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今、電話がありまして。
うちの飼い猫が死んだそうです。 テンスケさん。 私が大学時代に京都で拾った猫さん。 ネズミみたいに小さい小さい捨て猫で。 まだ臍のうもついたままに捨てられていた子でしたよ。 初春の寒い京都の朝。 ネズミみたいな謎のケダラケの生き物を掌にのせて・・・途方に暮れる私に・・・ その子は小さな声で「ミュウ」と鳴いて自己主張をしたのです。 ワレはイキタイ。 助けなくちゃね。 私が助けてあげなくちゃね。 全部で4匹。 息をしていたのは内2匹。 声をあげたのは、ただ1匹。 ミルクをあげて、あっためて・・・必死で育てました。 よわよわしい女の子は、ヒナタちゃん。 元気のいい男の子は、テンスケさん。 結局、数週間後・・・テンスケさんだけが生き残り。 あのときも、固いつぼみの桜の下に・・・泣きながら子猫の遺体を埋めたよな。 独り暮らしでは、飼いきれないと・・・途中母が京都まで引き取りに。 あれからもう10数年。 すっかり家の子。 ちょっと頭の悪い手のかかる子でしたが。 それも可愛く。 ここ最近は、だいぶ年寄りになっていて、一日中寝たり起きたり。 たまに庭で居眠りしたり。 勝手気ままな隠居生活。 今日、庭に出たままちっとも帰ってこないので探しに出た母が 庭の蹲のわきに横たわっているテンスケさんを見つけたそうです。 今朝まで元気だったとか。 病気もしていなかったとか。 食は細くなっていたけれど、それでも今朝は少しカリカリを食べたとか。 ちょっと早いんじゃないかい。 テンスケさん。 こんな冷たい春の日に行ってしまうことはないじゃない。 あの日の京都の冷たい朝と・・・同じく冷たい初春の今日に。 思わず・・・ふと掌にもぞもぞと蠢く命のぬくもりを思い出し。 これは決められた別れだと解りつつ。 やはり涙がとまりません。 やっぱり春は大嫌いなんだ。わたし。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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