テーマ:ひきこもりの様々なカタチ(20)
カテゴリ:引きこもり・AC・鬱・トホホなメンタル話
新潟NPOネットの企画する事業「ニート支援団体ガイドマップ」の取材として、柏崎市にあるとあるNPO法人の施設を訪問した。 ニート・ひきこもりだけでなく、様々な理由から自立できない若者に団体生活を通して社会参加・自立を促していく施設だ。社会参加、ひいては自立を求める気持ちを明らかにしているひきこもりやニートの人たちには、このような支援活動は欠かせないものだと感じる。 ひきこもりやニートという状態は、誰よりも当事者が、そして家族が不安に感じ変化を望むものであることは間違い無い。オレ自身かつてひきこもりをやめるに際しては、他の誰かからの働きかけが無ければ家から出ることすら覚束なかったので、変化を望む当事者の意識を確認し、当事者自身がその必要を認め明らかにする機会は適宜与えられてしかるべきだと思う。 「だけどやはり、本人が変化を求める気持ちを心から認めなければダメなんじゃないのかなぁ...」 と、思う。 「ひきこもり。ダメだよね。外に出なくちゃね。自立しなくちゃ。さぁ、さぁ...」 ...みたいな。かつてひきこもっていた頃の自分がそういう姿勢で接しられたらかなわないかなぁ、と感じてしまう。 断っておかなければならないのは、今回取材に行った施設がそういう方針だというわけではない、ということ。「自立援助の施設」からの連想で、「ひきこもり」の「更正」のための活動や支援って...と考えるきっかけを与えられたに過ぎない。この点、誤解の無きように願いたい。 本人が望む限りにおいて、かつ、その意思を明らかにしている限りにおいて、社会参加や自立の支援は有効なのだと感じる。これは、かつての経験者としての実感。一方で、「ひきこもり」という「状態」を解消していくための支援というものも欠かすことのできないものだと感じる。当事者は心の内にその必要を常に感じていると信じるからだ。「何もかも自分ひとりでできなければ・やらなければならない」という想念が、ひきこもり当事者を縛り付けている面は否定できずあると思う。自ら望んで他者からの助力を求める、という心の変化が、どのようなかたちであれ本人の望む生活のかたち(ひきこもっている/いないに関わらず)を手に入れる重要な一歩になることだろう。ここでもまた、「本人の意思」にあくまでこだわりたい。これもやはり、かつての経験者としての気持ちだろう。 本意・不本意に関わらず、生活の変化の中で「これで精一杯の自分」を感じて受け入れ、そこに自分自身への可能性を求める気持ちが備われば、それでいいのかもしれないとも思う。実際、オレがひきこもりをやめてから社会参加していく道程はそのようなものだった。一旦家から出ることをおぼえ、その後に「何かできるかもしれない自分」を感じることによって次の一歩、また一歩を踏み出していけたのだと思う。 結局、当事者の利益にさえなれば道は幾筋あってもいいのではないか...と思った。是々非々を問う気持ちは無く、それぞれの立場から良かれと思うことをしていくことしかできないしな、と。 その一方で、今ひきこもっている人に「さぁ、外へ出よう!」とは決して言えない自分をはっきりと認識した。 『ひきこもっている/いない』という違いは、オレにとってはとても些細なこと。『たった今その人が生きている』それだけで尊くありがたいことだと他ならぬオレ自身がそう感じたい。そして、本人にもそう感じてもらえたら、これほどうれしいことはない。願うのはただ、『心穏やかなれ』ということ。どんな人にも、『今のままの自分で充分』と、そう感じてもらえたらどれほどいいか。自己否定に縛られて動けなくなっていたかつての自分自身を思い出すほどに、そう願わずにはいられないのだ。 最近のいろいろなできごとのおかげで、結局自分のやりたいことはそれなんだって確信することができた。「ひきこもりって恥ずかしいことでもいけないことでもないよね」って、そう訴えながら、ひきこもりというかたちにとらわれずに、その人ひとりひとりの在り方に目を向けていきたい。 ひきこもりの人たちと関わるってことで、主にご家族の「外出や社会参加を促してほしい」という要望にも応えなきゃならんのかなw と何気にずっと感じていたのだが、本人の意思が伴わない限りそれはオレにはできないし、やりたいことでもないやって気付いた。気付いたら、楽になった。 「今のままでいいんじゃん」の気楽さ。すべてはそこから始まってほしい。毎度のことながら、誰よりも他ならぬ自分自身に対してそう願っていることは、今更言うまでもないのだが...。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007/02/28 01:33:05 AM
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