最高の贅沢
もし手元に、お金が無限にあったら、どんな贅沢をしたいですか?今日、これは最高の贅沢だなあ~、と思ったこと。“自分のオーケストラを持って、自分の誕生日にハッピーバースデーの曲を自分のために弾いてもらう。”大学創設者の誕生日が先週だったかで、今日の金曜日のコンサートは創設者をよんでのお祝いの曲目。私たちはそれと知らずに普通にチケットを買って行ったのですが、会場の8割以上が大学関係者でした。まず、冒頭にトルコでは有数のピアニストの一人、Gulsin Onay (ギュルスン オナイ)が、創設者に向かって、最初は80歳、85歳って5年おきにやってきてお祝いをしにきていたけれど、もうここ数年は毎年お祝いにかけつけさせてもらっています。あなたがポロネーズを好きだと聞いたので、お誕生日祝いに贈ります、と演奏し始める。彼女のピアノ、ピアノはよくわからない私でも、一度聞くと魅了される。以前コンサートでのソロを聞いてからもうすっかりファン。これはプログラムにも載っていない、本当に飛び込みの演奏。そして本当にすばらしかった!彼女の華麗な演奏が終わってから、今日のプログラムが始まる。曲目はビゼーのカルメンから3曲。ロシア出身のソプラノとテノール歌手がやってきた。目を閉じて聞くと、ヨーロッパの大きなオペラ座の座席に座っているかのような錯覚におちいる迫力。それに続き"Musica Proibita""Mattinata""O mio Babbino caro"と盛り上がってきて、"O Sole Mio""La Traviata", "Brindisi"とクライマックス。O Sole Mio のテノール、本当に素敵だった。こう、背中にぞくぞくっと鳥肌が立つ迫力。そしてその後に・・・・ハッピーバースデートゥーユーの演奏。なんともいえない贅沢だよな・・・と心から。どうも赤字経営(だって2時間のコンサートのチケットが10リラ(600円くらい)ですから。それでもヴァイオリニストの諏訪内さんとか庄司さんとかをはじめ、いろんなとこからソリスト呼んでいるし・・・)といううわさのこの大学オケ。(大学オケといっても、音楽科が大学にあるので、それの先生方ほかのプロです)なんでも創設者の“趣味”なので継続できているとか何とか。私はその趣味の恩恵にあやかっているわけです。この、金・金・金、の環境で、お金を超えた次元の“大切なもの”を提供してくれている創設者。感謝感謝なのです。94歳になられましたが、これからもどうぞお元気で。