wastus
私たちが唯物的な理性至上主義を賢いことで、教育されるべきこととしたところでそれが達することができる結論は、ただひとつ、私たちにとって最も素晴らしいことはなるべく早く安楽死して、なるべく早く人類すべてが絶滅することその結論にしかたどり着かない。唯物的な理性至上主義では、偶然、つまりこの世に何の目的もないという虚無性がこの世の絶対的真理だから、辛い経験も報われるとは限らなくてそこに何の意味もないのだ。だから、そんな報いのない経験をする前に死んでしまうのがよいのだ。唯物的な理性至上主義では、なぜか死んだあとなんて何もわからないはずでただそれに口を閉ざしているだけのはずの割に死後も世界があるということも何の根拠もなく否定しているから死んでしまえば感覚もなにもない、すなわち苦もない。だから、死ぬ痛みすらなく死んで、なるべく皆そうなればいい。人を生めば、新しい苦が生じるから、誰一人として生きていないほうがいい。それが現代常識を盲信することで得られる答えだ。私たちが生に意義を見出せるとしたら、非唯物的な非理性至上主義だけだ。この世の苦労に対する物理法則を超えた報いを信じられるならば苦労する気力すら生まれるだろう。現代はそれを全否定されているから、気力自体をそがれる。ただ、真実としてはこの世はなんとでも語りうるから何でも否定できるし、何でも肯定できる。だから不安なのだ。それが不安なのだ。