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カテゴリ:漢詩・漢文
煙水(一作雪)宜春候、■(「寒」の「冫」を「衣」に換えた字。)關(一作開)値晩晴。
潮聲來萬井、山色映孤城。 旅夢親喬木、歸心亂早鶯。 儻無知己在、今已訪蓬瀛。 【韻字】晴・城・鴬・瀛(平声、庚韻)。 【訓読文】 煙水(一に「雪」に作る)春候に宜しく、関(一に「開」に作る)を■(「寒」の「冫」を「衣」に換えた字。)(ひら)きて晩晴に値ふ。 潮声万井に来たり、山色孤城に映ず。 旅夢喬木に親しみ、帰心早鴬に乱る。 儻(もし)知己の在る無くんば、今已に蓬瀛を訪はむ。 【注】 ○煙水 もやのたちこめた川。 ○春候 春の時候。 ○晩晴 夕暮れの晴れ間。 ○潮声 潮流の音。 ○万井 広い町。 ○山色 山の景色。 ○孤城 ぽつんと一つ離れてある町。 ○旅夢 旅先でみる夢。 ○喬木 年数を経た大木。チョウセンウグイスが深い谷から出て高い木に移る。進士の試験に合格することや、官位の昇進などをたとえる。『詩経』《小雅・伐木》「木を伐ること丁丁、鳥鳴くこと嚶嚶。出自幽谷より出で喬木に遷る」。 ○帰心 故郷に帰りたい気持ち。 ○早鴬 春の初めに鳴くチョウセンウグイス。 ○儻 もしも。 ○知己 おのれのよき理解者。 ○蓬瀛 蓬莱(ホウライ)と瀛州(エイシュウ)。いずれも伝説にいう東海の東にあるという神仙の住む山。 【訳】 もやたちこむる水面は春の時候にふさわしく、カンヌキ開き外に出て夕暮れ晴れた空ながむ。 潮流の音なりひびき、孤城に映ゆる山青し。 旅先でみるその夢は立身出世の望みあり、春の初めのウグイスは帰郷の思いかきたてる。 もし理解者を得ぬならば、神仙世界をおとづれん。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
March 15, 2009 05:08:07 PM
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