2005/08/29(月)02:48
アメリカの車窓から
世界の車窓から。
今日は、ワシントン・ユニオン駅を出発します。
ワシントンからニューヨークまでは、300キロあまりの道程。
週末には多くの人でごった返します。
この区間の移動は「アムトラック」(Amtrak)が大人気。
アムトラックは、アメリカの長距離列車を一手に引き受ける鉄道会社です。
なぜ電車なのに「トラック」というのでしょうか。
JAROに通報したくなります。
出発駅は、ワシントン・ユニオンステーション。
風格に満ちた駅舎は町のランドマークのひとつです。
出発ゲートが並んでいる様子はまるで空港のよう。
出会う人。
別れを惜しむ人。
出発する人。
そこには、さまざまな人間模様があります。
中央には大きな靴磨きのお店が見えます。
この駅の名物のようで、なかなか繁盛しているようです。
車内は飛行機のエコノミークラスのようにちょっと窮屈。
・・・となりには小錦のようなおっさんが座ってきたので、かなり窮屈です。
「フィラデルフィアへ里帰りするんだ」と陽気に話していました。
その前にダイエットしとけ!ボケ!!
・・・。
車内は清潔感が無く、人が立ったり座ったりするたびに埃が舞います。
・・・くしゃみが止まりません。
列車は定刻にゆっくりと動き出しました。
近郊の町ボルティモアを過ぎると、いよいよ森が深くなります。
日本や西欧の手入れが行きとどいた農地とは違って、大部分は手付かずの森林地帯。
どこまでも続くかのような鬱蒼とした深い森。
その中に時折、木小屋や湖、廃墟のような工場跡、巨大な川、そのなかにクルーザーがぽつんと浮かぶ様子が、現れては消えてゆきます。
そこには、超大国と言うよりも、「新大陸」という言葉がぴったりくるような、古きよき時代の面影が色濃く残っています。
日本の景色のスケールが「スイカップ」とすれば、アメリカの景色はまさに「アメリカップ」と呼ぶにふさわしい雄大さです。
思わず母国のスイカップに思いをはせずにはいられません。
アメリカップ・・・。
列車は、さらに北を目指します・・・。
提供 FUMITSU