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マックの文弊録

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2005.11.06
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◇日曜日:旧暦十月五日 甲午;
水上の「野菜釣り」

曜日に群馬に行き、帰りは日曜日になった。
朝ちょっと寄り道しようと、国道291号線の水上温泉傍の道の駅「水上紀行館」に立ち寄った。
この付近には湯治などで訪れた文人歌人の歌碑が多い。水上紀行館の辺りには、与謝野晶子の「岩の群おごれど阻むちからなし 矢を射つつ行く若き利根川」や、その夫与謝野鉄幹の「その奥に谷川岳の雪ひかり 半ば若菜に隠れたる橋」更には、原一雄の「越後より吹き来るかたに聳えつつ 雪に耳伏す 耳二つ岳」(「耳二つ岳」は谷川岳の古称)などの歌碑があるそうだ。
道の駅には淡水魚水族館も併設されており、トンネル水槽や、利根川水系の魚の展示など、中々ユニークな設備のようで、ちょっと食指が動いた。

ころが、道の駅に乗り入れて駐車しようとしたら、異常な混雑で車を駐める場所が無い。かなり広い駐車スペースが全て車で埋め尽くされ、隣の空き地にまで車が駐まっている。何事かと思ったら、朝市であった。どうも日曜日毎に開かれている行事らしい。

里芋の親株などがゴロゴロ置かれているのは、何となく群馬らしい。「リンゴの皮むき大会」といって、一番の長さに皮をむいた参加者が、「一等賞!」といってお醤油のペットボトルを賞品で貰ったりしている。音楽やお囃子が鳴っているわけでもない。ひたすら地場の産品を並べて売る、ごく真っ当な「朝市」である。

来ている人たちの様子を見ると、温泉客ではなく、殆どが地元の人のようだ。折からの薄ら寒い曇天は、秋を通り越して最早冬の様相である。こんな寒い、しかも日曜日の朝にこんなに大勢がやってくるなんて、この辺の人たちは他に楽しみが無いんだろうかと、余計な心配すらしてしまう。

ごみで賑わう一角、水族館の前の広場で「野菜釣り」というのをやっていた。
夏になると庭先に置く大型ビニールプールのような中に、青色のシートを敷いてそこにスーパーのポリ袋が幾つも投げ込んである。それぞれを見ると、白菜が一株丸ごと入っていたり、里芋がごろごろ入っていたりする。お金を払うと、「釣り竿」が渡される。親指くらいの太さの木の枝の先に結び付けられた紐の端に大きな釣り針がついていて、これでポリ袋の取っ手の部分を引っ掛けて、文字通り野菜を釣るのである。

馬鹿馬鹿しいようなものだが、やっている人は至極一生懸命である。要領のいいのは、白菜の入った袋を釣った後、そのまま里芋の入った袋も引っ掛けて、一度に二つもの獲物を釣り上げたりしている。縁日の水風船釣りとは違って「外れ」はない。必ず釣れるまでやっていられる。
それにしても、あんなに沢山の野菜を持って帰って食べきれるんだろうかと思うが、それは核家族化してしまった都会の人間の余計な心配なのだろう。

前の晩には一家総出で、畑で取れた野菜をポリ袋に詰めて朝市のための用意をしたのだろう。そういう様子を想像しつつ、目の前で一生懸命の釣り人を見ている内になんだかほのぼのとした気分になった。





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最終更新日  2005.11.08 18:42:11
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