テーマ:まち楽ブログ(32350)
カテゴリ:山登り
※宮城県の山をご紹介するブログです。
今回ご紹介する山は「屏風岳」(びょうぶだけ)(蔵王町・ざおうまち)です。 県南西部の蔵王町遠刈田(ざおうまちとうがった)から山形県上山市に向かって蔵王エコーラインを登り,刈田峠の駐車スペースが起点となります。今回ご紹介するコースは県内屈指のトレッキングルートになっていることから,この駐車場は早朝から混雑が予想されますので,前日はお早めにお休みください。 エコーライン脇の案内板を確認し,県が最近立派に整備した木道を下っていきます。ウォーミングアップとしてとても気分のいい出だしで,お花畑の中を刈田峠の分岐へと至ります。この行程の魅力は何と言っても夏に咲き誇る様々な高山植物に出会えることです。シロバナニガナ,ハナニガナ,イワオトギリ,コメツツジ,オノエイタドリ,ハクサンシャクナゲを眺めながら西側に開けた前山山頂を通過します。さらに,シラネニンジン,ウスユキウ,オオカサモチ,ミヤマシャジンを眺めながら砂地の小広場となっている杉ヶ峰に至ります。 このコースの中にあってゆったりと休めるだけのスペースが確保されていますが,あまりに気分がいいはずなので,さらに足を前に運びましょう。ここからこのコース一番のおすすめの芝草平(しばくさだいら)へ下って行きます。 芝草平は杉ヶ峰と屏風岳の鞍部に位置し,広大な湿原のお花畑となっています。ワタスゲ,キンコウカをはじめ,ナデシコのようなピンクの長い花弁をもつ花など図鑑でもよく判別できない花が咲き誇っています。 その可憐な花たちをいたわり,西側に展開されている木道を進むと,芝草平の開放感のある,清々しい空間を満喫することできます。ここでリュックを下ろし,ゆっくりと写真を撮りながら休憩しましょう。目指す屏風岳は山頂が良く分からない横にだだっ広いお皿の格好をしています。右手奥に三角形の山容が見えますが,南屏風岳になります。 芝草平から徐々にお皿の真ん中を山頂目指して直登していきます。途中,烏帽子岳との分岐辺りは以前,泥状の道となっていましたが,現在は木道で整備され,登りやすくなっています。屏風岳の稜線に出ると,あとは本当に平らな尾根道を辿ることになり,ほどなく屏風岳山頂に至ります。 山頂は杉ヶ峰山頂と同様の小空間になっており,早朝にもかかわらず,先に着いたトレッカーたちが小銀座のように賑やかに休憩をとっています。 山頂は東に当たる宮城県側が開けており,左手,北東に烏帽子岳,前烏帽子岳,右手,南東に水引入道(みずひきにゅうどう),馬ノ神岳(まのかみだけ)が間近に迫っています。山頂で十分,1,800mクラスの景色を堪能してください。 体力に自信のある方は,南屏風岳さらに不忘山(ふぼうさん)へと足を運んでみてください。屏風岳山頂から不忘山山頂の往復は約2時間30分を要し,南屏風岳と不忘山のアップダウンがポイントになります。体力と十分相談しながら行動してください。ここは無理なく,芝草平を挟み,屏風岳山頂往復だけという,宮廷感覚で楽しめる,贅沢なトレッキングをおすすめします。 登山適期は高山植物初夏から初秋になります。全体的にとても開放感があり,しかもお花畑ありと,何もかも至れり尽くせりの満足できるコースですので,ぜひ足を運んでみてください。ただし,県内有数の高山となりますので,天気の急変をあらかじめ心して準備の上お出かけください。 標高:杉ヶ峰 1744m 屏風岳 1825m 行程:約4時間15分(休憩時間を除く。) 参考文献:「新・分県登山ガイド3宮城県の山」(山と渓谷社) 「山と高原地図7 蔵王・面白山・船形山」(昭文社) 行政管理室 T.M お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011.08.24 08:11:15
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