メーカー選定
土地入手と平行してログハウスのメーカー選びをしていました。●最初にコンタクトした栃木のB社 (足じゃなくて箱の方です)マシンカットの角と丸ログ ログ材は北欧フィンランドのパイン材使用資料請求し1000円でカタログを購入。なぜか本社と代理店と両方からカタログを送ってきた。カタログ及びプラン集などの資料が良く整備している。モデルプランが豊富で価格も坪45万円ぐらい。ドキュメント整備が好感が持てる。アメリカンコンフォートのような2×4住宅と同じ感じのプラン集。ログ材のキット価格、オプション設備の説明と価格、コンテナ車のサイズ、進入できる道幅など至れり尽くせりで明朗会計。ユーザー、代理店ともに初心者にはわかりやすいさっそく一番近い代理店と接触した。2×4建築の工務店が代理店をやっている。電話で問い合わせしても対応が丁寧で好感が持てる。ログハウスの知識があまりない感じでもっとディープなやりとりを期待していた私にはもの足りず成約には至らなかった。大量生産における規格化のメリットは著しい。手間をかけずにリーズナブルなログハウスを建てたい方には良いチョイスかも知れません。マシンカットという方向性を突き詰めればこういう形態になると思います。そういう意味では特徴的な一社ですね。販売棟数も多いです。●次は個人営業の輸入業者M氏きっかけは同じくログハウス好きの友人から「パインの価格でレッドシーダーのログハウスが建てられる」と言う情報が飛び込んできた。友人の仕事の関係での知り合いと言うことで、話を聞いてみました。相手は以前は某運送会社の北米支店にいたという某TV局のお天気おじさんにそっくりな人物M氏ここのやり方は個人の輸入業者M氏がカナダのビルダーと契約してログキットを輸入。日本での建築は日本で建築士とログビルダーを呼んでプロジェクトを組むというスタイルで仕事をしているらしい。何でもミャンマーでレッドシーダーが発見されて中国で加工して安く手にはいる。現在注文殺到で超忙しいとのこと。しかしこの話は角ログしか対応できないというので断念。カナダのログハウスメーカーにハンドカットログを発注し日本のログビルダーが組み立てるという形で話を続けたがこれが超疲れました。建築士、輸入業者ともにログハウスの知識が皆無に近い。建築士は井戸の場合はポンプの性能が足りず、2階にはトイレは作れないなどととんでもないことを連発する。造ろうとしているログハウスのイメージが全然見えてこないので雑誌に出ている超基本的なことを箇条書きにして質問メール送ったら「私どもの力では○○様のご要望には応えられないので今回のお話辞退します。」と言うメールが帰ってきた。こちらとしても話がかみ合わなくて疲れていたのでこの件は終わりとした。やはりログハウスの経験豊富な人と話がしたいと強く思う。●花形メーカー群馬のJ社ちょうど土地のめどが付いた頃にこの会社と接触。ここはハンドカット一本でこだわりのログハウスを造っています。デザイン、塗装の美しさ、センスの良さなどとても魅力的な作品を作っている会社です。沢山の人がここの家に憧れてました。やってきた若い営業マンはやる気満々で、腕まくりをしたシャツの袖を何度もたくし上げながら熱弁を振るう。一方的に自社のログハウスのすばらしさをまくし立てていました。一方通行のメッセージではあったが構造上の力を入れている点を中心に話をされるのでとても勉強になった。(屋根を大きくする、軒を深くする、水に濡らさないような徹底的な工夫など)マシンカットで検討していたときの間取り図を元に要望を説明するとやがて7700万円の見積もりとプランが届いた。この時点で戦意喪失。(まず最初に客の予算を確認してくださいね~ 汗)熱心さは良いのですがここのところをもう少し会話のキャッチボールが出来ると良いのですが・・・。●かつての花形山梨のA社地元の市立図書館には15年前のログハウスプラン誌がたくさん置いてあった。その雑誌を読むととても輝いていたのがハンドカットをメインで扱っていたこのA社だった。ハンドカットの刻み方として代表的なフォーポイントサドルノッチを考案した有名ビルダーをカナダから招聘してログハウスを造っていた。ログハウスの前には大きな石を使った池のようなプールを配したりしてゴージャスな作品が多くとても惹かれた。試しに自分の思い描くログハウスの絵を描いて送ってみたら、社長から電話が入った。「あなたのプランにそっくりな自社所有物件がある。移築しませんか?予算はそちらの予算に合わせる。はみ出た分は私の方で負担する。」(思えばこの調子の良い提案が泥沼の入り口だった)その物件はダグラスファーのハンドカットで確かにこちらの斜面に建てるハンドカットの絵とそっくりだった。このメーカーが事務所兼喫茶店として使っていたもので、なんと私が図書館で借りた雑誌に出ている建物だった。これはすごい!!!そして何よりも気に入ったのはB社のマシンカットで考えていた時の予算で出来るという破格の提案だった。セトリングの終わった古材のログは新しいログシェルよりも価値があるという。(この時は信じた)良いことづくめだと感じてこの話に飛びついた。やってきた社長はなかなか愛嬌のある憎めない人だった。自分の家柄や電子楽器業界での成功、家族の自慢話を無邪気に長話する人で本題よりも自慢話の時間がはるかに多いのには笑った。金持ちの自慢話なのだがすべて事実なのだろうか、面白くて嫌味もなくあまり腹も立たない。そして本題に入ると、良い条件で売る代わりに最初に着手金として2000万円を要求された。それは無理なので土地代の一部として準備していた500万円を振り込んだ。その後社長の言うことも2転3転するし、かなり様子がおかしい。「移築のために解体をはじめました」とか作業を進めているかのような連絡が来るが、頼んでもその写真を送ってはくれない。(あとからわかったのですが並行して他の人にも売却を進めていたようです。)この会社の設計士とは全然連絡が取れず本当に家が建つのか不安になってきた。連絡しても社長・設計士ともにいつも不在で連絡が付かず、社長夫人に伝言してもまず返事が来ない。本当に会社あるのかな?と不安になる。そこでいったん契約を白紙に戻して払ったお金を返してもらうことにした。結論を言うと半年かけて何とかお金を取り戻すことが出来ました。その時頂いた手紙には別のお客さんへの売却が決まっていたと書いてありました。??ですがお金が帰ってきたので良しとしました。このお家とは縁がなかったですね。世の中何でも適正価格というものがあり、うまい話には裏があると言うことですね。ちなみにこのあと、建築業界から手を引かれたようです。日本のログハウス業界紙に残る会社だと思います。お金持ちならではというか、庶民の発想を超えた巨大ログハウスやゴージャスなログハウスは本当に素晴らしいと思います。M氏でなければ作れなかったと思います。●花形メーカーJ社(再開)再度J社の門をたたく。(電話した)今度はキーマンのT氏が対応してくれた。とても説得力があり、こだわりとセンスの良さを気に入った。打ち合わせも何回かした。坪単価が高くこちらの予算では35坪位の普通サイズのログハウスになってしまう点がちょっと痛い。(我が家は中学~大学生まで子供が4人いるので2階に5部屋、自宅がオフィスなので一階にもリビングとは別にオフィススペースを希望していた)「当社で建てるほとんどの方が35坪ぐらいのサイズですよー。」「オフィスなんかリビングでやればいいんですよー」といわれると納得してしまう。ここで建てるようと決めた。少々狭くてもここにしたいと思っていましたがローンが通らなかった。T氏はたぶん大丈夫と思うといってくれたがJ社のメインバンクである足利銀行が木で鼻をくくったような対応だった。とりつく島もなかった。そしてそれを境にT氏の訪問もぱったりと途絶えた。やがてテレビが足利銀行の破綻を伝えていた。良いメーカーですが・・・残念ですがご縁がありませんでした。我が家の子供は親ほどはログハウスにロマンを感じないらしく、自分専用の部屋が出来ることが一番うれしい様子。中学生になる末の娘が「高いローンを払っても毎日窮屈に暮らすのでは大変だ」とぼそっと言った。この意見が現実的ですね。後日談あれほど華々しかった花形メーカーJ社がその後、2011年に突然倒産しました。建築途中の方やお金を払ったのにまだ建築すら始まっていない施主様もおられたようです。施主の皆様の夢が実現しますようにと切に願います。●中堅メーカー福島のG社メーカー探しを初めて半年以上たった9月、A社から500万円が返ってきたそして何とか地元の銀行でローンを借りるめども立った。その頃、何か虫の知らせのようなものを感じて上のJ社と平行してもう一社中堅メーカーG社にも声をかけていた。きっかけは夢丸の記事。記事中で印象に残ったそのメーカーの広告を見て電話したら社長が出て来たが話をすると実直な感じで良いものを作ってくれそうな印象がした。ホームページに力を入れていてHP更新も社長が自らやっており、建築現場や会社内の状況がよく見えるのが好印象だった。広告があまり派手ではないので中堅メーカーだと勝手に思ったのですが良い意味で驚かされました。内容を見るとカナディアンのハンドカット、北欧フィンランドと北米式のマシンカット、ポスト&ビームなどを手がけ、ログの木材もレッドシーダー、パイン、国産杉など何でもこなせる。家具も自社で製造するという、実力派のメーカーだった。数日後カナダ出張中の社長からメールが来た。レッドシーダーの良い材を仕入れるルートが出来た。コストも今までより5%ほど下がるのでそれは価格で顧客に還元するとのことだった。写真を貼付してくれたが年輪が数えられないぐらい目が詰んでいるという。 帰国早々打ち合わせをした。以前からJ社の素晴らしいログの塗装のことで知りたいことがあったがどこのメーカーも関心(知識)がなく、こちらの問いかけに答えられなかった。この会社の社長は自分もそれについて関心があり調べたことがあるとのこと。正確な情報はこの時わかりませんでしたが話が通じるってとてもうれしいですね。(その後J社の倒産のときに塗料の情報がわかりました。)社長はこちらの話を聞きながら目の前で方眼紙にフリーハンドで図面を書いていく。これまでの検討の成果でしょうか、とてもスムーズに話が運んだ。結局1ヶ月ぐらいでプランがまとまりこちらの希望の間取りをまとめ上げてくれた。価格的にもぎりぎりで予算の範囲内に収まったので契約した。11月には契約し12月にはログシェル製造開始。12月にはお歳暮でシクラメンのお花が届いた。1月には現場での基礎工事開始となった。●その他4社もの業者と話をしてダメだったので一時はログハウス建築はもう無理かと思いました。でも5社目で良い会社に出会えたお陰でその後は意外なほどスムーズに事が進んだ。やっぱりハンドカットを建てようと言う人はログハウスの研究もさることながら勢いが大事ですね。少々の困難が来たときにそれを乗り越える力は「ハンドカットのログハウスを建てたい」という熱い思いでした。自分なりのイメージを写真にしていたこともイメージトレーニングとして有効だったと思います。銀行もやっぱりネバーギブアップの精神で融資を受けました。あきらめずに門をたたき続けて良かったです。最初の足利銀行はメーカーJ社が仲介した事もあり、直接話はしていない。ダメだったとの報告のみで融資できない理由も質問できなかった。次の銀行も担当者は融資できると判断し一生懸命本部に掛け合ってくれたのに本部の審査が通らず断念。3つ目の銀行で融資してもらうことが出来ました。後の2つの銀行の担当者は本当に親身になって熱心に前向きに対応してくれました。自営業なので仕事内容の説明など何かと説明を求められ担当者も苦労されていました。頭が下がる思いです。