小学１年生を普通学級で過ごせたことは息子にもそして親にも大きな自信となったのでした。

  Nov 27, 2006

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• 小学校生活始まる！

  いよいよ小学校生活が始まりました。まだ、この時点では、高機能自閉症（広汎性発達障害、アスペルガー症候群など）の診断は出ていません。普通学級への通学はそれこそ通学そのものからのスタートでした。入学後しばらくは、一人で学校まで行けない息子の後を、学校のすぐ近くまで妻がついて行っていました。そして当然、帰りは迎えに行っていました。慣れてくるに従い、幼稚園の頃から親しくなっていた同じマンションの知り合いの２歳上の女の子について通学するようになりました。 帰りも朝行ったいつもの道を外れることなく帰れば帰って来ることができるようになり、やがて、同じ経路を一人で通学できるようになりました。そして、その通学経路上であれば、道草しながら帰れるようになったのでした。そういえばこの頃、妙なクセというか行動が現れました。石ころをひたすら拾ってくる。直径２～４センチ程度の大きさの石ばかりを毎日いくつも拾ってくるものだから玄関に小石があふれました。妻は結構おおらかで、そのあたりはあまり叱らずに話して聞かせていたように思います。玄関に積まれていく石も定期的に妻が根気良く捨てていました。これも高機能自閉症からくる行動の一つだったのでしょうか。石ころを拾ってくること自体はたいした問題ではなかったのですが、何しろ、いつも同じ経路を通学していたので（こだわっていた）、石拾いに夢中になり、それによって少し経路から外れただけで家に帰れなくなることが何度かありました。通学に慣れてきてからは、石拾いに夢中になり帰宅経路からそれ、お巡りさんに家まで送り届けてもらったこともありました。いつもと違う道順は嫌がるので、結局、おなじ道で通学し、そのことでなかなか世界が広がらないためか、少し外れた場所に行ってしまうと近所であるにもかかわらず迷ってしまう。ということで、普段一緒に出かけるときはできるだけ違う道を通るようにしました。本人が頑なに嫌がる時には無理強いはせず、多少は遠回りでもできるだけほかの道を通るようにしていました。それが何とか可能だったのは、本人のこだわりが高機能自閉症児としてはそんなに強いほうではなかったからかもしれません。もうひとつの課題、トイレの問題については、毎朝、自宅を出るときにトイレに行かせ、３時限目が終わった後の休み時間とお昼休みとか決めて、行きたくなくても必ずトイレに行くように習慣化するようにしました。それでもそのことを度々忘れ、時々パンツを濡らしてしまったこともありましたが、大きな問題になることはありませんでした。でもまあ、そんなことより、普通学級へ通うことの一番の問題は、なにより授業を中心とした学校生活そのものであったはずです。

  Nov 26, 2006

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• 普通学級選択！

  今、息子は高機能自閉症の問題を抱えつつも、少なくとも表面上はごく一般的な高校３年生として生活しています。もちろん、まだ、現在に至る過程が彼にとって本当によかったのかどうがかはこれから先を見てみないとわかりませんが、小学校入学時の選択が第一番目の岐路だったように思います。小学校は普通学級でやっていけるかどうか、非常に難しい状況でした。新しく顔を合わせることになる子供達とすんなり団体生活を送るのはまず難しい。 これは普通の児童にとっても大変なことなのに、ましてや高機能自閉症児にとっては拷問に近いものだったはず（まだ、高機能自閉症との認識はありませんでした）。そして、学校までわずか１０分くらいの通学が一人でできないこと。通学できなくては普通学級もこうもない。これらの問題はそれはそれで大変な問題なのに、さらに、小学生になってもおしっこの出る感覚がわからないということは普通学級に入るには大きな支障になるのだろうとの懸念がありました。幼稚園ではお漏らしも先生がなんとか対応してくれたが、まさか小学校ではそういうわけにはいかない。ただ、幼稚園と療養施設に通ったこともあってか、子供がそばに来て何らかの働きかけをされてもめったなことでは泣いたりしなくなっていたことは大きな進歩でした。もちろん、他の子供たちに何らかの関心を示すようなことはありませんでしたが。そういえば幼稚園時代から、祖母の知り合いの習字の先生に、書道を習いに行っていました。もともと字を書くのは好きで、この頃は字はまあまあきれいに書けていたように思います。ただ、枠にとらわれない大胆ないい字を書くといわれていました。それが続いているのか、高３になった今でも、テストの時に、枠にとらわれない字で解答を書いて親を不安にさせていますが。ここでも、やさしい女の子がいて、子供との関係への緊張をほぐすのに何らかの効果があったのではないでしょうか。本人が嫌がっているときはあまり無理してもよくないとは思いますが、ある程度本人に許容のサインが見られたときには静かに世界を広げていくのがいいのではないでしょうか。いろいろと考え、なんとか普通学級に入れていただくことにした、ようでした。本当にいろいろと考えたのはやはり妻。私のほうは考えてはいたはずなのが、このときも相変わらず、当然普通学級に行くのだろうとしか思っていない状態だったということです。今思うとやはり小学校時代が、妻と私の息子の障害に対する考え方のギャップが最も大きくなった時期だったように思います。

  Nov 25, 2006

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  小学校時代に入る前に…仏像特別展！

  息子が広汎性発達障害とはっきり診断されるのは小学校２年生の頃だったと思いますが、息子の小学校時代の記録に入る前に、残り１週間余りとなってしまった仏像特別展について。東京国立博物館で開催されている仏像特別展に行ってきました。それにしても、渡岸寺の十一面観音菩薩立像は本当に素晴らしい。お寺では正面からしか拝観できないということになると、この立像のせいぜい半分くらいしか見たことにしかならないのではないでしょうか。左右にもそれぞれ素晴らしいお顔があるのですが、正面をじっくり拝見してからぐるりと後に回ってみて初めてこの立像の凄さが現れます。とにかく、後姿が素晴らしいんです。背中から腰のくびれを経てお尻に流れれるラインの美しさは、あのルーブルで観たミロのビーナスのウエストからヒップへのラインの美しさに優るとも劣りません。生身のそれこそ妙齢の美女の息遣いを想起させます（菩薩様ごめんなさい）。そして、そのウエストラインに見とれてふと視線を上げると、首筋から後頭部の中ごろ辺りの部分に、大口を開けて笑う妙にリアルな暴悪大笑面がしっかりとこちらを見下しているのです。ニヤニヤと煩悩丸出しの姿をずっと前から内面まで見透かされていたようで…。すべてお見通しだったのですねと力が抜けてただ手を合わせたくなるのです。西往寺の宝誌和尚立像も畏れと妙な安心感を感じさせる不思議な立像です。お顔が正面で割れた間からもうひとつのお顔が現れ出てきているのが、心の奥底まで見透かされているようでちょっと怖いところがあるのですけど、引き付けられてしまう。いろいろと考えさせられる仏像です。高賀神社の十一面観音菩薩立像、善女龍王立像、善財童子立像も独特の世界を創り出しています。神秘的な表情はなにも照明によるものではなさそうです、人を引きつける何かがあるのでしょう。とにかく、人だかりがすごい。さすがに円空仏は人気があります。円空仏というと、もう少し小さいものばかりだと思っていたのですが、これらは２メートル近くあるのではないでしょうか。しかも、これらの３体は１本の丸太から縦に３等分した木で作られているので、彫られている面を３体合わせると元の１本の丸太になるそうです。面白い発見もありました。会場では５００円で音声ガイドをレンタルしてくれるのですが、その解説の声がどこかで聞いたことがある声だなあと思いつつ進んでいくと、十二神将立像のところで、そうだ、女優の市原悦子の声だと気づきました（市原さんごめんなさい）。大安寺の楊柳観音菩薩立像のお顔はどこかで拝見したことがある。ずっと気になり出口付近まで行ってからもう一度戻ったのですが、やはり思い出せません。帰ってきてから、思い出しました。萩原流行や井上陽水の物真似が得意な芸人、神無月とそっくり（神無月さんごめんなさい、ってこれは楊柳観音菩薩さまごめんなさいか）。仏像特別展も１２月３日までとのことですので、あと１週間あまり。昨今の仏教ブームもあってか、私が行った先週末も相当の人出でした。最後の１週間はかなり混み合うことが予想されますが、師走の慌ただしさを迎える前に、木仏の繊細でありながら力強い、不思議な優しさに包まれてみるのもよろしいのではないでしょうか。それにしても、奈良・平安の木仏があんなに素晴らしい状態で伝えられているとは。日本という国、そしてこの国の先人の歴史と伝統を大切にする心と知恵に本当に感動いたしました。

  Nov 24, 2006

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• 小学校入学前、普通学級かそれとも…

  自閉症の特徴ある言動自体については、自閉症かもといわれた直後ずいぶん前から理解していたように思います。ただ、自分のイメージする自閉症と高機能自閉症とは完全には一致せず、息子のケースは自閉症の症状も確かにあるが、自閉症そのものではないのではないかと漠然と期待も込めて考えていました。掛け算の九九は２歳半頃には覚えてしまっていましたし、アルファベットもその後すぐ読めるようになっていたと思います。妻は毎日本を読み聞かせていました。あと、絶対音感が優れていて、一時期、生活音をすべて今のはラのフラットとか今のはソの音だとか言っていた時期がありました。ミニチュアカーを縦に積んでみたり、ただ直線に並べたり、これは２，３歳の頃でしょうか。それに定番の電車がやはり好きでした。息子の障害そのものの正体がはっきり理解できないまでも、障害があることが認識できるようになってくる段階で、当時住んでいた世田谷区で適切な療養施設を探していました。しかし、家の近所には思うような所は見つからず、さらに障害を持つ娘を抱えるわが家としては極めて厳しい局面が訪れていました。そこで、息子が３歳、娘が１歳を迎えたところで対象を近郊まで拡げて調べてみると、東京都下にいい療養施設が見つかり、そこが地区在住が受入要件だったので、わが家は引っ越したのでした。後になって考えると、日常の生活環境ががらりと変わってしまうということは、この頃の息子にとってはかなり厳しいことだったのかもしれません。小学校に通い始めた頃、当初はかたくなに同じ通学路にこだわっていましたから。療養施設への入所は娘が先でした。というより、息子の方は自閉症だろうというだけで正式な診断はおりていませんでしたし、あるいは仮におりたとしてもどのような療法が適切なのかわからなかったでしょうし、逆にもう少しはっきりした症状が見られる程度にまで成長を待つ必要があったのかもしれません。それでも、４歳になると期の途中で幼稚園から、５歳になるとこの療養施設から感覚統合訓練を受けるということで、入所が認められることとなりました。療養施設での訓練は、息子も娘も一緒だったので効率的といえば効率的だったのですが、一方で、訓練が一人に集中できず、ましてや時間帯が重なるとどうにもならないこともありました。それでも、往復にかかる時間や二人に共通の訓練もあったことから妻としては相当ありがたかったようです。この療養施設には、娘のような肢体不自由の子供達は沢山いましたが、それにもう少し重いカナータイプの自閉症の子もいましたが、息子のようなタイプの子は見当たりませんでした。当時はまだ、アスペルガータイプの子の障害の認識は進んでいなかったことの証左ででしょう。ウチも、もし娘がいなかったら息子の入所もなかっただろうし、このような早い段階から自閉症対策につながる対応ができたかどうかは疑問でした。それに、息子はそこの子供達を幼稚園にいる普通の子供達のように怖がることはあまりなかったように思います。この療養施設では、同じ年頃の障害児を持つ親と知り合えたことも大きなメリットでした。この療養施設で知り合った家族と、この頃から毎週、キャンプに出かけるようになりました。子供のためといいながら、親もそれまでのストレスを発散させるようにバーベキューをしたり、食べたり飲んだりして過ごしました。幸い、一緒に遊ぶ仲間の家族とは、その子供達も含めて、息子はたいそう気に入ったようで、彼なりのコミュニケーションがとれているようでした。当初、３家族で、後には４家族で河原、高原、海へと、ピクニックや釣りにも行きました。毎週どこかで集まっていました。息子は同じメンバーで安心できるのか結構喜んでいました。それまでにはなかった楽しい日々が過ごせているようでした。幼稚園では相変わらず、コミュニケーションがうまくとれなかったり、しょっちゅう泣いてしまったり、それにお漏らしするなど問題はなかったわけではありませんが、小学校入学が近づくにつれて、家庭生活で生活の方はいくらか改善してきていたようでした。しかしながらこの頃になっても、自閉症のための療法についてはまったく理解できていませんでした。そんなものがあったかどうかといわれると多分、何もなかったような気がします。その証拠に、小学校に上がる頃には、療養施設の先生にも勧められてＬＤの親の会に参加していたくらいなのです。小学校にすんなり行けるかどうかについては、いくつも問題がありました。

  Nov 23, 2006

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• 息子への日記～障害者の親として！

  一端、息子に宛てた２０００年の日記に戻ります。あまり日にちが空きすぎてしまうと２０００年の日記をベースに新たにこのブログを始めたことがかすんでしまいそうで。振り返ってみると本編の日記はまだ２日分しか進んでいません。ここらで３日目を登場させておきたいと思います。息子が小学校６年になろうとする頃－中学受験が固まってきた頃－の日記です。娘は既に重度重複障害で養護学校小学部３年生、私は人工透析が視野に入ってきてはいるけど、まだ少し先のことと思っている頃で、日記の内容にも少々トゲがありますね。反省しています。【２０００年3月２日】早稲田の乙武君が昨日、「五体不満足」の英語版出版記者会見を開いたそうだ。「障害者の中には不真面目ででしゃばりで頑張ってない人もいることを伝えたかった」との発言をしていたが、彼はちっとも不真面目ではない。この不真面目な振りを装う彼の言動が、恐ろしいほど真面目であるが故に、野心的な影を浮かび上がらせ、多くの人々の共感を呼び、また一部の障害者を除く多くの障害者の反感をかっていることを障害者の父であるお父さんは自身の過去を顧みて、身にしみて実感している。障害というものは、唯一無二の個に乗っているが故に障害そのものもまた唯一無二である。従って脳性麻痺にはそれぞれの形の脳性麻痺があり、肢体不自由にはそれぞれの肢体不自由があり、もちろん広汎性発達障害にもそれぞれの広汎性発達障害がある。健常者と障害者の間にはこれまでの日本には深くて大きな川があった。その川が確かに近年、浅く小さくなりつつある。この川を小さくする役割に「五体不満足」はかなり貢献していると思う。しかしこの川を浅くする役割はまったく果たしていないどころかむしろ深くしてしまっているような気がする。どういうことかというと、障害者という集団を健常者に理解せしめるには、関心を振り向けたという点で貢献度は非常に大である。しかし障害者個人を障害者という集合でくくってしまったために、その結果として個々の多様な障害者を理解することからは遠ざけてしまった。気力だけでは如何ともし難い障害者がいるという事実にベールをかけてしまった。障害者のみんながみんな努力すれば彼のように社会と関係が築けると、非常に多くの要素が内在するこの問題に多様な個性、多様な障害の克服を障害者自身の努力のみに目を向けさせてしまった。このことは多くの障害者、多くの障害者の家族には非常につらい。「五体不満足」は、そういう意味で、多くの健常者の共感を呼ぶと同時に一人の障害者の喝采と十人の障害者の落胆をもたらしたのではないだろうか。お父さんは「五体不満足」を読んだ時、君の妹とのあまりの違いから重苦しい読後感が残ったのを覚えている。友達とのコミュニケーションに困難を感じ始めている兄である君はどうだろうか。

  Nov 22, 2006

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• 高機能自閉症対策、浮かばず！

  そもそも、自閉症の疑いがあると診断されても、次第に言葉を覚え始め、一応、親子の間ではコミュニケーションがとれ始めると、その当時、高機能自閉症に関する確かな情報もなかったこともあって、高機能自閉症対策追求のために全身全霊を打ち込むということには、私たちは徐々に集中できなくなってきていました。というより、漠然とではありますが、外の世界との接触を拡げて行ければ、そのうちに普通に近づいていくのではくらいにしか考えていなかったと思います。そもそも、高機能自閉症という障害名自体が一般に認識されていたかどうかが定かではありません。少なくともウチは息子が小学校２年生くらいになってから初めて、したがってこの頃から３年も４年も経ってやっと高度広汎性障害だとか、広汎性発達障害だとかアスペルガー症候群なる障害名を認識した程度でした。そんな折、娘の障害が四肢機能ばかりではなく脳機能にも及ぶことが徐々にはっきりしてきたので、こちらはこちらで療育センター通いが始まりました。といっても妻は一人なので、娘をおぶって息子の手を引いてということになるのですが。そして、娘が２歳になってしばらくして、東京都下のある養護施設に通い始めると、そこの先生が家庭訪問に来てくれたのですが、この時、４歳になった息子がかけ算の九九やらアルファベットやらを書きつけているのを見て、この子も何らかの療法・訓練が必要だと思いますよと言われたのでした。これが高機能自閉症の特徴ある言動の一つであるということももちろん知りませんでした。正確な障害名自体をはっきりとは認識していなかったのですから。ただ、この頃には既に、言葉の教室にも通っており、また、幼稚園にも通っていましたので、ある程度それでもなんとかなるかもとの期待もあって、特別の訓練といわれても直ちに何かをやらなければというところまでは深く考えず、何かを具体的に実行するまでにはいたっていませんでした。幼稚園に入れるのに随分苦労をして、それでなんとかそれが実現したことで少し安心してしまっていたのかもしれません。もともと、４歳を前にしてもオムツがとれていない息子は、当然、幼稚園への入園を認めてはもらえなかったのです。それでも、保育園は妻が働いていないと入園を認められず、かといって重い障害のある娘を抱えて働けるはずもなく、なんとか幼稚園に頼るしかなかったのです。運がよかったのか熱意が実を結んだのか、幼稚園に入園をことごとく断られるなか、たった１箇所仏教系の幼稚園が、かつてそこの園長先生が障害児を預かったことがあるということで、期の途中でもあるにもかかわらず入園を許可してくれたのでした。この園長がＮＨＫブックスに登場していることを聞いて、それをすぐ読んで置いたことも面接の時に活きたのかもしれません。そこでも、息子が子供と遊ぶことが苦手なことは相変わらず、なぜか一人の女の子とだけは遊べるようになったのですが、その子以外とはいつまで経ってもまったく遊べず、先生の手をいろいろと煩わせながら幼稚園生活を送ったのでした。５歳になると息子は、幼稚園に通いながら娘が通っていた療養施設の先生に誘われ、感覚統合訓練に通うことになりました。高熱にもかかわらず平気で動き回っていたことや、足が電気ストーブで焼けているのに気づかなかったことや、何より音とか臭いにはとても敏感過ぎる反応を示すくせに皮膚感覚、それに平衡感覚や運動感覚があまりにも鈍感すぎたので、それが直接、高機能自閉症対策になるのかどうかは別にして、言葉の教室に次ぐそれらしい訓練をやっと受けることになったのでした。

  Nov 21, 2006

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• 公園デビュー叶わず！

  私には、この頃－娘が産まれた年の夏－今でも涙が止まらなくなるシーンが脳裏に焼きついています。息子は、八王子病院から退院してきてから、人が怖くて、なかでも子供が怖くて、そばに寄ることもできませんでした。家に知り合いが訪ねてきてもとくに親しい親戚以外はそばに寄れずに部屋の隅で泣いていました。家に友達を呼べないというこの事実は、当然、妻が育児友達を作ることを排除する方向に働きます。当時はネットもなく、公園での情報交換が育児の不安を拭うのに必要不可欠な唯一に近い手段でもありました。朝の涼しい公園や木々の木陰で憩えるような公園には、それぞれのグループがいて、周りの子供達をみて泣き出したり、あるいはまったく気にかけなかったりする息子と妻は、グループから白い目で見られて排除されるのにあまり長い時間を要しませんでした。すぐに、息子と妻は１日１日を快適に過ごす場所をなくしてしまいました。ある真夏の本当に暑い日でした。何か個人的な用が重なって、会社を早退し区民センターに向かうと炎天下で遊んでいる親子が目に入りました。区民センター前の広場で、公園デビューができない息子を、他の子供達が家に帰った後の真夏の太陽がじりじりと照りつける真っ白になった砂場で、娘をおんぶしながら遊ばせている妻の姿だと確認できたとき、思わず後ずさりし、電柱の影に隠れました。私は電柱の影からその妻の姿を覗き見しながら泣きました。今もこれを書きながら泣いています。この時のこのシーンを思い出すと必ず涙が溢れ出てきてしまいます。妻は、医師の自閉症かもという言葉を受けてさまざまなところに問い合わせていました。しかしながら結局、どうすることがベストなのか答えは得られませんでした。ただ、可能性を求めて、息子が言葉もしゃべれないうちから、スイミング、リトミック、しゃべるようになってからは体操教室と外の世界との接触を試みていました。２歳未満の時には２歳未満でしかできないことが、３歳までには３歳までにしかできないことがあるのでは、などとその時期になすべきことは絶対漏らすまいという必死さで育児という業務に一生懸命になっていました。徐々に娘の障害も明らかになってきて、問題だけがどんどん増殖し、私たち二人ともに、立ち止まって冷静に考えてみるような余裕は完全になくしてしまっていました。ただ、必死さだけで全体の概観さえ見ることのできない大きな問題に対峙していたのでした。

  Nov 20, 2006

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• 自閉症の症状？

  息子が言葉を発したのは２歳３ヶ月の頃、祖母が近所で拾ってきた木の葉をこれが「葉っぱ」だよと教えているときでした。このとき、突然、「はっは」と息が漏れるような無声音で、しかし明確に意図を持って発せられたのでした。是が息子の発した最初の言葉です。実はそれまでずっと、祖母は「パパ」だよと教え込んでいたのに、パパとはまったく発声できず、「はっは」にいたったのです。そのことは、その頃のパパの存在が1枚の木の葉にあっけなく敗れるほどの軽いものであったということを如実に物語っています。葉っぱの次に話したのが、数字です。もちろんすべて相手にわかるようにうまく発音できたわけではありません。とくにサンとロクははっきりせず、ガンとボンに近い音になっていました。その後間もなく、かけ算の九九を覚えました。変わったパターンだなあと思いながらも、それでも、少しづつ一般の語彙が増えていったのでした。多少は変わっていても生活が身につく兆しが出てきたことで、自閉症の深刻さを意識はしてはいても心の底ではいくらか安心もしていたのだと思います。ある日、妻の実家で妙な事件が起こりました。両親と一緒に食事をしていると、何やらイカを焼いたような香ばしい臭いが漂ってきました。何も心当たりはないのにと電器ストーブのほうに目をやると、息子の足が電器ストーブに接して焦げているではありませんか。彼はどうやら感覚にも障害があるようでした。１歳直前に４０度近い高熱を出してもへらへらと元気に見えたのも全身の感覚システムが障害を受けていたからではないのかとこのとき思いました。よくよく考えてみると、この頃までにちょっとおかしいと思うことがいろいろと出てきていました。抱っこしたときに体が反って抱き難い。同様に、おんぶしたときの姿勢がちぐはぐでおんぶし難い。語彙はどんどん増えてはきたが言葉が不明瞭。食べ方が汚い。好き嫌いが激しい。歩き方がぎこちない。したがって、よく転ぶ。公共の場で、例えば公園などでなかなか親を見つけられない。口周り、足など特定部位の感覚が鈍い。音や匂いなどには敏感。子供がとくに苦手。やはり、これから大変なことになるなあ、との思いは強まってきていました。しかしながら、彼が２歳になる頃には娘が産まれ、そのことによる忙しさも手伝って、そしてさらには娘が１歳になる前には娘の障害も徐々に明らかになってきたこともあって、息子の少々変わったところは気にはしながらも息子一人にかまってばかりはいられないというのがこの頃の実情でもありました。

  Nov 19, 2006

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• 自閉症と突然言われても！

  1週間ごとの検査も異常なく、やがて通院は1ヶ月ごとに。それも、半年ほど続いて、何か変わったことがあったら来院してくださいに変わり、息子は完全に復活しました。しかし、これと並行してあらたな不安が持ち上がってきていました。そしてそれこそが、本当の問題だったのです。退院後はまったく一言も喃語さえも出なくなっていました。入院前は結構、ああ、うえなどと結構うるさかったのですが。退院後は、それこそ、うんともすんともまったく音声を発さなくなってしまいました。そしてそのうえに、病院に連れていくと、白衣を着た医師を見るたびに震えを伴って泣き叫ぶようになってしまったのです。退院後数ヶ月がして、息子の主治医である小児科の医師に診てもらうと、彼女ははあっさりと自閉症の可能性があるからしかるべきところで診てもらったほうがいいわよというのです。自閉症？自閉症って、…自分の殻に閉じこもる…病気？それこそ、しかるべきところで診てもらって治療すれば治るのかなあ…くらいの気持ちで、紹介を受けた病院・医院を妻は大きくなってきたお腹をかかえながら訪ね歩いていました。妻は次第にことの重大さに気づいてきていましたが、私のほうは大変なことになるかもと頭の片隅では考えながらも、仕事にかまかけて子供のことは出産を控えた妻に任せっきりの状態になっていました。実際、私もこの頃が最も忙しいサラリーマン生活を送っているときで、仕事も正念場を迎えており、子供のことを含めた家庭のことは妻と妻の実家にも頼りっぱなしになっていたのです。妻の出産の準備やら何やらで、そして出産の後は産まれたばかりの娘の世話でバタバタしているうちに時が過ぎました。

  Nov 18, 2006

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• ミラクルボーイ！

  「不思議なことに…、ＣＴには悪いものは何も映っていません。尿検査もまったく異常なしです」「奇跡が起こったのかも。ミラクルボーイだ」私たちは狐につままれたようで、先生の言葉にすぐさま反応できませんでした。内科的な検査と外科的な検査の両面にわたる事前の検査結果からかなり困難な結果が予想されていたのですが、というより、元々この検査入院自体が手術が可能なのかどうかを正確に検査することが目的だったのです。当時、何の信仰も持っていなかった私は、毎日、密かに息子の命が助かりますようにと祈りました。代わりに、自分の命がどうなっても…、それは困るなあ、息子を育てていかなければならないから、妻の命はもっと困るなあ、それ以外のものなら何を失ってもいいなんて、妙に短絡的で浅薄なある意味現実的な考えまでもが頭の中を巡りました。この時は、明確に、息子の命さえ助かればあとは何も要らないと思いました。人は不安が蓄積する過程では臆病になります。妻とのコミュニケーションにスムーズさが欠けてきていたのも、それは決して猛暑のせいではなく、1ヶ月以上にわたって抱き続けてきた不安が限界近くにまで膨らんでいたからだったのだと思います。先生は、我々家族の不安を見透かして、笑いながらつとめて明るく、「奇跡が起こったのかも。ミラクルボーイだ」とおっしゃったのです。そしてその明るさは、まだ、一抹の不安を先生ご自身が感じていることの裏返しでもあったと思います。「ただ、腫瘍が消えたということは、また逆に腫瘍が現れる可能性がゼロではないということですので、暫くは1週間ごとに来院してください。尿を採って持参してください」ということで、2週間ほどに及んだ入院はひとまず終わりを告げました。

  Nov 17, 2006

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• 溺れる者はペンをもつかむ！

  透析治療に向かう電車に乗って、いつものように本を読みながら妻とメールのやり取りをしていたら、マンガに出てくるキャラクターそのものみたいなお嬢さんが乗ってきて向かい側に座りました。帰宅ラッシュにはまだ少し早い時間なので立ってる人はまばら。向かいの席に座った人達の顔はほとんどすべて見渡せます。そのまま、斜め向かいの席に視線を移していくと、ここにもまた一人特徴的なお顔のお嬢さんが乗っていらっしゃる。妻にその旨、急いでメールすると、…な、な、なんと彼女は写真撮って添付して送れと乱暴な指令。それは無理だよ、逮捕されるよ。と断ったものの、それにしてもこの楽しさを独り占めすることは私の良心が許さない。それほど、なんとしても知らせたくなるような、本当にマンガに出てくるような対照的なお二人のお顔。こなた、身長170センチは超えようかという面長な健康色なお顔、かたや身長150センチには満たない小作りな色白なお顔。本を読む振りをして漏れそうになる笑いをなんとかかみ殺していたものの、でもなんとかこの楽しさを妻にも伝えたいと思った私は、何を思ったか自分のデッサン能力も顧みず思わず読んでいた本の余白を見つけて似顔絵を描いてしまいました。格言、笑いに溺れる者はペンをもつかむ！うーむ、もう少し私にデッサン能力があれば…。お二人さん、ごめんなさい。

  Nov 16, 2006

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• 検査入院。

  急きょ、八王子小児病院に小児癌の著名な専門医がいるとのことで、検査入院することとなりました。まずは、改めて尿検査を病院の厳格な管理の下でやることになりました。尿道からカテーテルを入れられ尿を採る検査を何日間もやるのです。手足をそれぞれ４本のヒモでベッドの角に縛られ、尿道からカテーテルを入れられた息子を見舞うのはとてもつらい。とりわけ、面接時間が終わって帰るときの震えるような泣き声を振り切って病室から出るときの気持ちは言葉では言い表せない悲しさで、妻も私も、祖父も祖母も毎日、息子が流す何倍もの涙を流しながら逃げるように病院を立ち去ったのでした。この年の暑さは特別で、八王子の気温は連日体温を上回りました。そんな中で、暑さの影響ともとれるトラブルが追い打ちをかけました。息子のベッドのちょうど真上にある冷房の通風口から、フル冷房で結露した水滴が落下し、その下で寝ていた息子のパジャマを濡らし続け、それが冷房で冷やされ息子は熱を出してしました。39度を超える熱が何日か続きました。肺炎の心配があるということでした。患者の立場は弱いです。病院の看護婦さんから謝られると、これからは気をつけてくださいよ。と、「よ」に力を込めてお願いするくらいしか患者側には術がありません。良さそうな看護婦さんの場合なおさらです。実際、この病院は医師の対応も誠実で、家族にとっては怒りがぶつけられなくてもどかしいのですが、一方でやはりそれが救いでした。そんなトラブルも乗り越えて、容態も落ち着いたので予定していたＣＴ検査も行われました。いよいよ検査結果を聴かせていただく日が来ました。

  Nov 15, 2006

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• 褐色細胞腫、小児がん？！

  病院で検査をしていただくと、ただの風邪だと思っていたのに、脈拍が２１５回／分にもなり（他にも緊急を要する症状があったのかもしれませんがそれ以外覚えていません）、この分だと心筋がもたずに心停止に陥る可能性があると、直ちに小児の心臓専門診療科のある国立小児病院まで救急車で搬送されました。集中治療室で治療を受け、１週間近く入院したでしょうか。面会に行くと、病室にはかなり重い症状の子が５～６人入院しており、中には、指が１、２本足りない、人工呼吸器でハアハア息をしながら眠っているのも精一杯のような子もいました。面会時間中には毎日、息子には我々夫婦か妻の両親がフルに付き添いましたが、その子にはその間、誰も面接に現れませんでした。独りで必死に生きている感じでした。今でも、その子のことを思うと涙が滲んできます。息子は、熱も３７．５度ほどに、脈拍も１３０くらいに下がり、原因は突き止められるところまでは行きませんでしたが、退院することになりました。ところが、退院しても３７．５度の微熱はいつまで経っても下がらないのです。またもや、かかりつけの病院から、今度はある大学病院を紹介してもらい、再び心臓の検査を受診しました。しかし、心臓には異常は見つかりませんでした。そのかわり、その心臓の専門医が同様の微熱、頻脈が続いたケースで、他の病気だったケースがあったということで、そのための検査を行うために元の病院に戻されて、ＣＴ検査と尿検査を行うこととなりました。尿にはカテコールアミンが検出され、そしてＣＴには副腎の辺りに影が映ったのでした。褐色細胞腫の疑いあり。しかも、その影は大動脈を取り囲むような位置に映っていました。妻に代わって病院に駆けつけていた妻の妹が泣きながら電話で知らせてきました。専門病院にて精密検査をとのことでした。既に微熱、頻脈の期間は２ヶ月を超えていました。

  Nov 14, 2006

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• 息子へ(５)～１歳誕生日目前

  息子の病歴は産まれて1週間も経たずに始まりました。「心雑音があります、心房中隔欠損症の疑いがあります」との医師の冷静な言葉は、初めての出産で不安だらけの妻にさらに大きな不安をもたらしました。この時の妻の不安の大きさは相当なものであったということを、その後の幾たびかの重大な局面での実際の彼女の振る舞いによって、私は随分後になってから気づくのですが。その後のこともそうだけど、この頃、仕事にのめり込んでいたこともあって、妻には独り随分淋しい思いをさせてしまいました。ただ、心雑音後の息子の状態については、ロート胸は気になりはしたけど、とくに緊急を要する対応を必要とはしませんでした。その後、息子は、首の座りからハイハイ、つかまり立ち、喃語とあまり他の子供との差も取り立てて気になることなく育ちました。ところが、1歳の誕生日を２～３日前に控えたある日、40度近い熱で、ハアハアと息が上がっているのに、なぜか元気な様子が少々異様に映り、かかりつけの病院に急ぎました。この時は、熱が高くとも子供というのはぐったりしていなければ大丈夫だと思っていたのです。ただ、その元気さが何か異様でした。後で考えると、これも障害につながる一つの症状だったのですが…。

  Nov 13, 2006

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• 息子へ(４)～誕生／エイプリルフール

  大うるう日から始めた日記の２日目は息子の誕生に触れています。【2000年3月1日】せっかくはじめた日記なのに、初日のところを読むと何か問診表みたいになってしまいました。今日は君が生まれたときのことを書こうと思います。君の誕生日は4月1日、年度の始まりということで、すべてのことが今日から新しく始まるというような非常にきりのいい日で、エイプリルフールでみんなに君が生まれたという事実がすんなりと伝わらなかった他は記念日としては申し分ない日ではないかと思います。君の生まれる予定日は4月2日で、とくに男の子は小さいときに1年違うと小学校まではいじめられるのではないかということもあり、できれば4月2日以降に生まれて欲しいなとみんな思っていたようでした。でもお父さんは、4月1日というのは年度始めの日ということで、この日がベストではないかと密かに思っていたのです。お母さんの誕生日が近いのでそれもまた悪くないなと思ったりもして。7ヶ月目頃、お母さんが切迫流産しかかりましたが、ここを乗り越えると順調で、3月31日にはお母さんの実家に泊り、静かに予定日を待っていました。眠りに就くまでは大した変化もなく、みんなの思惑通り4月2日以降になりそうな雰囲気の中で、君のお母さんは夜中に急に産気づき病院に運ばれました。そして、4月1日午前４時27分にお父さんの思惑とともに君は生まれたのでした。お父さんは喜びのあまりちょっと病院で浮かれ過ぎて、看護婦さんに帰宅命令を出されてしまい、早朝の冷たい空気の中しょんぼりとお母さんの実家に帰りました。当日午後、改めて抱えられないくらいの純白のバラ（予算の関係で30本）を持って、お母さんと君に会いに行きました。想像していたより君は不細工で、毛だらけでしたが、お母さんの頑張りにそんなことは口に出せませんでした。お母さんは母になったやさしさとしなやかさの中に、ちょっぴり不安めいた表情がちらりと見え隠れしていましたが、おそらくそれは自分の予想に反して君が美しくなかったからではないかとお父さんは想像しております。ともかく、4月1日、こうして君を交えたわが家の新しい生活がスタートしたわけです。このときは、わが家がまさか障害者一家になるなんて知る由もありませんでした。

  Nov 12, 2006

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• 命！

  ＞命・・やはり一番大切なものです。命ある限り幸せ＞を感じることができます。どうも掲示板のガラスの靴１０５さんのこのコメントが気にかかりまして。昨晩、禅を聴くという講演会がよみうりホールでありまして命の大切さを心に沁みこませてきたせいかもしれません。禅の外にも沁みたものがあったようで、帰りはなぜか終電間際になってしまいましたが。同郷のとても親しい上司が、５年ほど前にお嬢さんを交通事故で亡くしました。大学を卒業して就職も決まり、そして結婚まで決まった最後の春休みというか、入社式直前の休日に、母親と一緒に乗っていた車が折からの雨でスリップし、お嬢さんだけが亡くなってしまいました。母親は骨折はあるものの、命に別状はなく、しかし精神的ダメージは計り知れなく、単身赴任のその上司は会社の役員を務めていたこともあってたびたび見舞うこともままならず、半年近く厳しい生活を強いられました（奥さんの精神的ショックは何とか普通の生活ができるまでに３年近くを要したようです）。彼がいくらか落ち着いた頃、私の娘の障害についてどこからか聞いていたのでしょう、こう言うのです。おい、お前んとこのお嬢ちゃん、しゃべれないし、歩くのは不自由だし、食べさせなければならないし、下の世話もしなけりゃならんだろうし、…ウチで育てようかと。それもいいかもしれませんねえ、多分、家内も賛成するんじゃないでしょうか。とこちらも冗談で。すると、彼は声を上げて泣き出しました。寝たきりでも、植物人間でも何でもよかったのに。生きてさえいてくれたらそれだけでよかったのに。おいっ、娘のことできつくなったらいつでも言ってこい。俺がもらうから。そして、この話しには続きがあります。さらに、私が最も親しい上司、この方は上述の上司の部下です、のお嬢さんが、その1年後に交通事故で亡くなったのです。なくなるはずがないと思っていた身近な命がこのような形で、しかも続けてなくなるなんて。彼女は女子大生になった翌年、同級生の車でスキーに出かける時に、自宅から県道に出るところでダンプカーとぶつかり、他の同乗者は全員無事だったのに1人だけ亡くなったのです。彼女が小学生の頃、人見知りが激しく家族以外には私以外あまりなつかない子で、彼女の家に立ち寄ると私たちはよくお話をしました。そのことを思い出しながら、傷だらけになって静かに横たわるその子の顔を痛かったろうねと私はいつまでも泣きながら撫で続けました。彼女の父親は隣で一緒に泣きながら、生きてさえいてくれたらと。命って普段はそれがあるのが当然だから誰もみな何も考えないんですよね。何よりも大切なものなのに。ウチの手間ばかりかかる娘は重い障害をかかえながらも、今、元気に生きています。

  Nov 11, 2006

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• 息子へ(３)～治療スタート！

  入院というのは本人もそうですが、家族や親族が大変です。その後のアクセスのことも考えて、通勤に利用している沿線の病院に入院することにしました。深夜の血尿の時にはまだ痛みはなかったのですが、翌朝が近づいてくると、痛み止めが切れてきたせいか背中から腰にかけて痛み出しました。前日の痛みに恐れをなしたお父さんはいつもとはまったく違って、病院への準備を急ぐのでした。病院に入ると、早速エコーを撮ってもらうなどいろいろな検査をしてもらいました。石が出るまで5日間ほどかかりますと言われ、ひたすら点滴を続けるだけの入院生活が始まりました。何と、担当医の予言のとおり、ちょうど5日目に米粒大の石がコロンと出て幼少の頃脱腸での入院以来2回目の入院生活は終わりを告げました。ずいぶん長くなりましたが、実はこの時の検査がきっかけで、腎臓が良くないので、そのための治療として血圧及び尿酸のコントロールをした方がいいと言われ、正式に降圧剤と尿酸値を下げる薬の服用がはじまりました。実は、世田谷区時代にも一度、急性腎炎といわれ高熱で２～３日寝込んだことはあるのですが、この1996年11月13日から実質的に腎臓病との付き合いが始まったということになります。しかし、この頃はまだ実感も乏しくて、何となく、君が成人する頃まで腎臓がもってくれればというくらいにしか考えていなかったように思います。

  Nov 10, 2006

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