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Tomorrow is Another Day

Tomorrow is Another Day

出産の日



出産の日


出産する前の晩はなんだか元気がなかった。同室の人たちも「まるもさん、なんか元気ないやん。」と心配してくれていた。お腹が痛かったのである。消灯時間が近い午後8時ごろ「お腹が痛くなったら教えて。時間、測ってあげるわ。ひょっとしたら陣痛ちゃうん?」とひとりが言ってくれた。9時まで測ってもらった結果、「まるもさん、ちょっと5分おきやで。これは看護婦さんにゆーた方がええわ。」(彼女は3人目の赤ちゃんを妊娠中だったので、ベテランである。)って事になった。

そうして私のお産は始まった。1998年10月19日、36週と6日目の晩であった。陣痛はやっぱり痛かった。噂通りに痛かった。最後の最後になって赤ちゃんの心音が下がって来てしまったので緊急帝王切開になった。先生の「切りましょう!」の一言が天使の声に聞こえてしまった私はやっぱり根性無しである。

息子は10月20日午前4時29分に生まれた。週数的には37週と0日。1日早かったら早産になるらしいが、ぎりぎりで満期産であった。全身麻酔で手術を受けた私は分娩台からベッドに降ろしてもらったところで、起こされた。最初に先生に聞いた言葉は「先生、赤ちゃん、生きてる?」であった。自分ではちゃんと話してるつもりだが麻酔が効いているので、言葉がホニョホニョになってしまう。先生の「大丈夫。生きてるよ。」と言う言葉を聞いて私はまた眠ってしまった。

次に目が覚めた時は先生が出産を聞いて駆けつけた私の両親に話しをしている時だった。「仮死状態で生まれたので、ひょっとしたら脳性麻痺の疑いがあります。今の所ははっきりとは言えません。それから感染症の疑いもあります。」覚悟はしていたが、やはり私の赤ちゃんは自力では呼吸が出来ず、誕生直後にガスで肺を膨らませて人工呼吸器を付けているらしい。この時点ではまだ私は赤ちゃんに会う事は出来なかった。


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