“At The Door of Memory”
Aubrey Rike, With Colin McSween,“At The Door of Memory”, JFK Lancer Productions & Publications, Inc., 2008.“With Colin McSween”という表記がある通り、Rikeさんの体験を、McSweenさんが文章に起こし、一冊にまとめたという作りの本。読み終えて、この本の全体を通じて印象に残ったのは、感情や感傷を抑えて、事実を淡々と記してくれている点だ。こうすることによって、Rikeさんが、あの日、ダラスで体験したことが、JFK暗殺という大事件(歴史と言っても良いだろう)の枠組みの中に、改めて、客観的に位置づけ直されるという結果になっている。この本の読者も、Rikeさんのあの日を、追体験できる。例えば、病院の廊下のベンチでの、Mrs. Kennedyの、“May I have a cigarette?”[p.50]全部で179ページの本書の内、99ページ迄が、McSweenさんの文章による、Rikeさんの体験。Rikeさんというかたは、自分を前面に押し出すタイプではないようで、この本を仕上げるにあたっては、McSweenさんが相当に後押しをされたようだ。その後に続くのが、David S. Liftonさんによる“A Tribute To Aubrey Rike”という章で、なんと 24ページ(pp.101-124)に亘っている。この点からは、“At The Door of Memory”は、三人の共同作品と言ってもよいだろう。ところで、Liftonさんの“Final Charade”は、未だ世に出ていないようだ。“The Great Zapruder Film Hoax”を読んだ際にも書いたことだが、このまま未完で終わるのかも知れない。