橋脚[地水](東京造形大学卒業制作)
橋脚二科展入選1994年東京造形大学の卒業制作です。「古典的方法による人体表現の研究」木彫でミケランジェロの視座を追体験するというテーマで制作しました。友達にモデルになってもらい写真を撮影して、それを使用して制作しました。(卒業制作展では、「地水」という題名にしていました。)粘土で原型を制作しています。原型を石膏どりして、これから彫る楠と並べています。原型を水に沈めて、喫水線から、奥行きと断面の座標をとっています。座標を原寸大の図面に起こしています。材料の木に座標をとっています。木に、座標を基に図面をデッサンをしています。チェーンソーで一気に木取りをしました。荒取り荒彫り中彫り制作中仕上げへ完成卒業制作展へ東京五美術大学連合卒業制作展(東京都立美術館)これを制作したのは、1985年です。大学を卒業した年に、フランス、イタリア、スイスにバックパッカーで1カ月一人旅をしてきました。その時。ミケランジェロの墓を訪ねました。翌年1986年、この作品を香川県美術展覧会に出品しましたら、なんと落選してしまいました。卒業制作で落選ですよ。びっくり。怒りと悔しさとで体中の血管が張り裂けそうに痛かったのを覚えています。審査をした先生から、ミケランジェロなんか作って、自分のオリジナルじゃない、そもそも着色がだめだと怒られました。ミケランジェロのポーズと同じという題材を選んだ時点で、もう審査の対象ではない、着色は彫刻の長い制作時間の中では、最後の数時間の問題です。彫刻の構造と技法とは無関係の視点で怒られて、落選するなんて。それから、この彫刻は、しばらく眠っていましたが、後に二科展に出品し入選しました。しかし、人生の中で彫刻の記憶を消した時、この作品は廃棄されました。