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カテゴリ:成年後見
先日相続の相談に見えた方がいました。相続人の1人である97歳のお母様は特別養護老人ホームに入所中です。 遺産分割協議をするにあたり、お母様の状態は当然気にかかるところであり、年齢や特養入所という客観的事実から、後見人の選任の必要性が考えられます。 これは専門家なら誰もが考え、当然アドバイスするところだと思いますが、デリケートな事だからと思い。「あの、お母様のお具合はいかがですか?会話に支障は無いですか?」と尋ねたら、依頼者の顔が急に笑顔に変わり、 「今まで何人かの先生にこの相談をしたけど、そう言ってくれたのはあなたが初めてです!」と言われました。このお母様は、一時的な都合で入所しているだけで、家事もこなし、家計も管理し、会話も困らないのに誰もが、「まず成年後見の手続をしなくてはいけませんね。」から始まったそうです。 あちらこちらに相談に行くたび違う回答が示され、さらに母親に対する決め付けにうんざりしていたとの事でした。 目の前の問題の解決に、手続の流れだけが先走り、事務的になってしまう事はありがちな事だと思います。私たちは普通の感覚が知らず知らずに磨り減っていく事に気が付かないといけないと思う、相談案件でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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