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趣味の漢詩と日本文学

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March 15, 2009
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カテゴリ:漢詩・漢文
煙水(一作雪)宜春候、■(「寒」の「冫」を「衣」に換えた字。)關(一作開)値晩晴。
潮聲來萬井、山色映孤城。
旅夢親喬木、歸心亂早鶯。
儻無知己在、今已訪蓬瀛。
【韻字】晴・城・鴬・瀛(平声、庚韻)。
【訓読文】
煙水(一に「雪」に作る)春候に宜しく、関(一に「開」に作る)を■(「寒」の「冫」を「衣」に換えた字。)(ひら)きて晩晴に値ふ。
潮声万井に来たり、山色孤城に映ず。
旅夢喬木に親しみ、帰心早鴬に乱る。
儻(もし)知己の在る無くんば、今已に蓬瀛を訪はむ。
【注】
○煙水 もやのたちこめた川。
○春候 春の時候。
○晩晴 夕暮れの晴れ間。
○潮声 潮流の音。
○万井 広い町。
○山色 山の景色。
○孤城 ぽつんと一つ離れてある町。
○旅夢 旅先でみる夢。
○喬木 年数を経た大木。チョウセンウグイスが深い谷から出て高い木に移る。進士の試験に合格することや、官位の昇進などをたとえる。『詩経』《小雅・伐木》「木を伐ること丁丁、鳥鳴くこと嚶嚶。出自幽谷より出で喬木に遷る」。
○帰心 故郷に帰りたい気持ち。
○早鴬 春の初めに鳴くチョウセンウグイス。
○儻 もしも。
○知己 おのれのよき理解者。
○蓬瀛 蓬莱(ホウライ)と瀛州(エイシュウ)。いずれも伝説にいう東海の東にあるという神仙の住む山。
【訳】
もやたちこむる水面は春の時候にふさわしく、カンヌキ開き外に出て夕暮れ晴れた空ながむ。
潮流の音なりひびき、孤城に映ゆる山青し。
旅先でみるその夢は立身出世の望みあり、春の初めのウグイスは帰郷の思いかきたてる。
もし理解者を得ぬならば、神仙世界をおとづれん。





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Last updated  March 15, 2009 05:08:07 PM
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