雨空ノ恋
雨空ノ恋 届かずに消え行く幻の中に、私は居る。 何処に何が在るのかもわからない、手のひらに触れるのは熱を持った日差し。 それなのに、私の耳の奥、遠い場所に根付くのは、遥か彼方の雨の音。 決してやさしくは無い、激しさと恐慌とを持って、全てを荒々しく引き裂く嵐の悲鳴。 それなのに、嗚呼、私は見た事も無いその景色に魂を揺さぶられ、恋焦がれているのだ。 窓の外の日差しはわからない。 ただ、手のひらに焼け付くような日の光が、少なくとも夜ではない事を教えてくれる。 私の魂は見えもしない窓の外、見えもしない雨空を求めている。 届かずに消え行く幻の中に、私は居る。**急遽一発書きの短文。フリー配布、隅っこに著作権表示だけして貰えればサイトへのお持ち帰り、オフラインでの使用エトセトラ、使い道は不問です。報告は不要ですが在ると泣いて喜びます(笑)。