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明け方ふと目が覚めて、なんとなく思いついたことがあった。
いや、これまでもなんとなくぼんやりとは考えたりしたことはあったんだけど、かなり具体的に「こういうもんだよな」と浮かんできた。 それですぐに起きて・・・とはならないところが私らしいのだが(苦笑)、11時過ぎに起きて朝ごはんを食べて(「お昼ごはん」じゃないのか??)、洗濯機を3回ほど回して、一段落したところでパソコンに向かった。 実現するかはまったくもってわからないけれど、なんだかいろいろ考えるのはけっこう楽しかった。 しばらくはこのネタで楽しもうっと。 内容は当分は秘密です。 永遠に秘密かもしれないけど(笑)。 2003年1月19日、こういう日記を書いていました。 タイトルは「水の誘い」。 私は「強い意志」とか「情熱」とかに無縁な人間ですが、何かに惹かれているのはたしかで、どこかあるべき場所へ行きたいとは強く願っているようです。 ちなみに文中にある「映画を見た直後に、それに関連するような現実の出来事があったというのは、他にも経験したことがあった」と書いているのは、河瀬直美監督の『萌の朱雀』のラストシーンを見たとき、ふと黒澤明監督の『夢』を思い出し、いろいろ考えていたらビデオを見終わったあとに「黒澤監督逝去」のニュースが流れた、というものです。 また、バーニョ・ビニョーニおよびサン・ガルガーノへの旅についてはこちらをどうぞ。 なぜか水に惹かれる。 小さな頃からそうだった。川や池などが視界に入ると、近寄って覗き込みたくなる。基本的には生き物の気配を求めて、ということではあるのだが。 今でもそれは変わらず、たとえドブ川でも、ドラム缶に水がたまっているだけでも、なんとなく覗き込んでしまう。 さて、昨日、先月に買ってあった『ノスタルジア』(タルコフスキー監督)のDVDをようやく見た。 前回見たのは、あの忌まわしき9/11だった。 劇中人物であるドメニコの、世界の破滅に対する恐れと非難、そしてその救済に対する絶望的な祈りの叫びの余韻も冷めない中で、TV画面に戻したとたんに飛び込んできたのがあの映像だった。 現実と空想(それを作ったのは紛れも無い現実の人間であるが)の強烈なまでの一致が、私の中に現実の出来事としてだけではない何事かをインプットしてしまった。 そんなこともあって、少しこわごわとした気分を持ちながら、再度見たのである。見終わった後に、特に変わったことが起きていなくて安心したというのは、正直な気持ち。映画を見た直後に、それに関連するような現実の出来事があったというのは、他にも経験したことがあったからだ。 (ちなみに、初めて映画館で見たときにはその静かな映像美に魅せられたのだが、見るたびに監督の個人的な郷愁、家族への思い、世界救済への強迫観念、などのような違った面が感じられてくるのが面白い。自分自身の受容性の変化があるのだろう) タルコフスキーといえば、さまざまな象徴的なモチーフの中でも、「水」の重要性がよく指摘される。数作品見れば、だれでもそれに気がつくだろう。 その象徴性うんぬんはさておき、『ノスタルジア』の中でも、とても心惹かれる「水」の存在場所が描かれている。私はこの映画の舞台をぜひとも見たくて、主人公が蝋燭をもって端から端まで歩くという行為を行う「バーニョ・ビニョーニ」という温泉、ラスト・シーンの信じられないほどの美しさを構成する「サン・ガルガーノ大聖堂の廃墟」まで行ったことがある。それらの場所で感慨にふけったのはもちろんだが、まだ行きたくて場所のわからないところが、映画にはある。 それが、「水の流れる廃墟」である。抜け落ちた天井から漏れる光を受けて、白い廃墟の中の流れには、ところどころ植物が生えている。撮影にあたって作り出したものなのかもしれないが、もしあれが本当にある場所だとしたら、ぜひぜひ行って見たいのだ。 この場所が出てくるシーンにおいては、主人公は廃墟へと連なる水路を、水に浸って水草を揺らしながら歩いていく。そして廃墟の中で、酒を飲み、詩集を焼きながら身を横たえる。ここから感じられる印象をなんと言えば良いのだろう? 数年前のテート・ギャラリー展において、ジョン・エヴァレット・ミレーの『オフィーリア』(注:『ハムレット』の登場人物)の絵を見たことがある。悲嘆にくれて精神を病み、川に落ちて溺死するというシーンにもかかわらず、水に浸った姿は穏やかで美しい。 映画の中でも、自発的ではないが『ヨーロッパ』の主人公、有名どころでは『グラン・ブルー』の主人公なども水へと消えていく。また、人間こそ出てこないが、『夢』のラスト・シーンの風景からも、似通った精神を感じるような気がする。 現代美術でも、遠藤利克さんのように、水を使ったインスタレーションがとても面白いと思う。 なにか、“本能的”というよりももっと体の奥底に潜む何物かが、水というモノに惹かれているのだろうか? (別に自殺願望は無いので、ご心配なく) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年01月20日 22時58分57秒
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