鬼ムスメの目にも涙 ―介護初心者の徒然日記―

2023/05/05(金)21:57

父の声を聞くのが嫌悪感だった日々

介護(89)

真夜中、部屋でまどろんでしまっていると、 「おぉーい、〇〇(私の名)! おぉーい、〇〇!」 と、襖の向こうから父の声。 絞り出すような、大きな声。(父はもともと耳が聞こえないので、音量がわからないこともあり) また何を頼むんだ…(やれやれ) と思って動き出そうとすると、 「おぉーい。まだ起きてるのか。無理するなー!」と父。 …あ、私の身体を案じてくれていたのか。 そんな、一年前まで繰り広げられていた真夜中の出来事が、ふと夜中に蘇る。 お父さん、ダミ声の大きな声で私を呼ぶ声が、また何を頼まれるのか…と嫌悪感となってしまっていた私を許してください。 いや、許されないな。 ごめんね、お父さん。 あんなに聞くのが嫌だったお父さんの声が、いまこんなに聞きたいよ。 写真は、先日行った庭園で、カタクリ。 一眼を担いで撮りに行っていたここ数年のなかで、こんなに群生して咲いているのを見たのは初めて。 カタクリ撮っている時間があったら、お父さんの大切な話を聞いてあげていればよかった。

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