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2011.04.02
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カテゴリ:ボールダー通信
夫の住むボールダーでの滞在も、
残すところ数日となってきました。


今回こちらに来て、ゆっくり自分を取り戻す
そんな時間を設けることができたのは、
ほんとうに幸運なことでした。

ほんとうに私という人間は、
ちっぽけで弱い存在でしかないのだと、
自分の無力さをあらためて教えられました。

これまで、当たり前に思っていた事が、
じつは全然当たり前でなかった、という事も。

今回の震災のことを思うと胸が苦しくなりますが、
以前よりずっと謙虚に、そして適切に
向き合えるようになりました。



前置きが長くなりましたが、昨夜、辻井伸行さん
ピアノコンサートに主人とYoshiの三人で出かけました。

ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで優勝されてから
世界各地で演奏旅行中とうかがっていましたが、まさか
こんな山の小さな街で出会えるとは! 

そして、パンフレットにはこんな一文が。
040111.jpg

モーツァルトの「ハ長調のソナタ」
ベートーベンの「ニ短調のソナタNo.17」
ムソルグスキーの「展覧会の絵」
どれも素晴らしく、魅了され、引き込まれました。

演奏が終わったとたん、奮い立つかのように
みながスタンディングオベーションし、
大きな拍手と歓声が辻井さんを包み込みました。

彼は何度も深々とおじぎをし、そして
アンコールに応えて3曲演奏してくださいました。

それは私にとって、不思議な体験でした。

クラシック音楽に明るくないので、
どなたの何の曲か私には分かりません。

ただ、辻井さんが演奏しはじめたとき、
目の前にあきらかに日本の海辺の風景が広がって見えたのです。
叙情的でやさしい、繊細な風景が、そこにありました。
なつかしい、けれど震災後の今となっては、失われてしまい悲しい。
目から涙があふれて、止まりませんでした。

ドラマや映画で、そんな場面を観たことはあるけれど
音楽を聞いて風景が見えたのは、初体験でした。

そしてアンコール2曲目。
今度は明るく力強さを感じさせるものでした。
それは今後、私たち日本人が復興していこうとする
希望と光を感じさせてくれるものでした。
さっきまでの涙が止まって、身体がだんだん熱く、
音で満たされる感じがしました。

最後に3曲目。
それはやさしい夢見のための音楽のように、
私には思えました。いろんな事があっても、
すべては幻のように、ふたたびまた眠りにつこう。
明日のために。。。と告げてくれているかのようでした。


音楽のもっているチカラ、芸術がもっているチカラは
ほんとうに勇気を与えてくれますね。

この時、このタイミングで辻井さんの音楽に
触れる事ができたのも、
きっとなにかの意味があるのでしょう。
この夜は、音楽の神様に何度も
「ありがとう」を言いました。






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Last updated  2011.04.02 09:45:18
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