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マックの文弊録

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2006.02.01
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カテゴリ:小言こうべえ
◇ 2月1日(水曜日); 旧睦月四日 辛酉; 越前永平寺涅槃会摂心

心とは禅の言葉で、「心を集中させる」という意味である。転じて坐禅。雪深い越前の永平寺では、今日から七日までの一週間、坐禅三昧になるのだそうだ。
こちら俗人は、亡き父の御霊を永代供養にお預けした名刹の摂心であっても、せいぜい越前蕎麦を思い出して唾を飲み込む程度の信心者だから、若き修行僧の真摯さを思えば畏れ多いことではある。

近符牒を合せたように、規則を軽んじて営利に走った企業の失態が幾つも注目を集めている。
何はともあれ一番目は、自らの企業価値を高く見せ過ぎてしまって、資本の逆流現象を起こさせた方である。この御仁は今や小部屋に留め置かれて、それまでの贅とは打って変わった質素なお食事に、それでも健啖ぶりを発揮されていらっしゃる様子。今やかつてとは違う形でのマスコミの食い扶持をせっせと提供なさっている。しかし質素な食事と規則正しい生活は、かの御仁の体形の改善には効果があるのではなかろうか。そうなれば、彼の健康のためにご同慶の至りではある。

番目は、お上からお墨付きを戴いたら、もうそれで用は済んだとばかりに、どんどん改造を進めてお金を産む部屋を増設してしまったビジネスホテルの社長さん。
この方のインタビューは僕には面白かった。悪びれる風も無く、「済みません。条例違反をしました!・・・まぁ、時速60キロ制限の道路を67~68キロくらい出しても良いかなって、走っちゃいました!・・・」白状すると、僕はこのおじさんの発言はなんだか江戸っ子の開き直りみたいで好きだ。
そうしたら、どうもこの発言が大顰蹙を買ってしまった。ある身障者の方が、「この社長は自分が車椅子生活になった時に、自分のホテルに泊まれないとなったら、どう思うのでしょうか?聞いていて憤りを通り越して悲しくなりました。」とおっしゃった。時々足に発作を起こして、俄か身障者になってしまう僕としては、お気持ちはよく分かる。実際公共の施設のおためごかしの対策は、ちっとも親切などというものではない。しかし、この社長は、自分が車椅子に厄介になるようになったら、さっさと自分のための施設を作ってしまうのだろうな。「わが身に降りかからなければ、人の痛みは分からない。」何の事は無い、ごくフツーの御仁なのだと思う。
そしたら天下の大新聞のコラムにも、「この身障者の方の言葉は重く、それに較べてこの社長の言葉はいかにも軽い。」という主旨の文章が書かれていた。あたかもこの社長のおじさんが、軽佻浮薄、倫理にもとり弱者をないがしろにする悪玉の如きである。

うかなぁ。ただこのおじさんは正直過ぎただけだと思うのだけど。制限速度の話はまさに良い例で、あのおじさんの発言に、或は善人ぶって声高に糾弾する、或は柳眉をお逆立てになる、我国のドライバー男女諸君の一体何パーセントが制限速度通りに走っている事だろうか。又一方で軽微な条例違反だからと、心に言い訳しながら隙あらば犯し、卑近にはシルバーシートを占拠して寝たふりを決め込んでいるような連中(つまりは僕を含む殆ど全ての我が同胞たち)が、事他人の落ち度が明らかになると途端に賢しらだって雷同糾弾する。これは、多数を頼んだ卑怯というものだろう。
それにあのおじさんは、「二ヶ月以内にちゃんと条例に沿った形に直します。」ともお約束なさった。「反省すべきは反省し、正すべきは正します。」つまりは、普通の日本語に翻訳すると「何もしない」という意思表明でお茶を濁してしまう某政治家たちより、よほど潔いではないか?

番目は、廉い住処を提供しますと言って、ヤワな建物を作ってしまった会社の社長さん。
このおじさんは、最初に議員諸侯の列するお白州に引き出された時には、強面で怒鳴ったりなさっていたのが、改めてのお白州では、一転ヘアスタイルまで変えてしまい、やたら気弱な健忘症に大変身なさった。僕なぞ最初の内は同一人物だと気が付かなかった位だ。
この方は、当初の大言壮語の反動で会社は破産申告を求められ、自己資産は¥7千6百万何がしと、インタビューにも哀れを留める。しかし、一方で、構造欠陥を通してしまった行政相手に訴訟を起こしてもいらっしゃる。そしたら所管大臣である弱小与党政党出身の御仁の曰く、「住民の皆さんの心情を思えば、訴訟なんてやってどうするのだ。訴訟の印紙税だって高いのに。そんな金があるのなら補償に回すべきだろう。」
そうかなぁ。行政府の長たる大臣がそんな事を云っていいのかなぁ?大臣としてその発言は無いだろう。これは言い換えれば、「ズルをしたのだから、罪深き身としては何も発言権は無い。ただひたすら腰を低くして罪を償っていれば良いのだ。」ということだ。しかし、凡そ特殊な場合を除いて、世の中は白黒、善悪を単純に決する事ができるのは稀である。ズルをしたのは悪いが、ズルを見逃してしまった方にも責任はある。「あの時ちゃんと法に照らして止めてくれれば、あんな事はしなかったのに。」というのは、盗人の遠吠えだとしても、訴訟によって本質に立ち返って黒白を争う事で、法制度の欠陥もあるとすれば明らかになる可能性が生じる。それに何より、訴訟を起こすのは万人の基本的な権利である。
そう考えるとこの大臣の発言は、極めて品格に欠ける。いっそ大衆にひたすらおもねる危険思想とすら云える。そうではないか?

まぁ、最近どうも色々引っかかる事が多い。特に社会の運営に際して大所高所から見識と責任を持っているはずの大臣、そして「世論」というものに責任と権威を持つべきマスコミの発言には、耳を疑ったり、愕然としたりする内容が急増しているように思うのだが。
それとも、僕自身が本格的に「小言こうべぇ」になりつつあるに過ぎないということなのだろうか?






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最終更新日  2006.02.02 19:53:24
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