転機を求めていて、
というか、転機がないともう何もかもだめだみたいに考えて、

何か熱心な宗教者が、
翻訳された聖典に載ってる神が出現する日を
ずっと待っているのと、
たいしてそれはかわらない。
僕のほうが、より抽象的なだけで。


漫画とかの決して負けられない戦いにおいて
絶望的なことに、相手にこてんぱんにやられて
次のページで、戦況をひっくり返す救世主を待ち望む展開、
その展開、そのまま、また来週！
希望をちらつかせる次回予告！
でもその来週がやってきても、また来週！
さらに来週がやってきても、また来週！がずっと続く、
何週間も、何週間も、
また来週！また来週！
戦況はずっと悪いまま、永遠にまた来週！で終わりが来ない。

そうやってスケジュール表を一個一個潰していくだけ。
希望がないまま、体力だけがどんどん削られていく。
これは漫画じゃない、現実だぞって誰かがささやく。

ちょっと転機を匂わせる出来事があると
でも、それが終わってから、特に何もなくて
また逃れたい日常が続く事を恐れて

あるいは、今の日常よりもひどいものを経験して
この世で最も甘美な転機はただの骨折り損のくたびれ儲けで
この逃れたい日常のほうがましだなあなんて体験でしかない
そんなようなことも恐れて

救われたと思ったら別にそんなことなかったぜ、という贅沢病。