慶應生の街かど案内

2009/08/30(日)22:15

第16回 六郷用水跡

 大変ご無沙汰をしておりました。今年度も更新を行ってまいりますので、何卒よろしくお願い致します。  さて、今回ご紹介するのは六郷用水跡です。六郷用水は、多摩川沿いの地域に農業用水を供給するため江戸時代に開削された水路です。以来、第二次大戦期までの長きに渡って地域住民の生活に貢献してきました。現在では、東急多摩川線の多摩川駅から鵜の木駅にかけて、かつての流路に沿って遊歩道が整備されています。  多摩川駅から東急多摩川線に沿って歩き、中原街道下のトンネルをくぐると遊歩道が始まります。三菱山と住宅地に挟まれた流路には丸々と太った数多くの鯉が優雅に泳ぎ、ここが都内であることを忘れさせてくれます。春には流域に植えられた桜の木々が見事に開花して、多くの人で賑わっています。5分ほど歩いたところにある寺院「東光院」の近くでは、ミニチュアの足踏み水車や日光浴を楽しむ亀などを楽しむことができます。  東光院を出ると、一旦流れが非常にゆるやかになります。水路の近くには湧水地を覆うあずまやがありますが、あまり水量は多くありません。また、人工の小さな滝があり、岩の上から水が流れ落ちる様は一服の清涼感を与えてくれます。  密蔵院の近くで再び豊かな流水を取り戻した用水は、多摩堤通りから一本入った閑静な通りを鵜の木の方向へ流れていきます。線路を挟んだ反対側を流れる多摩川は散歩コースとして有名ですが、たまには六郷用水に沿って、さまざまな発見をされてみてはいかがでしょうか。  次回の更新は来月を予定しています。

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