カテゴリ:コラム
モルトウイスキー紹介コラム、今回はピーティー&スモーキーな味わいでファンも多い、アイラモルトの雄、アードベッグです。
私がモルトをよく飲むようになったのは、コニサーズクラブという試飲会に参加するようになった約7年前からですが、そのころのアードベッグのイメージは、名前にもかっこいいボトルにも中身は負けているというものでした。80年代前半から90年代前半にかけて、スコットランドの多くの蒸留所が閉鎖しましたが、アードベッグも売れ行き不振からフル操業できなかった。そしてアードベッグの味わいにキレがなくなっていた最大の原因は古樽を使うことが多かったためだと言われています。 しかしその後、経営がグレン・モーレンジ社に移り、意欲的な製品がいくつか出てくるようになりました。写真のボトルは、アードベッグ直営の会員組織「COMMITEE」の会員向けに発売された「VERY YOUNG」で、6年という短い熟成のものでした。これは評判を呼び、一般向けの別ヴァージョンも発売されましたが、あっと言う間に売り切れたのは記憶に新しいところです。 また、バーボン樽とシェリー樽、それぞれ熟成期間も異なるモルトを複数ヴァッティングした「UIGEADAIL」(ウーガダール)や、これも「COMMITEE」向けの「KILDALTON」(キルダルトン)も珍しいライト・ピートのアードベッグということで話題になりました。またオフィシャル以外でもG&Mが日本向けにボトリングしたという「SPIRIT OF SCOTLAND」のシリーズを、4~5種類飲んだことがあります。これらはどれもレベルが高く、ヴァラエティも豊かということで、私自身、すっかりアードベッグを見直したのでした。 ラフロイグやラガヴーリンは、あまりに癖がありすぎるけど、ボウモアはちょっと物足らないという方は、私がスタンダードボトルではNo.1だろうと考えている「ARDBEG TEN」(アードベッグ10年、スモーキーとほのかな甘さがバランスした美味しいモルトです)をお薦めします。ただちょっと不安なのは、オーナー会社のグレン・モーレンジそのものがルイ・ヴィトン・モエ・ヘネシーに身売りしてしまったこと。せっかく高まったブランドイメージが損なわれないことを望みます。 ※ネットショップで買えるアードベッグのリストはこちら ※アードベッグのテイスティングノート(モルトクラブ) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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