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テーマ:気になったニュース(31013)
カテゴリ:刑法、犯罪学・刑事政策、犯罪心理学
どうも賛否両論あるようですが・・・このニュース。
「防衛庁官舎ビラまき事件に逆転有罪判決…東京高裁」(読売新聞 2005年12月9日) 「一審無罪判決破棄、被告3人に罰金刑 立川ビラ配布訴訟」(朝日新聞 2005年12月09日) 「市民運動家3人に逆転有罪 『他人の権利侵害許さず』」(産経新聞 12/09) 「判決によると、3人は2004年1月17日、自衛官が住む官舎敷地内に無断で立ち入り、『自衛隊のイラク派兵反対』などと書いたビラを各戸のドアの新聞受けに入れた。高田、大洞両被告は2月22日にも、ビラを投函した。検察側は1審で3人に懲役6月を求刑していた。」(上記読売新聞)という事件だそうです。 一審判決文は<こちら>です。(裁判所ホームページより) 構成要件には該当するが、違法性があるのかどうかというところで争われたようです。 一審では、住居侵入罪の構成要件には該当するとしながらも、「政治的表現活動は商業的宣伝ビラ配布より優先」「動機は正当で、被害の程度も極めて軽い」として無罪としています。 「高裁判決はまず『政治的意見の表明が言論の自由で保障されるとしても、管理者の意思に反して立ち入ってよいということにはならない』と指摘。『立ち入り禁止の掲示板を表示した後や、居住者による抗議を受けてもさらに同じ行為を繰り返すなどしている』とし、被害程度も『居住者が受けた不快感などから極めて軽微とはいえない』と、一審の判断をことごとく覆した。」(上記産経新聞)とのことです。 行為態様が、本件の場合、一階の集合ポストではなく玄関の新聞受けにわざわざ入れるためにマンションの階段や通路に立ち入っている上、立ち入り禁止や投函禁止の表示があるのに投函し、抗議を受けても繰り返すなどしているため、違法性高そうです。 うちのマンションでやられたら、かなりの不審人物。 各戸のドアのところまで来てドアのところに投函するんですよ? ぜったいやめてほしいですよ。 1階集合ポストでさえ、最近のマンションは簡単には入れないようになってたりしますからね。 ただし、新聞記事等では、警察が逮捕、起訴したかったということがうかがえます。 住民が警察に通報したのではなく、警察が住民に通報させたとの説?もあります。 ふつうは、ビラ配布しただけではよっぽど悪質でない限り起訴はしないでしょう。 微罪の場合に不起訴処分にすることはよくあることですもんね。 いろいろ起訴した事情があるのでしょう。 そして、高裁も、いろいろ考えた上、求刑が懲役6月だったところ罰金にしたんでしょうね。 もしかしたら不起訴相当だったかも知れないけど、無罪まではちょっと・・・。無罪で確定してしまうと、判決残っちゃうから後々に影響しちゃうし。 「罰金の額は、起訴事実となったビラまきが04年1月17日の1回だった大西章寛(のぶ・ひろ)被告(32)が10万円、同年2月22日を加えた2回だった高田幸美被告(32)と大洞(おお・ぼら)俊之被告(48)がそれぞれ20万円。そのうえで未決勾留(こう・りゅう)日数を1日5千円に換算して20日分(10万円)を差し引いた。これにより大西被告が支払う額はゼロとなる。 」(上記朝日新聞)とのことですから、事件としてはこれでいいのでは? なお、記事では「市民活動家」とのことですが・・・ ビラまくなら、決定権限のない自衛隊の隊員が住む官舎でビラまくより、中央官庁とか、議員さんとか、大都市のターミナル駅とか、そんなところでビラまいた方がいいと思いますけど。(~_~;) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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