経済、為替の書評、日記等

金の元素記号は[Au]

科学的にみると、金は空気中や水中では
参加したり、腐食したりもしない。

そしてその重さ、輝きから円やドルとは比べ物にならないほどの昔から、
通貨としての役割を果たしてきた資産である。
そんな金の相場でもこの言葉が使われている。
「噂で買って、ニュースで売れ」
（buy on rumors, sell on news)u」
相場の世界では非常によく言われる言葉である。

２００２年イラク戦争の開戦６か月前、NYの先物市場では
金の価格がひっそり値を上げはじめていた。
実はNY市場のユダヤ系トレーダー達は、独自の中東ルートから開戦確実との
情報をつかみ、
「有事になれば金は個人投資家により買われる」
との予測をたて、先物市場で金の買いポジションを積み上げていたのだ。

そして、ついに戦争がはじまるや、彼らは一斉に利益確定の売りに回った。
その結果、金価格はイラク戦争後に急落する事になる。

悲惨だったのは、開戦のニュースで「有事の金」と踊らされ、金買いに
走った個人投資家たち。
高値のポジションを抱えたまま、はしごを外される事になる。

さすがなのは売り抜けたディーラー達である。
開戦直後のインタビューではポジションを売り抜けながら、
「有事には金が買いです！！」
と言ってのけている。

完全にポーカーの世界である。
ひとたび相場に金を投げ入れたのであれば、そこは弱肉強食の戦場である。
誰かが儲けるならば必ず誰かがその儲けを支払わなければならない。
敵が「私達はこちらの山から何時に攻撃を開始します」と言った言葉を
そのまま受け取り、その時間に待ち伏せれば、負けは必須であろう (´・ω・｀)

朝自宅に届いた日経新聞を読んで、記事でおススメされた銘柄を朝食後に注文する。
もちろん儲かる日もある。
しかし、儲からなかった日に
「おかしいな、日経では来月までは上昇は続くって書いてあったけどな。」
とか言っているオッサンや主婦はどの時代にも必ずいる。

リーマンショック前にデリバティブを進められ、退職金２０００万をブチ込み、
１週間でゼロ円にした人の話が本に書かれていたが、
そんな人間もどの時代にもいる。

そして大切なのは、そいつらのお金は無くなった訳ではなく、
勝者の財布に入ったという事である。

ならば、ポーカーのプロが１日中観光客のカモがテーブルに来るのを
待ち構えているのと同じく、相手こそ見えないものの、
キャッシュを拾える状態になるのを待ち構える忍耐が
トレーダーにも必要という事である。

ポーカーでは席に座り、３０分してカモを見つけられないなら、
自分がカモである事に気づかなければならない。

さて、相場でのカモは。。。