演出論
久々に書いてみます。演出というのは、人によって、その作品において何を一番大切に伝えたいか、ということで異なってきます。それは、受け手(見る側l、聞く側)によっても、かなり印象が異なるのと同じです。舞台も、映画も、原作がある場合、どこまで原作に忠実に添うか、または、まったく原作を無視して出演者やストーリーはある程度なぞるが、背景は全く変えてしまうか、はたまた、原作に忠実に添うようにはするけれども、最後のところは、まったく印象を変えてしまう、か。などなど、様々な手法を問われるのが、また「演出」であると思います。私はどちらかというと、オーソドックス、原作忠実派です。舞台をもたせられると、大概は「予算の関係上」云々がついてくることばかりで、脚本のその通り、になんてやったことは未だかつてありませんが、しかし、こそぎ落として、最終的に[脚本の真意」だけは伝えようと努力する方だと思います。映画の場合だと、撮影後に切り貼りが可能ですが、舞台の場合は一発勝負なので「出来上がり」までが勝負です。お客さんに見せるときには,少なくともそれまでで一番いい状態でなくてはいけません。納得できるスタイルを見せるというのは、限りあるものですが。フィルムの場合も、公開されるまでに、試行錯誤しながら切り貼りし、音楽を付けるのだとおもいます。あとは「好み」。何をどう伝えるのか、どこまで伝わればいいのか、どの程度の重みにするのか、それも、監督や、演出によって異なってきます。「深く掘り下げる」ことを好む人。「浅く平にまんべんなく」を好む人。「中くらいでどっちつかず」を好む人。いろいろですね。フィルムや舞台の一番のテーマをどこにおくか。ということでも違ってきます。というわけで、マガリーの演出論はおしまいです。