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テーマ:好きなクラシック(2317)
カテゴリ:楽しむは音
10月25日は、日本が世界に誇るヴァイオリニスト、五嶋みどりさんの誕生日。
12歳の時にニューヨークでサプライズ・デビューした彼女も、円熟の時期を迎えました。 あの、タングルウッド音楽祭での伝説の「E線2回切れ」事件。 わたくしは、NHKニュースで、彼女のその勇姿を偶然目にして唖然としたその日のことを、 今でも鮮明に覚えています。 「日本人の14歳の少女が、アメリカの音楽祭で、ヴァイオリンの弦が2回切れながらも、 集中力を失わず最後まで弾ききり、聴衆から大絶賛を浴びました」 こんな内容のニュースでした。緑色のシルクのドレスを着て、切れ長の目をした小柄な女の子が、 自分の楽器をコンサートマスターに渡し、彼の楽器と交換するシーンが2回流れました。 彼女は、無心で表情はなく、自分の役割を果たすべく、ごく自然に楽器を交換したように見え、 そこには既に、プロフェッショナルだけが持つ堂々とした風格がありました。 「すごい子が出てきたね」と、一緒にニュースを見ていた父と話しました。 そんな彼女が、お母さまである節さんと日本を飛び出し、数奇で壮絶でドラマティックな運命を 辿ったことを知ったのは、ずっと後のことでした。 みどりちゃん、おめでとう。 あなたはその才能のために、わたくしなどには想像もつかないような辛い思いをしたり、逆に、 天にも昇るような素晴らしい喜びを味わう瞬間を経験しながら、ここまで来られたことと思います。 でも、その歩みは、いつも多くの人の愛によって、支えられてきたことを、あなたはご存知です。 これからも、自分を助けてくださる人に感謝し、そして何より神に選ばれたことを感謝し、 更なる高みに到達すべく、日々を過ごしてゆかれますように。 あなたに神の祝福がありますように。 今日、記念に聴いた2枚。チャイコフスキーはきわめてゆったりめのテンポ。 アバドとベル・フィルの絶妙の合わせにも注目。 ヴィエニヤフスキのソロの導入部は、既に感情の極みに達し、泣かせます。 彼女の真骨頂であるスケールの大きさを存分に味わえる2枚でございます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
October 26, 2006 06:48:07 AM
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