中高年の生涯学習

2018/09/09(日)11:18

統計データをごまかす政治

​ここまで露骨なのか。国民に対する背信行為というのもおこがましい。政治家、官僚全員、職を辞すほどの欺瞞である。 ​​中央省庁での障がい者雇用データの誤魔化し、就職機会をうばった。バレなければ、そのままにしたであろう。法律で障がい者の雇用率というものが決められている。民間より公的機関は多めに設定されている。2.3%を下回っていた。どうしてバレたか。ある新聞によると某機関が厚生労働省に障がい者について問い合わせたことから、調査してみると「障がい者」の定義に当てはまらないものまで算定したことがわかった、と出ていた。これが本当なのかは不明である。 ​​​​霞が関官庁街を歩いても、障がい者に出会うことはほとんどない。国会図書館も官庁である。ここでも一度も出会ったことはない。書庫の奥の方で働いているのだろうと思っていた。ちなみに今度の調査で国会図書館は22人としていたが、実際は12人だった。10人サバを読んでいたわけだ。全体で6900人の障がい者が働いていることになっていたが、3469人はニセ障がい者だった。なんと半分は統計外だったことになる。どうしてこうなったか。外部の専門家と称する御用学者を使って、いい加減な調査結果で逃げまくるのであろう。頭のいい狡猾な官僚というものがいる。こういう問題が起きたとき、ずる賢く立ち回ることができる奴が部長、課長、局長の階段を上っていく官僚システムがある。決して問題を根本的に解決しようとはしない。 ​​​本来は行政の問題は政治家がチェックする仕組みができているはずである。もう忘れかけているモリカケ問題もきちんと解決できない状況である。安部一強の政治体制がこんなところにも現れている。公務員の仕事といえば、データ管理に加えて政治家対応、暴力的体質のもつ右翼人材対応である。官庁の中を歩いていればすぐわかるが、大声で怒鳴り散らしている人物に出会う。なだめすかしてお引き取り願うのが官僚の重要な仕事になっている。刃物を振り回したり、暴力の行使に対しては警察対応になるが、これらの実力行使を行う人物は警察出動のぎりぎりの所でストップする。わかってやる知能犯なのだ。官僚は、こういう人物対応に身心をすり減らす。特に問題は政治家対応。面倒になり政治家の言われるままになる。そしていつのまにか政治家の考えていることを自主的に提案する。これが「忖度(そんたく)」という流行語を生みだした。特に安部政治は都合のいい官僚を総務省に引っ張り上げて、強欲政治のやりほうだいになる。 ​​霞が関を仕事で歩いている人間は障がい者がほとんどいない街であることは気づいていたであろう。さすがに厚生労働省は軽い障がいを持つ人が働いているので、他の霞が関界隈に障がい者がほとんどいないことに気づいていなかったのだろう。外国の政府関係者が打ち合わせに各省を訪問することがある。その中で障がい福祉関係者は目をさらにして障がい者の働き方を見ているはずだ。日本には障がい者が少ない、あるいはいないのか、という印象を持ったであろう。不思議の国ジャポン、である。 ​​民間の雇用率未達成の会社に対して罰則規定があり、いくらかの金額を国に納めなければならない規定がある。これを国自ら適応するのだろうか。国が作った法律を自ら破ったのであるから、普通なら法的に決着をつけなければならない。注視しておこう。 この問題は地方公共団体にも派生している。何年か前に横浜市教育委員会の不正が話題になった。そういえば社会福祉協議会の廊下を歩いていても、障がい者にお目にかかることがない。こういう団体も行政マンの天下り団体になっていて、行政の悪しき習慣を引き継いでいるのであろう。「共に生きる」という標語が行政から発せられるが、本音は「共に生きたくない」なのだろう。素直にそう言えばいいのだ。 ​昨今、スポーツ団体のパワハラが話題になっている。共通しているのは上に立つ人間の無責任さである。倫理観のない暴力的体質の人間がトップに立っている。問題が起こると、下にある選手に責任を押し付け、自分は被害者面をしていることである。日本社会のどす黒い面が露わになっている。この雇用率問題も同じような構造の中にあるような感じがする。「誤解でした」「間違いでした」で終わらせないでほしい。国の威信をもって解決してほしい。できないならオリンピック、パラリンピックを返上する覚悟をもってほしい。世界各国の人が見ていますぞ。 ​

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