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2013.05.19
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カテゴリ:表沙汰
 歴史は繰り返す、などとも言うが、精神的に歴史が繰り返すかどうか、分かったら、歴史哲学の根本命題が全て解決するのである。
 歴史は繰り返す、という言葉自体なんとも抽象的で、広義的で、何とでもとれる言葉だが、いわゆるヘーゲル的な思想観のなかで、アウフヘーベンの思想を歴史に適応させたものを元に考えれば、繰り返すということも複雑な意味を持つ。
 などと、ヘーゲルの言うアウフベーベンって何ですかって倫理の先生に聞けば、「アウフヘーベンってのは、止揚のことだよ!」とか返事が返ってくるとかいう話も有名だ。ドイツ語の分離動詞auf/hebenは、"拾う"と"捨てる"という意味を持つという謎な語である。

 あるいは簡単に言えば、前進史観で「歴史は繰り返す」と言うか、世界の全ては意味が無くただ存在しているという歴史観で「歴史は繰り返す」と言うか、で全然意味が違って来るというだけである。ある意味で、アウフヘーベンの歴史観は前進史観のようなものである。専門家にとっては、アウフヘーベンを簡単に言えば、ということ自体ありえない話だろうが。

 ヘーゲル自体の歴史観は自分にはそれほど重要ではなく、ヘーゲルの歴史観をシュタイナーが再解釈したのでは、というところが重要で、ヘーゲルも十分神秘学的な側面が多いが、シュタイナーはより具体的なそれへと移行した、と信じたいだけなのである。
 結局、逆説的だが、自分は哲学を学ぶというよりも、自分と同じ哲学を持った人を歴史上に探したいだけである。そういう意味では、いわゆる学者のしていることの真逆だ。
 新しくモノを言わぬ既に死んだ人の権力とは絶大なのだ。それに、既に昔に死んだ人の言った事の意味など、誰にも一生分からないから、一生議論していけるのだ。

 歴史が繰り返されるかどうか、に重要なのは、「昔の人と今の人は同じ気分/感覚/常識を持っているのか?」ということだ。物質的な常識に大きな差異があるのは瞭然だ。
 暖かい家を建てる技術が確立されることや、ジャガイモがヨーロッパで栽培が可能になることや、次第に入浴の習慣がなくなることなど、そういったことが一番歴史的出来事をつくる根本なのだから、当然だ。

 全ての文献は、昔の人の書いた事を、今の気分/感覚/常識で解釈されるのだ。そういう意味では、昔の人の気分/感覚/常識とのずれが、今との正確な解釈におけるズレになる。
 では今の気分/感覚/常識、から脱するにはどうすればよいのか?それはもう何か仏教的な修行でもするしかないだろう。幸いにも、仏教は修行的な側面においてそれを目指していたんだから。"学"をすてることでもあるから、"学"者にはつらいだろうか?

 占星術の、土星の先の惑星、"無意識"の象徴である、ウラヌス、ネプトゥヌス、プルートは、その軌道の遅さから、"世代観"をつくるという。例えば、今のネプトゥヌス*プルートは、1900年代から今迄ずっとその"相"を持つ。1900年代の人から今迄の"気分/感覚/常識"ということだ。そして例えば、自分が生まれた1988周辺の1~2年は、サトゥルヌス合ウラヌスである。これが1988周辺の1~2年の"気分/感覚/常識"とも言える。

 この論理からすれば、その時代の"気分/感覚/常識"たるZeitgeistがそれのようなきもする。ともすれば、この惑星の相ごとに、時代の風潮はほんのわずかでも変わっていくのだろう。
 この"無意識"の象徴3体は、おおよそ"無意識の発見"の時代に見つけられた、ということとも関連付けられる。革命も意味するウラヌスの発見年代はフランス革命とも関連付けられる。

 昔の人には、この3体の意識はなく、今の人の考える"無意識"がなかったのだろうか?あるいは、今の人にとっての外惑星、例えばセレス(デメテル)、パラス(アテナ)、ジュノー(ヘラ)、ヴェスタ(ヘスティアー)、がそれほど意識されていないように、この3体がそれほど意識されてないだけであったのか。

 それが、歴史は繰り返すのだろうか?の探求なのだ。細かく言えば、繰り返している事は必ずあるし、繰り返していないことも必ず存在するように思える。なぜなら論理的に次ぎの時代は前のメタである。最も古いものは、その循環のうちに忘れさられるが、前の時代は必ず次の時代の前提ではある。

 なので、人間の"気分/感覚/常識"は、その時代ごとに支配されているのだろうか?という運命論と自由論のせめぎあいが、最大の命題のようにも思える。






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最終更新日  2013.05.20 11:08:58
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