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テーマ:介護・看護・喪失(5195)
カテゴリ:看護
今日は仕事中にとっても怖い思いをしました。
いつものように入居者の寝る支度を手伝っていた時のことです。昨日は失禁があってズボンがぬれてしまい、自ら「着替えがしたい」と私に頼んできたKさん。今日は何だか怒り顔で椅子に座っていました。Kさんは痴呆があり混乱しがちで、生活援助が必要な方です。 寝る前にトイレ誘導とパジャマへの着替えを手伝おうとKさんの手をとると、怒り顔とは一転してとてもスムーズにトイレまで行きました。でも「今はしたくないからいい。」と再び怒り顔になり、排尿はせずにベットへと向かいました。 パジャマに着替えましょうと声を掛け、上着のボタンを外そうとするや否や、「着替えなんかしたくない!!」ととてもヒステリックな顔つきで両手を挙げて怒り始めました。Kさんはなんと私よりも身長が高く、骨格もしっかりしているので、高齢者と言えども力はとても強く、殴られたりしたらひとたまりもなさそうでした。落ち着かせようとさらに話しかけたのがいけなかったようで、「あっちに行けって言ってるのが分からないの?」と今度は立ち上がってとても怖い顔をして私を部屋から押し出そうとしました。その時のKさんの力の入れようといったら表現しようがないです。 身の危険を感じ、心臓はバクバク高鳴り今にも泣き出しそうな気持ちでした。はたかれたらどうしようと、、、、 抵抗するのはやめて、部屋から出て他の部屋に行きました。正確に言えばKさんから逃げたのですが、Kさんはそれでも廊下まで追っかけて来ました。 私が他の入居者に話しかけている姿をKさんはじっと廊下から見ていました。この後、他のスタッフがKさんを部屋に連れて行こうとしましたが、今度はそのスタッフに対して攻撃的な態度をみせていました。 しょうがないので、そのまま誰もKさんに関わらないようにしていると、Kさんは洋服のまま自ら布団に入り、休まれている様子でした。 日本で看護婦として病院で働いていた時には、痴呆があって攻撃的な患者さんといっても80・90歳代のやせて体格の小さな方がほとんどだったので身の危険は感じませんでした。基本的に体格のよいこちらの高齢者が攻撃的になると、その力は結構なものなのであなどれません。 今日の教訓は2つあります。 一つは、痴呆のある方が身体的に攻撃的な時は、周りに無害であれば無理になだめようとせず落ち着くまでそっとしておく。 二つ目は、本人が嫌だといっているときは無理強いをせずに本人のしたいようにさせる。例えば、着替えについて言えば、必ずしもパジャマで寝なければいけないわけではないのだから、パジャマに着替えたくないのであればそのまま寝させてもかまわないと思います。 トイレについても、本人が失禁をして気持ちが悪ければ(昨日そうだったように)本人からスタッフに頼んでくるかもしれないので、本人が嫌だと言う時は必ずしも寝る前にトイレを済ませなければいけないというわけではないのではないと思います。 数ヶ月前の新聞記事に、オーストラリアのナーシングホームで働くスタッフのアンケート結果が載っていて、痴呆のある入居者に身体的に攻撃されそうになり危険な思いをした事のある人が80%以上いるという内容でした。中には実際にそれが元で怪我をした人もいたりして、一時こちらでも大きな問題になっていました。 痴呆のある高齢者で攻撃的な方は、どんな理由に関わらず本人も分からずに攻撃をしてしまうことがほとんどなので、それを言葉や力で制止しようとはせずに自分や周りの危険を考えて非難することも時には大切になってきます。今日の教訓を忘れないようにしたいと思います。 ナーシングホーム実習目次へ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2004年11月26日 00時21分32秒
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