テーマ:世界各国に食めぐり(408)
カテゴリ:☆英国衝撃の食事情!
当然のことですが、各国の料理にはそれぞれの特徴があります。
たとえば、和食とイタリア料理にはある共通点があると言われるのをご存知でしょうか。 それは、両者とも素材の持ち味を生かすという点です。 ですから、イタリア料理が比較的日本人の口に合う、というのもこれを考えれば納得いくものがあります。 でも一方で、日本人にとってなじみやすいかどうかだけでその国の料理が美味しいか否かを判断するのは、決してフェアーな態度とは言えないのではないでしょうか。 日本人には評判の芳しくないイギリス料理にだって、独自の良さという物が必ずあるはずです。 筆者は、1年以上にわたってイギリス料理の特長について考えつつ、あらゆる料理を食べてきました。 そして、上記のような考え方を踏まえ、きわめて客観的かつ公平な視点からみた自分なりの評価や考えというものがある程度固まってきたのですが、イギリス料理の良さについて、筆者なりに導き出した結論をあえて一言で言い表すとするならば・・・「やっぱりマズい(T△T)」 さて、そんなイギリスの食べ物の中でも、最も強烈な食べ物といわれ、スーパーなどに行けば必ず置いてあるのが下の写真の「マーマイト」です。 この美味しさが如何ほどのものかは、かつて日本テレビ「爆笑大問題」の中の「世界一不味い食べ物コンテスト」で見事優勝したというエピソードからもうかがい知ることができるでしょう。 もともとは戦時中の配給から始まったというこの食べ物の正体は、容器にも書いてあるとおり、イースト・エクストラクト(酵母抽出物)です。 イースト・エクストラクトは、実はバイオ系の研究をしている人にとっては大変なじみ深いものです。 というのも、これはDNAを増幅するのに必要なバクテリア(もっと具体的に言うと大腸菌)のための培地(エサ)と同じ成分だからです。 したがって、もし全国1千万人の分子生物学者にマーマイトを見せたら、「これだけの培地から何マイクログラムのDNAが抽出できるだろうか?」とか、「キアジェン・キットのEBバッファーはまだ足りていただろうか?」などとわけの分からないことを思い悩んでしまうに違いありません。 それはさておき、実際に筆者がマーマイトを食べてみた感想は、味噌のような香ばしい香りとともに、硬くてねっとりと糸を引く冷たいコールタールのような不気味な食感でした。 特に問題なのは強烈にしょっぱいことです。 率直に行って、ありえない食べ物です。 筆者は一度食べたきり、冷蔵庫の奥底に見えないようにしまってあります。 イギリスの大きな本屋さんに行くと、なんとマーマイトを使った料理についてのみ書かれたレシピ集すら置いてあります。 これを見ても、やはりイギリス人でさえも、1冊の本にまとめなければならないほどマーマイトの処理に困っている、という何よりの証拠ではないでしょうか。 そんなわけで、イギリスに来たら一度は体験していただきたい食べ物であることは間違いありません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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