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2007.12.17
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テーマ:ゴハンな話(450)
カテゴリ:お米の話題
あんかけ焼きそば.jpg

 「最近、料理を作らなくなったね」と、やんわり家族から非難。
 「何を言う、毎週土鍋でご飯を炊いているじゃないか!」
 「アレは料理じゃないでしょ」

 女三人を敵に回すと怖いからなぁ。

 そんなわけで日曜日は昼飯も作ってみました。これがそのあんかけ焼きそば。まあ、えらそうな事を行っても野菜は子どもたちに切らせて、私は炒めただけ(笑)。

 普通の生めんのソース焼きそばですが、ソース焼きそばに飽きたら、こんなアレンジもなかなかおすすめ。見てくれはイマイチでしたが、評判は上々でした。


 さて、昨日の続きの富山の米の話です。

 富山県は旧国名では越中であり、「越の国の光り輝く米」、つまりもともとはコシヒカリの栽培に適した土地です。今も主力はコシヒカリですし、県西産のコシヒカリは数年前まで、食味ランキング特Aという、最高評価をされていたいました。
 ところが、Aランクに格下げされて以来、ここ何年もAランクに甘んじています。この評価がもちろん全てであるとは思いませんが、私自身も、富山県西産コシヒカリの食味が以前ほど感動的なものではないなぁと思うようになり、この結果も然りと感じています。

 それが本当だとすると、なぜ、富山のコシヒカリがこのようになってしまったのか?

 理由は前回の3つと関連が多いと思われます。

 まず、一つに、ここ数年は夏の猛暑によって稲がダメージを受けています。地球温暖化が進むと数十年後には北陸でコシヒカリが作れなくなるといわれます。その予兆かも知れませんが、なんとも言えません。富山の新しい品種で「てんたかく」という早生米があります。このお米の栽培上の特徴は暑さに強いことだそうで、温暖化が進むとこのお米が主力になるかもしれませんね。
 ただ、多少の気候変動であれば、こまめな水の管理や施肥のタイミングなどの手間で回避できたそうです。ここ数年の猛暑がその「多少」を超えているかもしれませんが、兼業農家が増えたことでそこまでの管理ができなくなって、その上、管理を楽にしてくれる農薬や化学肥料に頼ってしまうんです。いわばマニュアル化された農業となり、それが天候不順などのイレギュラーへの対応が上手く行かなくなったのではないかと指摘する声もあります。これは3つ目の要素と関連します。

 兼業農家がなぜ増えたかと言うのは、2つめの問題と大いに関係します。富山県は意外と思われるかもしれませんが、実は第二次産業が基幹産業で、特に製薬やアルミ産業が盛ん。大企業の工場が城下町を形成しているところも多いです。
 つまり、汗水たらして米を作りより、スマートでお金になる仕事が回りにたくさんあると、自ずとそっちに行ってしまいます。それでも、先祖伝来の土地に対する思いは人一倍強い富山県民ですから、耕作放棄をすることはなく、がんばって兼業を続けていますが、それにはやはり無理がありました。
 富山ではコシヒカリの田植えは5月下旬が適期とされます。ところが兼業農家の多くは人手を確保しやすいゴールデンウイーク中に田植えをしてしまいます。実はこれがコシヒカリの食味に大いに影響があるそうで、県や農協などでは企業に対して兼業農家の社員が田植えのために休暇がとれるように配慮を呼びかけているほどです。

 米の価格は下がる一方、市場のお米に対する評価もブランドが確立された一部を除き安ければいいという風潮が強い。
 さらにこれは生産者にも問題があるのですが親戚にタダでお米を配りすぎること。これが実はお米の味に関して無頓着にさせている大きな原因であり、それが購入する時も「どうせじいちゃんから美味しいお米が届くから、いまは安い米でがまんして」みたいな心理が働き、これがめぐりめぐって生産者を苦しめる結果となるという米穀流通関係者の指摘も聞いたことがあります。

 ブランド化に成功して価格競争に巻き込まれないようにするというのは、そのお米の真価を問うという意味でいい流れだと思いますが、魚沼産コシヒカリのように、名前ばかりが一人歩きをしてしまい、価格が適正かどうか判断に苦しむものもあります。魚沼産コシヒカリで有機栽培、しかも天日干しだと石川県産コシヒカリの5倍くらいの価格がするものもあります。確かに、安心、安全できっと美味しいのでしょう。手間ひまも相当かかっていますが、だからと言って5倍とは……。

 安心して食べられるお米に高い金を払うという意識は、これでは芽生えにくいですね。

 美味しくて安全で、しかも適当な値段のお米をいただくために、消費者である私たちがもうちょっと関心を示すことが大切ですね。


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最終更新日  2009.01.02 19:29:36
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