『ジュリアス・シーザー』
『ジュリアス・シーザー』(2002/米)監督:ユリ・イーデル、出演:ジェレミー・シスト、リチャード・ハリス、クリストファー・ウォーケン映画と勘違いしてみてしまったが、アメリカのテレビドラマらしい。なんでもブルガリアにセットを組んで、ローマ帝国をリアルに再現した歴史スペクタクルということで、『アレクサンダー』が2004年だし、『グラディエーター』が2000年だとすると、史劇ばやりの柳の下ねらいで作られたのだろうか。テレビ番組としてはセットや戦闘場面などかなり手が込んでいて金もかけられているのでなかなかに迫力があって楽しめた。ただ、前に1度見たことがあったようで、前半のシーザーの物語の場面は話の展開がシーザーの人間関係を中心に描かれているためか冗長で、あまり面白みがないために忘れていたようで、後半、シーザーが権力を上り詰めていく過程での、ゲルマン征服の戦闘シーンで前に見ていたことを思い出した。そうした意味で、シーザー像としてはやはり弱かったのだろうと思われる。役者は悪くはないが、単なる史劇に終わってしまっていたし、こちらとしてもそうした観点から見た。監督も検索にかかってこないことを見ると、まだこれからの人かこれまでの人だったのか、無難にまとめられたい多様な気がして、特に際立った印象はない。テレビだから映画以上にチェックが入ってしまうのか、それとももともとテレビ畑の人なのか、はみ出るような演出はない。分かりやすさがが逆に、面白みを奪ってしまうし、展開が冗長に感じることにもなる。