madamkaseのトルコ行進曲

2016/07/15(金)10:01

台所騒動 ヘドロって逆流、する?

これでいいのか、トルコ(43)

【7月12日・火曜日】  11日の午後、完成した翻訳本の日本語原稿を送信してホッとしたのもつかの間、今朝はいつもより1時間遅くゆっくり起きて6時半頃台所に行ったら、なんとまあ、台所の床が水浸しだった。  冷蔵庫の霜取りをかけたわけでもないのに、何、これ、とばかりに流しの下の扉を開けたら、うわっ、この真っ黒いのはなんだ、というほど、シンクの下にコールタールのような塊が出来ていた。  シンクの排水口に繋がっているはずの、排水ホースがばったりと下向きに落ちてしまっており、1年前に新しい排水ホースに換えた後、どうも水はけが悪いと思っていたのだが、やっぱり、シンクとの繋ぎ口にしてある新しい部品の蛇腹をくるりと丸めて取り付けていたために、そこで水がつかえて流れが悪くなっていたのだった。   繋ぎ口が外れてしまっていたのに気づかず、前夜洗い物をした水が すっかり流しの下にこぼれて台所の床が水浸しになっていました。   1年前にホースを取り替えたばかりの時。ホースが丸く捻ってあるのは正しいか?  去年の7月14日、顔つきからしていかにも調子よくずるそうな、どうにも気に入らないウスタが、私に資材を買った店の専属の職人だと言って修理に来たのだが、根掘り葉掘り私の個人的なことを聞いたりするし、大言壮語する割には仕事が下手で雑で、何から何までおっつけ仕事ばかり。  トイレの水洗タンク、風呂のカランの総取り替え、洗面台の蛇口の取り替え、そして台所の排水ホースの取り替え、どれ一つ気に入った出来上がりがないのだった。しかも風呂場のカランの工事では水が壁の中に漏って、外側の廊下の壁が膨らんでペンキがはげ落ちてしまう始末だった。   風呂のカラン、ぼたぼたと漏っているのを、無理に工具でひねり揚げて締め付けました。   風呂場の外側に当たる廊下の壁。こんなに膨れ上がってきてしまいました。   洗面台の後ろ側で、真直ぐつながったジョイントをこんな複雑にしたのはどうして?  もうもう、このウスタにはほとほと嫌気がさしたのだが、文句を言ったら「俺は親なし子で、天涯孤独、孤児院で育ったんだ、マダム。お前さんをお袋だと思って、喜んで丁寧に仕事をしているのに、そのあんたが俺を怒るのかい」と目を真っ赤にして泣き落しの手を使う。  面倒くさい、と言うより、早くこのウスタに出て行って貰いたい一心で、「ここが悪い、あそこが不完全だ」と思いながらもまあ、駄目押しをせず任せた自分が一番悪いのだが、この1年、やっぱり風呂のカランはかすかに漏り続けているし、洗面所の水もなかなかはけないし、つくづくトルコの職人と言うのが信頼出来なくなった。  いやもちろん、そういう職人ばかりではないこともよく分かっているが、いい腕前だ、いい人だ、と言う職人にめったにあたらないのである。私の職人運が悪いのか、それとも実際いい腕といい性格の人が少ないのか、多分後者に違いない。  台所の水は、夕べ最後に洗った食器類の排水が、シンクの口がスポッと外れてしまったので、中に詰まったヘドロが勢いよくシンクの下の戸棚の中に振り撒かれ、私にそれが見えなかったので、汚れた食器と鍋などを洗った水が直接戸棚の中に落ちて、床にたまり、それが多少時間をかけて外に流れ出したのだろうと推測された。  排水管が流れにくいために、やはり中にコレステロールのようにたまったカスがヘドロのようになり、たった1年でこんなひどい状態になってしまうのには驚いた。  うちのカプジュのオスマンは若い頃、幾年か水道屋の小僧をしていたので、多少は直す心得もある。あのウスタを呼ぶよりはまし、それにあのウスタは150リラだの200リラだのとろくによく直せもしないのに高い金額を吹っ掛けそうなので、オスマンに頼んだ方がずっといい。オスマンも朝見に来て、こんなのお茶の子サイサイだよ、と言いながら、結局直しに来てくれたのは夕方だ。まあ、みんなこんな調子なのである。  かくて、朝も昼も台所の水は使えないため、洗面所で野菜を洗ったり、茶碗や鍋を洗ったり。ジハンギルに住んでいた頃も、住人の都合はまるで考えない職人達の怠慢のせいで、トイレの水道で1ヵ月余りも食事の支度をする羽目になったことがあったので、日本では考えられない有様でもじっと我慢出来たのだろう。  でもやっぱり、これきりにして貰いたいな、やれやれ~。も~う嫌だ、いくらトルコが好きでも、自分の家の台所でヘドロの逆流が起こるなんて。       madamkaseのトルコ本 「犬と三日月 イスタンブールの7年」(新宿書房) 「チュクルジュマ猫会」 海泡石のパイプやアクセサリーと、「宮古島月桃」の買える店   アントニーナ・アウグスタ    

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