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カテゴリ:❀ VRおじさんの初恋
加藤の退職が正式に決まった。決心したか。
上司「直樹さんは、働いてて幸せ感じますか?」 嫌味に聞こえなくもないが、嫌味ではない。 直樹「僕は…人生全般で感じたことありません」 言い切っているのが良い! 「僕もです」 えっ!子どもが生まれたことは、喜びだったでしょう。 「何が直樹さんを、この会社に引き止めてるんですか?」 「それは…ここには 居場所があるからです。佐々木さんのおしゃべりを聞いて、加藤さんから差し入れをもらってコンビニで買い物する。普段感じない居心地の良さを、 最近なぜか感じ始めたんです」 居場所がある…それは実に幸せなこと。 同僚とのなんてことないやりとり・通い慣れたコンビニ 小さく平凡だが、そういう日常に柔らかくはまっている 感なのだろう。 直樹の心が以前より、外に向くようになったからではないかな。ピタッと閉めていた扉を少し開けて、少し風通しが良くなったような。 度量も少し広くなったのかも。 でも、残念ながら加藤は去る。 ** ** ** コンビニ店員に話しかける直樹。有能なのに就職しないのはなぜ?と尋ねる。(以前の直樹なら考えられないことだな) 「いきなり踏み込んだ質問すね」 まさか常連客にそんなことを訊かれるとは、思いもよらないよね。 「まあ、孤独も悪くないですよ。孤独は強さって、誰か 言ってました」 「…そんないいもんじゃないよ」 まあ、そうだね・・・。以前の直樹なら、なんて答えたかな。 ** ** ** 芦原に繰り返しメッセージを送っても、一向に返事が来ない。直樹は決意する。 【これが最後のメールです。あと一日ここで待ってる。 来なかったら、終わりにしよう】 【18時に喫茶店に行きます】 やっと反応が返ってきて、ひとまず胸をなでおろす直樹。 ** ** ** 芦原邸に飛鳥の秘書・耕助の姿が。外から芦原の様子をうかがう。 VRの喫茶店。ホナミがやってきた。しかし、笑顔はなく浮かない顔。 「ありがとう。来てくれて」 「家族のことに首突っ込んで、ごめん」 ナオキの誠意ある感謝にも詫びにも、反応なし。冷淡。 「もういいですか?」 迷惑そうに、さっさと帰ろうとする。 「また怒るかもしれないけど…どうしてあんなに怒ったの?俺は、君のことが心配で声をかけただけなんだ」 そうだよね。なぜ自分はあんなに激怒されたのか?・・・ 釈然としない。(でも、よくこうして尋ねたなぁ。また 激高しそうなのに。直樹、勇気ある!) 嫌味ばかり言うホナミ。上から目線の態度。めちゃ感じ 悪い! 天真らんまんだったホナミと大違い。これはホナミというより芦原そのもの。 「俺たちの時間も、暇潰し?」 「他に何だっていうんですか?!美少女になって恋愛をする…その感情が本気だというんですか?」 葵にも「暇潰しには、ネットが一番だ」と言っていたからなぁ。 なんというか・・・そりゃ、VRでのこと・アバターを 動かしている時のことだから、ファンタジー的な感覚でもおかしくない。直樹に対する親しみの感情は別として。 ・・・これが100% 芦原の本心なのかどうかわからないし、`VRでの本気´というものが成立するのかもしれない~そういう価値観もありなのか・・・と、なんだかよくわからなくなってきた! 「俺は…本気だ」「全てが、俺にはリアルな思い出」 ホナミは初恋の人だからな。しかし 「私が、現実でも会いたいって望んだ時に、VRは現実と分けて楽しむものだって、あなたが言ったんですよ!」 強く言い返される。 ずばり、そのとおり!直樹は芦原の申し出にいい顔をせず、断った。芦原は落胆した。そして、今になってVRと現実をつなげるようになった直樹に怒り、責める。 「現実の穂波が心配で、何がどうなってんだか。でも、 何かしないと、何かできることがあるって、抑えようとしても湧き上がってくるんだ。こんなこと、人生で初めてなんだ。人と関わらないように生きてきたのに…おせっかいだってわかってるのに…どうしようもないんだ!」 正直言って、直樹がなぜここまで芦原という人物に惹かれるようになったのか、よくわからない。ホナミに恋するのはわかるが。(私の感性が鈍いのか) 芦原は、自分の状況を伝える。 「無駄な労力は、使わないでください」 直樹に冷たく、刺々しい言葉を連ねた芦原だが、これは 思いやりか。 長文を読んでくださり、どうもありがとうございました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024年05月12日 23時07分35秒
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