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高校時代は、自転車通学だった。
毎日ウォークマンのヘッドフォンを耳に突っ込み、チャリンコを走らせていた。 特に3年生のときは東に片道8km離れた学校へ往復してから家に戻り、これまた北に8km離れた繁華街に100円ラーメンを食いに行き、再びジャージを取りに家に帰って、さらに南に8km離れた市営体育館にトレーニングをしに行った。 この時期は事情があって、それまで通っていた空手道場を休会し、有り余るエネルギーを持てあましたのであろう、このような生活を送っていた。計算してみたら約50kmも自転車で日々移動していた事になる。 そう言えば、この頃はケツの皮膚が硬化してガビガビだった・・・。 そんな事はさておき、相変わらずチャリンコで学校に向かっていたトキの事。たしか梅雨の頃だったはずだ。 何日も振り続いてきた雨の中を、傘を差し片手でハンドルを握りながら、いつもの登り坂を上がり切ったその時。 突然雨が止んで、「俺の季節だ」と言わんばかりに初夏の太陽が顔を出した。 つい先ほどまでの雨に濡らされたアスファルトの路面が、強烈な陽光に照らされて、純白とも銀色とも言えないような色で、眩しく輝き出したのである。 ヘッドフォンから流れる音楽は、当時大好きだった白井貴子&CRAZYBOYSの「グローリー・ロード」だったろうか。 そこはクルマもほとんど通らない、だけど幅の広い一直線の道路。 わけもなく昂奮した。 無性に感動した。 輝く道。 これは俺の未来を暗示している。 心からそう思った。 そしてあの日から16年。俺は「グローリー・ロード」を歩いているのだろうか。 きっと、歩いているのだろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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