2013/06/17(月)23:15
3年越しの出会いーDEEP COUNT
久しぶりに音楽の話しを書こう!
毎年のハルイチで、毎年出会うバンドがある。DEEP COUNTと言うバンドだ。
ジャンルは何かと尋ねられると困る。
ギターが居て、ベースが居てドラムスはツイン、ボーカルの桑原はトランペットを吹き、やっと歌うのかと思ったら、聖書のような本を取り出して、おどろおどろしい新興宗教のような文句を並べ立てるのだ。1曲は長尺が多く、そのサウンドは重厚で且つ繊細、単に音がでかいと言うだけでなくグルーブもある。しかしその訳解らない雰囲気がもうひとつで、どうしても馴染めないバンドだった。
ハルイチは4日間のうち、毎年2日か3日しか行かないが、何故かこのバンドとは毎年出会う。
いつも夕暮れ時、トリの3つぐらい前に出演する。結構重きを置かれているのだろうけど、自分にとっては、え〜〜また、こいつらかあって感じだったのだ。
今年も3日目の夕方に登場。ああ・・またこいつらかあ。トイレにでも行こうかなと思いながら聴いていた。
今年は、自分の好きなミュージシャンであるAZUMIが何故かギターで参加していた。
今年は何となくいつもと違う。段々と音の中に入り込んでいく自分を感じていた。
いつもよりさらに力強く、上手くなったなあと感じていた。
そしていつものようにボーカル(って歌ってるところを見たことがないけど)の桑原がトランペットを置いて本を取り出し、ナレーションをしゃべり出した。
その時、背筋にぞくっと来るものがあったのだ。
ロックンロールとは、坂を転がり落ちていくことではなくて、坂道を上に向かって必死に転がる。
目の前に何が見えても、空に浮かべろ、響きに込めろ、愛の分け前を魂に捧げろ!
もっと目覚めろ!口笛を鳴らせ!
全部は覚えてないのだが、そんな感じの言葉を聴いたとき、自分の心の中に火が付いた。
これはデジャブなのか?
思い出したのは、じゃがたらの江戸アケミである。
1990年に風呂の中で溺死した江戸アケミ。
彼が死ンでもう25年になるのだ。
30歳前後の時に毎日のように聴いていたじゃがたら。
江戸アケミは歌っていた、「口笛を鳴らせ!」
そうだ。そう言えば、江戸アケミだって、しょっちゅう訳の分からないアジテーションをステージで怒鳴っていた。
それを包み込む、心地よい無国籍なビートがあったのがじゃがたらの音楽だった。
DEEP COUNTとじゃがたらの接点を私は知らない。
接点があったのかどうかもわからない。
ボーカルの桑原が、じゃがたらが活躍していたときにどれぐらいの年齢だったのかそれもわからない。
しかし、彼らの音楽には確かにじゃがたらに通じるスピリットがあるのに気が付いたのだった。
江戸が死んでから作成された3枚組のビデオ(今ではDVDで発売されている)のクレジットで、製作を担当していたギターのotoが確かこんな風に書いていた。
このビデオは、じゃがたらの事など何も知らないのに、同じような独自の嗅覚でじゃがたらの音楽に近づいてくる奴らのために残しておくのだ。
この曲の方で私は思わず立ち上がっていた。
訳のわからない叫び声をウォ〜〜とあげながら手を叩いていた。
今まで、どちらかと言えば近づきたがらなかったバンドが急にストンと自分の心の中に入ってきた。
彼らの音楽が嫌いだった訳じゃない。
何か惹かれつつも自分に分からないものへの恐怖のようなものがあって遠ざけてしまっていたのだろう。
彼らの音楽が変わったわけではない。
私の心が熟成してやっと彼らの音楽に追いついたのだと思う。
帰ってきてアマゾンで検索した。
長く活動しているにも関わらず、まだアルバムは2枚しか出ていない。
まあ、そんなに売れないだろうなとは思う。
新しい「脊髄」と言うアルバムを買った。
こんなオドロオドロしいジャケットだ。
どれも長尺の曲が5曲収録されている。
ラストの「戯れ言」と言う曲が、私がハルイチで遭遇した曲のようだ。
歌詞も微妙にライブにより変わるようで、私の脊髄に嵌ったフレーズも歌詞カードでは微妙に異なっている。
パソコンのスピーカーで聴くと、大人しくて聞きやすい感じだが、実際は爆音大音量で、グルーブ満載の音だ。
機会があれば是非聴いてほしい。
3年越しでやっと出会えた。
こんな風な出会いもある。
これが音楽だ。
来年のハルイチで、私はきっとこのバンドの音で踊るだろう。
ありがとう、DEEP COUNT!
この戯れ言と言う歌の動画をYouTubeで発見。
いやあ、何でもあるんですね、ここは。
戯れ言前半
戯れ言後半