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マックの文弊録

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2009.08.12
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カテゴリ:小言こうべえ
◇ 8月12日(水曜日) 旧六月二十二日 戊子(つちのと うし) 先負: 徳島阿波踊り

今日は素朴な疑問を書いてみる。話題が話題だけに、匿名のブログであっても筆禍を招くかも知れない。それでも・・・・
などと思わせぶりな事を先ず書いておいて、例によってちょっと寄り道。

プリ選挙戦のドタバタ劇に、長州地方の大雨、それに台風や地震までも来て、東名高速も壊れ、まことに騒がしい事であった。その中で大原麗子さんがお亡くなりになった。不整脈による出血死だった由。逝去されたのは8月3日だったそうだ。
彼女は、僕でも無論お名前は存じ上げていたが、「男はつらいよ」のマドンナ役で拝見した程度で、特にファンなどというわけでもなかった。しかし、何となく何時も微笑んでいる女優さんだという印象があり、好感を持っていた。
享年62歳ということで、調べさせていただいたら、彼女がお生まれになったのは昭和21年。少しお姉さんだけど僕と同じ団塊の世代だ。なんだ、我が同志ではないか。
聞けばギランバレー症候群という難しそうな名前の神経性の病気と闘っていらした由。闘病の姿を世間に曝す事を潔しとせず、往時の美しい記憶を衆人に遺したままで、卒然とお去りになった。まことに団塊の世代の矜持だと拝察申し上げる。
随分遅ればせではあるけれど、美しくも誇り高い同志のご冥福をお祈り申し上げます。合掌。

さてそろそろ本題に向かいます。
同じ頃、少し遅れてノリピーのニュースが飛び交い始めた。
始めの頃は亭主が麻薬不法所持で逮捕されたのにショックを受けて、子供を連れて行方をくらましたという内容で、どちらの報道も身の上を案じる基調であった。
山梨県の身延町からノリピーの携帯電話の発信が確認されたと聞いた時は、「へぇー、聞いてはいたけれどそんな追跡が現実に出来るのだ!」と感心し、思わず「僕も気をつけなくちゃ!」と思ったものだ(!?)。

それが、時間が経つにつれて段々騒ぎが大きくなり、逃亡の可能性が取り沙汰されるようになった。彼女の自宅で微量の麻薬が吸引具と共に見つかった時も、脳天気な僕は「安否が心配されても、身柄の捜索に強制力はない。だから逮捕状を請求してノリピーを早く保護しようと云うのだな」と、逮捕状はいわば方便なのだと考えたものだ。

そうしたら逮捕状を機に、報道の基調もそれまでの心配や同情からがらっと変わった。いきなり「容疑者」という肩書きが付くようになった。彼女の生い立ちや過去にまで遡り、あれこれつつき出しては、視聴者から「やっぱりねぇ!」という反応を導き出すような雰囲気が強くなった。
「掌を返したように」。全くその通りの有様だった。

民放のニュースやスポーツ新聞などは、いつも通りの事だから別に異とは思わない。その積りで観たり読んだりしているから、此方にもそれなりのフィルターも用意できている。
しかし、がっくりしたのはNHKだ。これが全く民放と同じ報道の仕方なのだ。ニュースの背景映像に過去のノリピーの栄光の映像を無音声で延々と流すところまで同じだ。民放と違うのは、大河ドラマに彼女が出演したときの映像があった事と、コマーシャルブレイクが入らなかった事くらいだ。

いつからNHKは芸能ニュースメディアになってしまったのだろう。たかが(といってはノリピーには可哀相だが)一芸人の不始末を、トップニュース扱いで、しかも民放と同じような軽いノリで時間を費やして、NHKが大々的に報道するか!?クサナギ某が真夜中の公園で真っ裸になった時にも同じ事を感じたが、NHKたるもの、公共放送としてのあり方と矜持を何処かへ捨ててしまったようだ。

民放はスポンサー企業のお金で放映しているのだから、報道にもバイアスがかかるのは想像できる。それに、視聴率を上げる事が「営業」の大目的なのだから、視聴者の歓心(これは「関心」ではなくて「歓心」と書くべきです)を買おうとする姿勢も理解できる。(しかし、少なくとも報道面では納得しない。)
しかし、NHKは公共放送だろう。公共放送の使命としては、企業利害からは独立して、国民の利害という観点から放映なり報道なりをすべきだろう。更に言えば、国民の関心(これは「歓心」ではなくて「関心」ですね)に応えられる事実関係を「クールに」網羅し、時にあり得べき判断の選択肢までを示すべきものだ。
それが民放と同様に歓心に応える事に終始し、あまつさえ歓心を煽るようなことを延々と続けるとは何事か!
・・・と、此処までは承前です。

ところで、ノリピーはそんなに「重罪人」(未決だし、告訴はされていないだろうから正確には容疑者だけど)なのだろうか?

ノリピーの逮捕容疑は麻薬取締法違反だそうだ。この法律は昭和28年に施行されたもので、今では「麻薬及び向精神薬取締役法」と呼ばれ、大麻取締法、覚醒剤取締法、アヘン法と共に「麻薬四法」と呼ばれている。この法律は、「麻薬及び向精神薬の輸入、輸出、製造、製剤、譲渡し等について必要な取締りを行うとともに、麻薬中毒者について必要な医療を行う等の措置を講ずること等により、麻薬及び向精神薬の濫用による保健衛生上の危害を防止し、もって公共の福祉の増進を図ることを目的とする法律である。」と第一条に記されている。

ちょっと待てよ、この条文の中の「麻薬及び向精神薬」を「煙草」とか「酒類」に置き換えて読んでみよう。
そうすると、ちゃんと意味が通じるではないか!
なんだ。どう見てもNHKも含むマスコミがこんなに大騒ぎするほどの重犯罪ではないじゃないか?

・・・以下は僕の「常識」に基づく「素人見解」です。異論反論、或いはご教示をいただく事には吝かではありません・・・

犯罪とは何だ?要するに法律に違反する行為の事だ。そんな事は子供だって知っている。
そうすると法律とは何だ?その主旨は、上の条文の中にも書かれている通りだ。これをもう少し敷衍してみると、「社会全般に行き渡るルールを定める事によって、それを犯す者に対して必要な取締りを行うとともに、加害者及び被害者について必要な措置を講ずること等により、市民生活上の危害を防止し、もって公共の安全と福祉の増進を図ることを目的とする。」ということにでもなろうか。そして、法律に対する違反行為、つまり犯罪の本質は「他人の利害や権利、或いは安全に危害を及ぼす」ところにある。
そうでしょう?

そうすると、ノリピーが麻薬を所持していたこと、それを自分も吸引していた疑いがあることは、麻薬取締法に違反するから犯罪ではある。犯罪ではあるがそんなに「重罪」とは思えない。彼女はこの法律に違反する事で誰かに「危害」を及ぼしたのか?

調べてみると日本の麻薬取締法も、アメリカのそれも、元々は医療分野で用いられる劇薬の一種である麻薬の取り扱いに対して、それが不用意に専門家でもない一般市民に流出濫用されるのを防ぐ目的で作られたものらしい。アメリカでは現行の法律もその傾向を強く持っているが、日本の法律では規制の面が強く、薬剤も「麻薬」と指定されていると事実上使えなくなってしまう。その余波で麻酔銃に必須の薬剤が使えなくなり、獣医師や動物保護に携わる人が大変困っているそうだ。
要するに、麻薬とは本来「特別な免許を持たないと使用できない薬物」だということだ。

そうすると、ノリピーはいわば無免許運転をしたと同じ程度の罪状なのか?しかし、無免許運転は他人に危害を与える可能性が大いにあるのに対し、麻薬の服用は彼女自身のリスクでしかない。

麻薬は若者や子供たちにも深刻な影響を及ぼすという事もあろう。それなら、それの流通の阻止に力を入れることが本来だ。今回も「誰か外国人から買った」のだそうだ。だったら、売った側の外国人をもっと追及すべきだ。そうじゃなかろうか?

次に、麻薬は非常に高額で取引される。
だからそれが国内では暴力団の資金源になる。それを防ぐための意味も麻薬取締法にはあろう。
国外或いは国際的には、軍国主義国家やテロリスト集団の軍備資金にもなる。それは国家及び国際安全上の大問題だから、大いに厳しく取り締まらなければならない。そのための国際間の取り決めもあり、国内では法律もあって、これは麻薬四法以外に「麻薬特例法」として定められている。
しかし何れにしろ、ノリピーのような「末端容疑者」を大々的に取り上げて過去や現在の私生活まで暴くような事には繋がらない。

麻薬四法+麻薬特例法の主旨をまとめると、「麻薬は造らない、使わない、持ち込ませない」ということになりそうだ。これも同じような言葉を何処かで聞いたことがある。
先ほどは麻薬を煙草や酒類に置き換えてみたが、こんどは「核兵器」に置き換えてみれば、これは「非核三原則」と同じだ。

非核三原則は、1967年12月11日の衆議院予算委員会で、当時の佐藤栄作総理大臣が、わが国の最高議決機関である国会に提示した。これは更に、1978年5月23日に衆議院で、第1回国際連合軍縮特別総会に関して、「非核三原則を国是として堅持する我が国」という表現を含む決議として採択された。
また、同様の表現を含む国会の決議は、核軍縮に関する衆議院外務委員会決議(1981年6月5日)、第2回国際連合軍縮特別総会に関する衆議院本会議決議(1982年5月27日)及び、参議院本会議決議(1982年5月28日)でされている。
つまり、これは法律ではないが、国が海外を含む公に示した「国是」である。

ところが、それに反するような事を平気で公言する政党のリーダーや、立法府議員候補者がいる。法律ではないから犯罪ではないか?

日本にやってくるアメリカの軍艦や飛行機が、どこかでちょっと核兵器だけを預かってもらってくるなどということを考えられないのは常識なのに、これにはマスコミは何処も余り関心が無いようだ。
兵器に関しては日本の様々な企業が直接間接に係るものであるから、民放が無関心を装うのは未だ分かる(分かるのであって納得している訳ではない)。しかし、何処の企業とも、時の政府権力とも関係が無い(はずの)NHKが、こんな大問題をいつも等閑に付している様子なのはどういうことか?

8月はかつての大戦に係る行事が多いし、もうじき日本が無条件降伏をした記念日もやってくる。オバマさんのああいう演説も話題になっている。
そういう時期だ。ノリピーを追っかけるよりもっと大事な事があるではないか?

何だか非常に気持ちも気分も悪いのだ。
第一ノリピーが可哀相だ。そうじゃありませんか?





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最終更新日  2009.08.12 12:56:03
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