2015/02/15(日)09:54
マイルスの「ストレート・ノーチェイサー」を聴きながら
マイルス・デヴィスが「死刑台のエレベーター」の仕事を終えて、アメリカに帰って新しく結成したセクステットによる初のレコーディング(1598年4月2日録音)のセロニアス・モンクの曲が「ストレート・ノー・チェイサー」だ。 キャノンボール・アダレー(as)に始まり、マイルス・デヴィス(tp)、ジョン・コルトレーン(ts)、レッド・ガーランド(p)、ポール・チェンバース(b)とバトンされるアドリブはリラックスしたドライブ感満点の演奏に終始しています。 珈琲の世界でも、基本はストレートをマスターすること。ウィスキーがシングル・モルトをマスターすることで世界が把握できるのと同様です。要は、他の追随を許さぬ自分自身にぴったりの珈琲テイストを発見することに尽きます。 現在、僕のストレート珈琲のテイスティングはモカの世界に突入していますが、これがいささか難しく、なかなかまとまった印象が得られません。カリブ海コーヒーのピュアな味わいがいまだに舌を魅了していて、モカにまだ舌が目覚めるにはいたっていないのです。 エチオピアとイエメンのモカの浅煎り、中煎りの世界探訪はまもなくここでお知らせしたいと思っています。 この作品は画伯のものですが、「ストレート・ノー・チェイサー」を聴きながらこの作品を改めて観ていて、ホワイティなラビリンス世界の中にスキゾ・キッズ風に写り込んでいる非常口のアイコンが余りにもこの曲想にピッタリでしたので再録させていただきました。 ただコーヒー世界も、かっては豆の入手が困難で、喫茶店や焙煎メーカー任せであったことから、個性的な豆の基本を身につけることは単なるコーヒー好きには難しかったのですが、今では方々でマニファクチャー的な焙煎専門店ができ、ネットや店頭でもストレート・コーヒーが楽しめるようになりました。 自分なりのコーヒーを楽しむ土壌ができあがってきたと言えましょう。温帯モンスーンの日本列島にとってコーヒー豆は地産地消とはいかない舶載商品ですが、珈琲文化の面白さ、奥深さは西欧近代史を極める際には、避けては通れない重要な鍵が潜んでいます。どうぞ、文化としての珈琲を嗜む好機到来ととらえてポケット・マネーの範囲内で存分にたのしめますのでお試しあれ。