2021/05/10(月)00:30
プレバト俳句。5/6放送分に異議あり?!
プレバト俳句。お題は「昼寝」。
今回は、
いまひとつ腑に落ちない添削が多かったです。
◇
おいでやす小田。
目を閉じて ほんの少しの夏休み
昼寝少し 怒涛の日々に立ち向かう(添削後)
仮眠だけが自分の夏休みだという内容。
季語が比喩になってしまってるので、
添削では「夏休み」を却下して「昼寝」に変えています。
ただし、さほど良い句になったとも思えません。
原句の意味合いは失われているし、
「怒涛の日々に立ち向かう」というのは、
視覚描写というより、むしろ意思表明のようです。
ためしに、
すこしの昼寝 ポケットのスケジュール
としてみました。
◇
東野絢香。
若楓 台本抱きし 揺れる隈
台本を抱いて 車窓の若楓
若い女優が疲れた顔で新幹線に揺られてる場面。
添削では、
三段切れを解消するために情報を絞っています。
ただ、
原句に描かれた疲労感はなくなって、
むしろ希望に満ちた句に変わっています。
そもそも、
「自分の目の隈」を視覚描写するのは無理なので、
第三者の視点に立つことが必要ですよね。
ためしに、
目に隈の娘 車窓の若楓
あるいは自分の顔を鏡に映して、
鏡の目の隈 車窓の若楓
としてみました。
◇
キスマイ宮田。
眠る間にラムネの結露 本濡らす
うたた寝の本をラムネに濡らしけり(添削後)
夏らしくていい場面ですが、
「結露」と「濡らす」は重複情報なので、
添削では「結露」のほうを省いています。
ただし、添削だと、
瓶の結露で濡れたというより、
ラムネをこぼしちゃったようにも見える。
ためしに、
吾子のうたた寝 本にラムネの結露
としてみました。
◇
フルポン村上。
若葉風 寝言は母国語の庭師
いい場面ですよね。
これで「1つ後退」とは、
いくらなんでも厳しすぎるのでは?
ちなみに「母国語」をオチにするならば、
若葉風 庭師の寝言は母国語
となるし、わたしならそうすると思う。
先生は、季語を押し出すために、
母国語の寝言 庭師へ若葉風(添削後)
としました。
ちなみに、
「庭師に若葉風」ならクローズアップですが、
「庭師へ若葉風」ならロングショットになります。
添削では、前段との対比のために、
あえてロングショットを選択したのでしょうね。
◇
梅沢富美男。
縦横に斜めに 子らの昼寝かな
子ら三人 昼寝縦横斜め逆(添削後a)
園児らの昼寝 縦横斜め逆(添削後b)
悪くない場面ではありますが、
ほとんど一物仕立てだという気がするし、
いつもながら「かな」の詠嘆がつまらないとも思う。
とはいえ、
添削した後も一物仕立ては変わってないし、
人数情報って必要かなあ?という疑問もある。
あえて「逆」とする面白さも、いまいち分かりません。
ためしに、
嗅覚や聴覚の情報を加えて、
縦横に斜めに 昼寝の子のにおい
縦横に斜めに 昼寝の子のいびき
としてみました。