山と杖
森林浴が心身に良いと感じて以来、ヒマがあれば森を歩いている。 となると、これが山を歩くことになりがちだったりする。 ならばせっかくだからと、この間、杖を持って入山した。 杖と言っても色々な長さの物がある。五尺の物をそう呼ぶ場合もあるし、七尺の場合もある。私が持っていったのは、正確に言うと鞭杵と呼ばれているタイプのものだ。 これは中国の羊飼いがもっていたもので、長さはおおよそ持っている人間の片腕から逆側の腕の付け根くらいで作る。私は腕が長いから、他の人よりはちょっと長めになった。 それを突いてあるくと、確かに山道は歩きやすい。確かに、とっさに滑ったときなんかに手近な枝なんかはつかめなくなるけど、疲労を軽減する作用はあると感じた。 歩きながら山中でふと気が向けば、杖術の練習だけならず、剣に見立てた稽古も出来る。 素敵なお供が出来たものだ。