テーマ:短歌(1696)
カテゴリ:短歌
<秋の実を詠む>
この秋も色んな実を見かけました。今日はそんな実の2回目。前回同様に下手な短歌を添えてみました。ご笑覧いただけたら嬉しいです。 茶色の実ヘクソカズラの美しき嫌われ者の名前なれども シャリンバイ同時につけし花と実を秋深き日に初めて見たり 麗しき名前よ汝はマユミなりその木で強き弓作りしか 碧空に向かひて漕ぎしブランコはショコラ色せし真弓の実なり 真弓早や実の割れしかな干し葡萄色せし種の貌覗きたり 空中に飛び出したりし紅き実は師走を飾る吊るし雛なり 誰一人獲る者のなき柿の実はやがて熟してヒヨドリが喰ふ まだ青さ残れる柚子に晩秋の暖かき陽は降り注ぎたり 柚子三つ肩寄せ合ひて何語る今夜の鍋に使われるやも やうやくに柚子も明るき色となる秋深まりしみちのくの庭 鈴生りの柚子輝きし道の端吾の物なら楽しからうに 鬼灯の皮破けたる内側も透かして見ゆる秋となりけり 甘藍は中国名のキャベツなり少し虫食ひ甘さの証拠 丈低き樹に釣り合はぬ花梨なり肌艶めきて芳香放つ 金色の堅き果実よ名は花梨顔に似合はずジャムになるらし 頼りなき実よ誰一人振り向かぬ白南天は淋しかりけり 悟りたる風情なりけり白南天ただひたすらに経を唱へて 災ひを転ずると云ふ南天もやうやく赤く染まりて来たり 秋更けて南天の実は太りしか苦しみながら仆れむとして 鉢植への林檎の苗に四つの実驚きて見ぬ通りすがりに 近所を散歩していると、たまに思いがけないものを発見します。このリンゴもそうでした。短歌には4つの実としてますが、本当は10個ほどのリンゴが輝いていました。さほど広い庭でも、日当たりの良い庭でもありません。ですがきっと家の主人の手入れが良いせいで、鉢植えの小さな樹に鈴生りのリンゴが実っていたのです。実に愉快。広い農園でなく、住宅地の道端で元気の良いリンゴを観られたのですからねえ。<続く> お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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