まひまひのひつまぶし　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　～フラメンコも踊るIDDM～

****以下、某ブログ2007年11月10日の記事より抜粋****

先日歯医者に行ったときのこと。今回は定期健診とクリーニングだ。

クリーニングって言うとちょっとセレブで都会的な感じするけど、
実際やってみると結構血みどろ系。

その割にはあんま白くならないので、なんかいつも損した気分がする。

「あの、もっとこう・・スカッと白くなるやつないですか？」
「あ、ありますよぉ、コレです」

美人歯科助手が指差す先には、よくジャパネットたかたで紹介してる
強力ジェット噴射の水圧でお掃除ラクラク！って言うごっつい器具。
に、そっくりな器具。

ええーマジで・・それ歯に当てるの・・？歯もげません？

「これは塩と水の力で汚れを落とすので、かなりしょっぱいです」ニッコリ。

ニッコリってあなた・・。あたしこあい。
でもま、しょっぱいくらいならイケるかもね。

「じゃあ、それお願いします」
「はぁい、じゃあ椅子倒しますねぇ」

ってねえねえ、コレちょっと椅子倒しすぎじゃない？
若干エビぞり気味ですけど・・

「はぁい、失礼しまぁす」

って今度は顔に布かぶされた。 若干縁起の悪さは否めないけど、まぁ仕方ないか・・
途中で目合うと気まずいもんね。

次は何やら舌の上に綿を置かれた。
あー塩防止対策ね。なんせかなりしょっぱいらしいからね。

と、この美人歯科助手、椅子倒す時や布かぶせる時は親切に教えてくれたのに
無言でいきなり塩噴射吹きかけてきた。

イタタタタタ！！！！

これマジでジャパネットたかた！すんごい威力。ハンパじゃない。
こりゃ確かにお掃除ラクラクだろうねえ！

やっと痛みに慣れてきた頃、今度は猛烈にしょっぱさが襲ってきた。

しょっぱい！！

やばい、かなりしょっぱい。どーしよーもなくしょっぱい。
人生30年間、こんなにしょっぱいのは初めてだ！！

「激しょっぱいのか？鬼しょっぱいのか？」

こんな事、普通に生活してたら改めて考える機会ってそうないだろう。
けど今は考えるまでもなく、はい！鬼しょっぱいです！！

糖尿病だけに、普段塩分控えめを心がけてる私にはつらすぎる。舌溶けそう！！

さっき舌に置かれた塩防止対策用脱脂綿なんてなんの役にも立っちゃいない。
むしろ綿に塩が吸収されて、舌の上にずーーんと重くしょっぱくのしかかる。
重い！しょっぱい！おもしょっぱい！

「はぁい、一旦よくゆすいでくださぁい」

まだ終わりじゃないのか・・意識がもうろうとしてきた。
楽して歯を白くしようなんて考えた私が甘かったな・・
しばらく料理にも塩を使いたくない。

ブクブクすすぐ水が砂糖水のように感じる。吐き出した水は殆ど鮮血。血祭りだ。

再びエビぞりにされ、死体布をかぶされる。
しょっぱさって、度を通り越すと痛みに変わり、痛みを通り越すと妙な妄想まで
浮かんでくるもんなんだな。

私の頭の映像には死海が映っていた。
一回あの海でプカプカ浮きながら新聞なんて読んでみたかったんだけど、
そんなくだらない夢はたった今、塩の海に消えた。

何度かタオルを投げたい（左手を上げたい）衝動にかられた。
けど血を吐く思いで今まで頑張ってきたのは何の為だったか。
実際に血を吐いて耐え忍んできたんじゃないのか？ここまで来て逃げるのか諦めるのか！？
どうせ左手上げたところで「はぁい、もうちょっと我慢して下さいねぇ」
で終わられるだけじゃないのか！？

「はぁい、お疲れ様でしたぁ」

お、終わった・・
もう歯が白いとか白くないとかそんな事はどーでもよく、最後まで戦い抜いた事で感無量だ。

・感無量：はかり知れないほど（塩が）身にしみて感じること。（goo辞書より）

マジで、塩で人を殺せるかもなって思った。


美人歯科助手：「しょっぱくなかったですかぁ？」


しょっぱかったですよ！！


後から落ち着いて見てみたらヤニは真っ白、表面つるっつる、
歯茎ベロッベロにむけていた。

よーし、また来年あたり挑戦するかなー。



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