カテゴリ:映画
ノルウェー映画「ホルテンさんのはじめての冒険」を見ました。
北欧らしい、静かな、言葉も少なく表情もそんなに大きな変化のない、だけれど、しみじみといいなあと思う好きなタイプの映画でした。 オスロ駅を出て、雪の中を走り抜けるベルゲン鉄道を追って始まる映画。雪とトンネルを繰り返し、あの美しいベルゲン駅に着く列車。 映画全体から考えると、けっこう動きのあるオープニングだったかもしれません(笑)。 良く分からないエピソードも挿入されていて、???と思うところもありましたが、偶然の出会いや出来事にから、自分の意志ではなく、いつの間にか冒険というか、困ってしまう・どうしようもない状況に巻き込まれていく&追い込まれていく姿が、静かに、しかも妙なユーモアというか笑いと、同時にしんみりするような、ホルテンさんと一緒に困ってしまうような不思議な感覚で描かれています。 そして、最後にホルテンさんが自分で選んで、自分で一歩を踏み出していく。 その一歩がまたまた暖かい。 今の日本に氾濫するお笑いには見られない「静かな笑い」が心地よい。思わず「くすっ!」っと笑うのが嬉しい。 そうやって、ホルテンさんの人生に引き込まれていった90分でした。 ノルウェー語はまったくわかりませんでしたが、ドイツ語風に聞こえるところと、フランス語やイタリア語に近い感じの音などもあり、ちょっと面白かったです。 映画の中で、2か所ほど突然の日本語もあり、みんな受けてました。たぶんここで笑うのは日本だけでしょうけれどね(1か所はセリフ、もう一つは目で) もっとも、前作の「キッチン・ストーリー」に比べると、大変な動きのある映画ですよね。 また見に行きたい映画でした。 【あらすじ】 オスロに住むホルテンは鉄道の運転士。規則正しい生活を心がける彼の生活も今週末で定年を迎える。いよいよ退職前夜、同僚が送別会を開いて勤続を表彰してくれるが、彼は翌朝の勤務に備えて早く帰ろうとする。だが、誘われて二次会へ。タバコを買いに出かけて戻ると、マンションに入れなくなってしまった。工事用の足場を伝って他人の部屋に侵入するも、そこで眠りこけてしまい、翌日運転するはずの列車に遅れてしまう…。 鉄道一筋40年の生真面目な運転士ホルテンさんが、定年退職の日に人生で初めての遅刻をしてしまったから、さあ大変! その“事件”をきっかけに、ホルテンさんの冒険が始まる。老人ホームに母親を訪ね、空港内で右往左往し、夜、無人のプールで泳ぎ、“目隠しドライブ”が得意という不思議な老人と出会い…。滑稽な中に哀しさを帯びたシチュエーション、セリフは少なく無表情なのに、なぜか滑稽で笑ってしまう、愛すべきキャラクターたち――。カウリスマキ作品にも通じる、ベント・ハーメル監督(『キッチン・ストーリー』)独特のユーモアに満ちた作品だ。 【キャスト】 監督・脚本 ベント・ハーメル 出演 ボード・オーヴェ ギタ・ナービュ エスペン・ションバルグ ヘンニー・モーアン goo映画情報より お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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