LAUNDRY ROOM

2007/06/24(日)08:55

食の安全、中国の怪だけではない消費者の憂鬱

BATON & OPINION(39)

中国、良きに悪しきに、学ぶべきところはたくさんあります。 =以下引用= 「早のみ込みをし給うな。学文にも小人の弄文と、君子の文業とがある。小儒はおのれあって邦(くに)なく、春秋の賦を至上とし、世の翰墨(かんぼく)を費やして、世の子女を安きに惑溺(わくでき)させ、世の思潮をいたずらに濁すを能とし、辞々句々万言あるも、胸中一物の正理もない。大儒の業は、まず志を一国の本(もと)におき、人倫の道を肉づけ、文化の健全に華をそえ、味なき政治に楽譜を奏で、苦しき生活に潤いを齎(もたら)し、暗黒の底に希望をもたらす。無用有用はおのずからこれを導く政治の善悪にあって、腐文盛んなるは悪政の反映であり、文事健調なる---その国の政道明らかなることを示すものである。---最前から各々の声音を通して、この国の学問を察するに、その低調、愍然(びんぜん)たるものを覚ゆる。この観察はご不平であるや、いかに」 =以上引用= (吉川英治:三国志 全十巻の六 赤壁の巻、 [舌 戦]の五、呉における諸葛孔明の弁 現代の日本の政を司る人らを前に、この『舌(ぜつ)』を求むの思いです。 「いかに?如何に?!」と。 *** 当たり前に出回っている中国産の食品を口する機会の多い庶民としては、最近の中国からの輸入品に関する異様なまでの「危険物」に、開いた口がふさがらなかったりもするわけで、その件から。 ひとつのニュースをネット上で読み、>>関連ニュース などを次々と拾い読みし、危険物の多さとその内容に信じ難い思いをぬぐえずにいます。 練り歯磨きから化学物質ジエチレングリコール、これに関しては中国側もアメリカに対して猛反論をしているようで、また逆に、中国がアメリカから輸入したピスタチオが腐っていて箱からシロアリが、さらにイカから基準を超えるカドミウム検出、はたまたレーズンから基準を超える大腸菌やカビが、等々、中国もアメリカの危険物をあげつらって非難するなど、両国の暴きあいも盛んです。 以前から中国産の食品の安全性についてはとかく取りざたされていましたが、最近の中国産危険物ニュースの多出とアメリカVS中国 の凄まじいつばぜり合いの発端は、やはり、カナダ・アメリカの大手有名メーカーのペットフードの原材料である小麦グルテンではないかと思います。 中国から輸入の、ペットフード原材料の小麦グルテンですが、これに違法に添加されたメラミンが原因で犬・猫が腎臓障害をおこし、ために大量死した(数百匹単位)という事件です。 (この問題の原材料は日本では輸入されていません。) 少し前の事件ですが万が一ご存じない方のために、この原材料を使ったペットフードのリコール情報を、英語ページですがご案内。 http://www.fda.gov/oc/opacom/hottopics/petfood.html 我が家の猫たちは、幸い、国産のとあるメーカーのものが大好きなのでこのリコール対象フードは利用していないし、ホクトは私たちと同じ材料による手作りごはんだし、とりあえずは安心・・・と思っていたら、 あにはからんや! で(笑) その私たち(人間)が口にするものでの中国産への依存率はおびただしい数字になっているという現実があります。 なにせ中国産のものはお財布に優しいという、抗いがたい魅力もあります。 でも、鉛の危険のある鍋釜や機関車トーマスは困るし、基準値の数倍という残留殺虫剤のピーマンも嫌! 強い発ガン性のある着色料であるスーダンレッドに類する工業用着色料で色づけられた牛肉やフライドチキンや唐辛子オイルや口紅は、はっきりと健康被害が出ること必然だそうですが、口にするなと袋に書いてある着色料「大全紅」を、平気で食品に使っていたメーカーが、かの国にあるというのはこれまた信じられない話。 が、これが「まだマシ」な話だというから唖然です。 賞味期限を2年以上すぎた悪臭ふんぷんのチマキを、シールを張り替えて販売していたというのは、これまた(悪臭と米の形のなさから)それと分かるから「まだマシ」なのだという話などは、殆ど怪談です。 もっとおぞましい話として、下水溝に溜まった油を原料として食用ラード・・・この工場は摘発までの10ヶ月で100トンあまりの"食用"油を生産って...え゛~っ!? このラードは強烈なことに食中毒どころか遺伝子レベルで悪影響を及ぼす可能性もあって、立ち入り検査→生産停止命令。当然でしょう。 それなのに、ああそれなのに この工場、操業時間を夜間に切り替えて生産停止を装って夜間操業していたというのですから、その悪どさは漫画級(笑) かくもかように報じられている中国(アメリカも?)の危険物質ですが、幸いにも日本の輸入品については、「まだマシ」な質・量なのだとか。 (どの辺りを境に「まだマシ」なのかは、ここまで読んだ読者のご判断ということにしてください) 日本の現地法人、特に大手メーカーなどは、原材料の時点で厳密に精査しているとも聞きます。 自社製品として日本国内で販売したものからそのような「危険物」が検出されたら、メーカーとして命取りになりますから、それもむべなるかなです。 ただ・・・十分な検査体制を持っていない小さな輸入業者は巷にあふれているわけですし、その中に見て見ぬ振りの悪徳業者がいないとも限りません。 毒と分かって作って毒と分かって売る、そういう人もいれば、毒と分かっててもわずかな利得や怠慢のために輸入する自国(日本)の業者や、迂闊にも?それを見逃す自国(日本)の公的検査機関もあるかも知れない--- まさに『内にも外にも渦巻くは邪の理ばかり』という末世の気配ですが、こんな時だからこそ、不逞の輩の取り締まりには厳なるを求めます。 昔の日本がそうであったようにアジア各国、「安かろう悪かろう」のイメージを払拭しようと涙ぐましいまでの企業努力をしている業者・メーカーが大半だ聞きますし、それが本当だとも思います。 一部では「中国のテロの手口としての毒菜(ドクツァイ)」などという過激な言い方もされていますが、自国(中国)民の中にも大きな健康被害がでているのですから、このテロ理論はいただけません。 とまれ、かくして日本ではいつしか「国産=安全」という神話ができあがっていますが、ところがドッコイの話が次々と出て、ひとつひとつに驚くこともできなくなっています。 それでも驚き呆れる、今回の、『100%じゃなかった100%牛肉』の事件(北海道苫小牧ミート社の嘘つき牛肉)。 庶民の味方の生協も、地産地消を謳う自治体も、大手メーカーも皆が『騙されて』いて、そうと知らずに有難く100%と信じて口に入れていた消費者は、ただの阿呆? 100%といえば100%、混じり物なしのはずなのに「当時は食について社会が厳しくなかったから、(混ぜ物でも)違法という認識はなかった」と言い訳する70歳に近いオトナが社長の会社、せっかくの内部告発がまともに調査もされず、でもそれは「噂」として業界には流れていて・・・と、経緯を連ねるのも馬鹿馬鹿しいようなことが次々と明るみにでています。 農林水産省北海道農政事務所と道幹部の間では「情報提供に見解のズレがある」のだとか。 見解のズレ? どちらかが嘘をついているのでしょう?! 内部告発を2度まで受けた農政事務所の最初の人間から、その資料を道の担当へ渡したと言う人間まで、その伝言ゲームに関わっている公務員の全氏名、公表すべきと思いませんか? 最近、個人的な理由で三国志の再読をしていますが、熟読の4度目ともなると、再度の感動の涙の中にも珠玉の一節をまた新たに見出したりします。 いわゆる普及版ですが、最終巻にあたる部分、あの有名な「孔明のほかに孔明なく」に続き、孔明が「三年は内政の拡充に力を注ぐ」と決心したことに関する記述があります。 =以下引用= 三年の間、彼は百姓を恤「(あわれ)み宥「(いた)わった。百姓は天地か父母のように視た。彼はまた、教学と文化の振興に努めた。児童も道を知り礼をわきまえた。教学の根本を彼は師弟の結びにありとなし、師たる者を重んじ、その徳を涵養「(かんよう)させた。また内治の根本は吏にありとなし、吏風を醇化し吏心を高めさせた。吏にしてひとたび涜職「(とくしょく)の辱を冒す者あれば、市に曝して、民の刑罰よりもこれを数等厳罰に処した。 「口舌をもっていたずらに民を叱るな。むしろ良風を興して風に倣わせよ。風を興すもの師と吏にあり。吏と師にして善風を示さんか、克己の範を垂れその下に懶惰(らんだ)の民と悪風を見ることなけん」 孔明はつねにそう言っていた。 =以上引用= (吉川英治:三国志 全十巻の十 五丈原の巻、 [具眼の士]の一、蜀における内政の拡充について *** うーん、この思想の延長が、1億円近い賄賂を受け取った高官の死刑判決なのか... 死刑はともかく、孔明にご同意のむきは、ランキング投票をこちらから クリックで、よろしくお願いします。 こちら→私のパソコン教室 「ネットDe☆PC」(ねっとでPC)も、どうぞ宜しく!

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