謎の喫茶店
昨日の話昼ごはんを食べようと思って、初めての喫茶店に行ってみた。もう長く営業している個人経営のお店で、食べログの口コミは「至って普通」みたいなものが多い。訪ねたのは午前11時ちょっと過ぎ2人くらいお客がいた。マスターと思われる男性が注文を取りに来たので、ナポリタンを頼んだ。ランチタイムには少し早かったので、セットドリンクはつかないなと思って、飲み物は頼まなかった。数分後、またマスターがやってきて「注文、なんだっけ?」と言った。「ナポリタンをお願いします。」と答えた。「ナポリタンね、ああ、ナポリタン。ちくしょー」といった感じの、何故か悪態まじりの独り言を言いながらマスターはキッチンに入っていった(キッチンの様子は客席からは見えない)時々キッチンの方から「あ"ー!!」とか「え"ー!!」みたいな叫び?が聞こえた。一人で入ってしまったことを激しく後悔しながら、ナポリタンの到着を待った。結構な時間がたって、ナポリタンが到着した。ヤル気はないが、やたら大盛だ。お皿からあちこちはみ出て盛り付けられ、なんということか、ベーコンとウインナーが切らずに丸ごと麺の中に埋もれていた。もともとこういう作りの料理なのかも知れないけど。私は滅多にこういうことは言わないのだけどおいしくなかった。こういうときに限って、カバンの中にポリ袋の一つも入っていない。ポリ袋など持っていれば、証拠隠滅して店を出ることもできたかも知れないが、仕方ないので、その大盛のナポリタンを完食した。食べ終わって、「ごちそうさまー」と席を立つと、アラウンド40くらいの女性が出てきて(今までどこにいたんだ?)愛想よく「ありがとうございましたー!マスター、お会計お願いしまーす」と言った。マスターとレジで「卵サンドだよね?」「いえ、ナポリタンです。」「ああナポリタンだよね、それとコーヒー」「コーヒーはつけてないです。ナポリタンだけ」という会話をした。金額は正しく払ってきた。店を出るときに振り返ったら、入ったときにはなかった「準備中」の札がかかっていた。帰宅して念のため改めて口コミをチェックしてみたが、私のような経験をした話は載っておらず「穏やかなマスターが丁寧にコーヒーを淹れてくれた」「おいしかった」などと皆さん書いていた。ナポリタンの写真をあげている人もいたけど、私が食べたナポリタンとは別物だった。あの店はいつもああなのだろうか、それとも何かの事情でああだったのだろうか、再訪したいような、もうこれきりにしたいような。