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マックの文弊録

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2010.04.30
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☆ 4月30日(金曜日) 旧三月十七日 庚戌(かのえ いぬ) 先勝:

顧問先の会社の事務所が世田谷区内、多摩川のほとりにあるので、最近ちょくちょく出かけている。
最寄り駅は東急田園都市線の二子玉川駅である。
この駅名というか地名というか、「二子」というのも、「玉川」というのも、私の心に何となく引っかかっていた。二子玉川の駅のある辺りは、東京都世田谷区玉川であって二子という町名は無いのだ。

先ず「二子」である。これは「双子」ではなく「二子」と書く。
これは元々多摩川の対岸、川崎市高津区の地名だが、その辺りに二子塚古墳というのがあった事に因むのだそうだ。二子塚古墳は大阪の太子町のものが有名で、これは一説に推古天皇とその王子の陵墓だという。しかし、二子塚という名を冠した古墳は全国各地に沢山あるようだ。
川崎の二子塚古墳もその歴史は律令時代にまで遡ることができるらしいが、どなたのお墓だったのかは何処にも記述を見つけられなかった。

日本の律令時代は7世紀から10世紀頃の事を言うが、古墳が盛んに作られた3世紀から7世紀後半の頃とは7世紀の一時期が重なっている。
多分当時の人は、大元の二子塚古墳というのを聞き知っていて、それにあやかる形で近くの古墳にもそう名付けたのかもしれない。

何れにしろ、二子という地名は多摩川の対岸のものであり、現在も多摩川の神奈川側に二子新地という駅名がある。それが世田谷側の駅名にもなったのは、東急電鉄の前身である目黒蒲田電鉄が大井町線の開業にあたって対岸から借りてきたのだそうだ。二子は当時三業地として賑わう歓楽街であった。そこで、繁華な二子への最寄り駅という意味を込めたかったのだという。

次は玉川だ。
多摩川の源流は山梨と埼玉の県境にまで遡ることができる。その源流に近い上流域を「丹波川」と書いて「たばがわ」と読むが、この「たば」が段々に転訛して「たま」になったというのが、有力な説のようだ。充てる漢字については、流域で麻が良く採れた事から「多麻川」。昔流域のあたりを大国魂命(おおくにたまのみこと)が治めで居たので「魂川」。など諸説があるらしいがどうもこじつけめいて胡散臭い。
要するに「たば」が下流に行くにつれ、柔らかな音になり「たま」になった。それに、様々な趣向で適当に曰くありげな漢字を充てたというのが事実なのだろうとおもえる。
元来日本語には漢字が豊富にあるせいで、おなじ音に様々な漢字を充てる傾向があるのだ。

ところで、多摩川は奥多摩の山地から流れてくるから多摩川だとも考えられるのでは、という気もするが、これは逆で、奥多摩も三多摩も多摩川の流域にあるからその名が付いたと考えるのが正しい。私の住む埼玉県の「埼玉」も、「多摩地区の先(遠方)にある」から「さきたま」→「さいたま」となったのだそうだ。

因みに、「玉川」という名称は江戸時代にまで遡ることができるそうだ。多摩だろうが多麻だろうが、魂だろうが、「玉」という、簡単で縁起も良い字に括っておけば良いという当時の役人なりの合理的発想だったのだろう。
現在でも「玉川」はデパートや地名、施設などの名前に数多く使われている。「先(崎?)多摩」が「埼玉」となったのも、こんな理由かもしれない。

ところで、二子玉川という駅名は「ふたこたまがわ」と「こ」を濁らないで発音する。これは二子新地駅も同じだ。ところが、地名としての「二子」は「ふたご」と「こ」を濁って発音する。
これはいったい何故であろうか?
ハウステンボスがある長崎県佐世保市では、「させほ」と言ったり「させぼ」と言ったりまちまちだそうだが、土地のバスガイドさんに尋ねたら、「させほもさせぼも、ほぼ同じ」と答えたという話がある。「ふたご」も「ふたこ」もこれと同類なのかもしれない。





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最終更新日  2010.05.04 16:32:01
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