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2005.09.04
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カテゴリ:ヨーロッパ映画
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【この映画について】
パリを舞台にした三文役者と不治の病を抱えた一組のカップルの心境の変化を描いた作品だ。
パリのメトロ(地下鉄)で偶然席が一緒になったことをきっかけに知り合う。やがて二人は恋仲となるが、或る日恋人に衝撃の事実が待っているのだが。ここから境にして男と女の恋愛感の違いが徐々に出てくるので、その辺を観て欲しい。
【ストーリー(ネタバレなし)】
売れない俳優のアントワーヌ(ジュリアン・ボワスリエ)は33歳になって、結婚を決意し精神カウンセラーのもとを訪れてそのことを告白する。
一方TGVで働きながら詩人を目指しているクララ(ジュリー・ガイエ)とアントワーヌは、メトロで席が一緒になる。アントワーヌは筆談で彼女を誘うが、クララが駅で下りる際に電話番号のメモを渡す。
ここから二人の交際がスタートすることになるが、二人はあっという間に打ち解け合って直ぐに恋仲に発展する。アントワーヌのアパートにTGVでの勤務を終えたクララは制服も着替えないで直行し、二人で愛し合う。
アントワーヌには姉のマリアンヌや友人のアランと共に食事をし、その際にクララの話を聞いてチョッと嫉妬する。クララが乗車中にお客さんからよく声を掛けられると言った言葉に敏感に反応した。姉はクララに対して「弟は、話すときは自分のことばかり」と言って場を取り繕った。
クララはアランの勧めもあって安月給を補填する意味で、テレクラのバイトをすることになる。これは予め恋の秘め事を台本どおり録音して、電話してアクセスした分を料金として徴収するシステムだ。クララはこの実の入りのいいバイトに夢中になるが、アントワーヌは恋人がテレクラのバイトをすることに抵抗を感じている。この頃から二人の間には微妙な感情の行き違いが芽生えてくる。
遂に喧嘩にまで発展した二人だが、アントワーヌが謝りその場は収まった。
そして二人は結婚を意識し始めるが、クララが会社からの要請でHIV検査を受けた結果「陽性」と判断された。激しく動揺する二人だが、アントワーヌはクララの現実を受け止めることが出来ない。馴染みのバーで話し合う二人だが、相変わらずアントワーヌは自分のことしか話さない。陽性反応が出て彼の話なんか上の空なのに、彼は慰める言葉もかけない。そんな彼に失望したクララは彼の元を去っていった。
そんな時に昔の彼女にあったり、俳優を目指して以来疎遠になっていた父の元を訪ねてアドバイスを求めたりした。心を落ち着けた彼が、それから取った行為とは。
ここから先はネタバレになるので明かせません。クララのことが理想の女性として忘れられない彼が、果たして今後とる行動とは?クララは再び彼を受け入れるのか?彼の話に聴く耳を持つのか?彼女はHIVに対してどういう風に生きていく決心をしたのか?こうしたテーマを参考にここから先は映画館かDVDでご覧下さい。
【鑑賞後の感想】
恋に奥手な33歳の三文役者と、TGVで働きながら詩人を目指す女との出会いがメトロの車内だった。だが実際に恋にオープンなイメージの有るフランス人でも、あんなにシャイな男が居るのかと思った。またクララ役のジュリー・ガイエは小柄な女性であり、グラマラスな肢体を売り物にする女優とは全く正反対の日本人的体格の女優だ。ガイエのラヴ・シーンも何度か登場するし、胸やお尻もアップで映るがやはり平凡な胸よりお尻の方がしまりがありそうだ。チョッと女優をこういう視点で書くのは嫌だけど、あえて書かせてもらった。
ストーリーの中心はパリ市内で、四季の美しい市内の映像や下町の様子が随所に描かれている。映画の大部分がこうしたロケ中心なのは、ロケ映像を観るのが好きな私としては嬉しいのだ。
前半の恋に陥るまでのシーンは観ていてホノボノとするが、HIV検査で陽性反応が出てからの中盤以降は重たくなる。ここから最後のシーンに至るまでは、フランス人男女の恋愛感なのだろうか?恋に対して正面を向き合えない未成熟な33歳の俳優と、恋人に傍に居てもらい励まして欲しかったのに捨てられたと思う女。その行為を悔いながらもよりを戻したいと思いながらも、無情な行為に出る女。この辺は男女の恋愛感の違いが、時には残酷に感じた。





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Last updated  2006.06.13 22:09:52
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