二種二次試験電力管理、H12問5,6
漢字能力検定の試験のための勉強ができる。漢検受験者の他、漢字力をつけたい人向けのソフトです。ロケットカンパニー 財団法人 日本漢字能力検定協会 公認 漢検DS 【NDS】問5屋外開放型の受変電設備の改修・点検作業や改修・点検時の機器操作において、作業者の感電等の人身事故を防止するためにとるべき安全対策を、次の項目について簡潔に述べよ。(1)電気設備の設計、施工面での安全対策(2)改修・点検時の作業や操作を行う際の設備面での安全対策(3)改修・点検時の作業や操作を行う際の作業面での安全対策【解答】(1)電気設備の設計、施行面での安全対策(a)法令の遵守電気設備技術基準の規定値等をクリアすることはもちろんのこと、労働や安全衛生規則による充電電路に対する接近限界距離は確実にクリアする設計とする。(b)余裕のある工程と操作手順書の作成・検討工程に余裕をもたせるとともに、安全に作業が進められるよう、作業手順書の作成・検討を行なう。(c)充電部露出の少ない機器への変更経済性を考慮しつつ、GIS機器など充電部の露出部分を少なくする設計とする。(2)改修・点検時の作業や操作を行なう際の設備面での安全対策(a)充電部との安全距離を確実に確保し、安全区画を確実に行なう。(b)超高圧設備など、特に静電誘導電圧の高いところでは、静電シールドを実施する。(c)適正な機器配置や照明など作業環境を整備する。(d)適切な作業場の確保を行なう。(e)誤操作防止を図るため、タブレットなどを用いる。(3)改修・点検時の作業や操作を行なう際の作業面での安全対策(a)日常の安全教育の充実を図る。(b)作業前、TBM-KYの確実実施。(c)作業・操作手順所の再確認と作業員全員への周知徹底。(d)誤操作防止処置(タブレット・インタロック)の再確認。(e)電路の検電と接地の確実実施。(f)充電部分の区画と安全距離の確保の再確認(g)給電所・制御所との確実な相互連絡の確認(h)予定外作業の絶対禁止(i)基本動作の励行と監視員の適正配置(j)運転側・作業側の責任区分の明確化問6図に示す自家用変電所の過電流保護について、保護協調の観点から次の問に答えよ。(1)保護継伝方式における保護協調の概念について簡潔に述べよ。(2)過電流継電器Ry1の動作時間整定値(限時整定値)の考え方について供給変電所との関わりも含め簡潔に述べよ。(3)一般電気事業者から過電流継電器Ry1の限時整定値を変圧器二次側回路の短絡時に0.6秒以下とするよう要請されている場合、保護協調における適正動作時間差を考慮し、過電流継電器Ry2,Ry2の動作時間整定値(限時整定値)を求め、かつ、瞬時要素つきの要否について述べよ。ただし、遮断器の全遮断時間は0.1秒、過電流継電器は誘導円盤形で、その慣性動作時間及び最短動作時間整定値は各0.2秒、余裕時間は0.05秒とする。【解答】(1)保護協調の概念一般電気事業者の系統と自家用配電系統の接合点にあたる受変電設備の保護は、両系統を通しての協調が必要である。すなわち、電力会社系統の末端としての整定と、自家用配電系統の電源端としての整定とが矛盾なく行なえることが望ましい。(2)動作時間整定値(時限整定値)の考え方送配電の短絡事故には送配電線に接続された過電流継電器が確実に動作しなければならないが、事故が需要家構内の場合には需要家側の過電流継電器が先に動作するよう、第1図に示すような時限協調を確実に図ることが必要である。(3)一般に時限差継電方式における上位・下位継電器の適正動作時間と動作時間差は、Rn=Rn+1+SS=Bn+1+On+aで示される。ここで、Rn:第n区間継電器の動作時間Rn+1:第n+1区間継電器動作時間S:第n区間と第(n+1)区間の継電器の動作時限整定差Bn+1:(n+1)区間遮断器の全遮断時間On:第n区間継電器の慣性動作時間a:余裕時間問題のただし書きから、全遮断時間0.1秒の遮断器と慣性動作時間0.2秒の誘導円盤形継電器を使用した場合の適正動作時間差は、余裕時間を0.05秒とするとあるので、S=0.1+0.2+0.05=0.35(秒)となる。次に問題のただし書きから、最短動作時間整定値は0.2秒とあるから、Ry3の整定値を0.2秒とすれば、Ry2の整定値R2は、R2=0.2+0.35=0.55(秒)Ry1の整定値R1は、R1=0.55+0.35=0.9(秒)となる。したがって、一般電気事業者の要請する0.6秒以下を超過するので、Ry3の整定値を単に0.2秒にするのではなく、瞬時動作要素を付加して、整定を見直す。前記と逆に、Ry1の整定値を0.6秒として、Ry2、Ry3の整定値を検討する。Ry2の整定値は、R2=0.6-0.35=0.25(秒)Ry3は0.35秒の時限差が取れないので瞬時要素付とし、遠方故障に対して、0.2秒の整定をする。なお、R2は短時間とするのが保護上好ましいので、過電流領域の反限時特性によるRy3との動作時限差を検討して、協調可能ならR2を0.2秒とする。以上、です。補足はこちら。電験二種レベルアップ問題集